この記事の判断軸:新NISAの取り崩し開始年齢は、年齢だけでなく、年間支出、現金クッション、年金開始までの不足額、運用期間、相場下落時の取り崩し額を置き換えて判断します。早すぎる・遅すぎるの両方を同じ前提で比較します。
新NISAで資産を築いたあと、多くの人が次に悩むのが「では、いつからこのお金を使い始めればいいのか」という問題です。積み立てるルールは比較的シンプルですが、取り崩しを始める年齢には、これといった唯一の正解が存在しません。
結論から整理すると、取り崩し開始年齢は「早すぎても、遅すぎても、それぞれ別の種類のリスクがある」という考え方が一般的です。早く始めれば、本来もっと増えるはずだった資産の成長期間を手放すことになります。遅く始めれば、健康に動ける期間を使いきれないまま資産だけが残る、という事態にもなりかねません。
この記事では、開始年齢を「何歳が正解か」と一点で決めず、自分にとって必要な資金と使いたい時期から判断する方法を説明します。数値を挙げる箇所はすべて計算例であり、実在の個人や特定商品の実績ではない点をあらかじめお断りしておきます。
開始年齢と口座の順番を一緒に考える
取り崩しを始める年齢が決まっても、実際にどの口座から売るかで税負担と将来の非課税メリットは変わります。口座ごとの優先順位は、次の親記事で判断フローにしています。
「何歳から」に唯一の正解がない理由:2つの逆算
取り崩し開始年齢を考えるとき、出発点には大きく2つの逆算のしかたがあるとされています。
1つ目は「目標資産から逆算する」考え方です。 あらかじめ決めた目標額に資産が到達した時点で取り崩しを始める、という発想で、年齢そのものよりも到達額を基準にします。たとえば「年間支出の25倍に達したら」といった目安を置くケースがこれにあたります(年間支出300万円なら300万円 × 25 = 7,500万円)。この「25倍」という目安は、取り崩し率を年4%とみなす4%ルールを日本の新NISAに当てはめた考え方と表裏の関係にあります。この考え方では、40歳で到達すれば40歳が開始年齢になり、55歳で到達すれば55歳が開始年齢になります。到達の早い遅いは、年齢ではなく資産状況で決まります。
2つ目は「就労収入がなくなる時点から逆算する」考え方です。 定年退職や早期退職で給与という収入源が途絶えるタイミングに合わせて取り崩しを始める、という発想で、こちらは年齢や退職時期が基準になります。60歳定年なら60歳、65歳まで働くなら65歳が起点です。
この2つは、しばしば一致しません。目標資産に早く到達しても働き続ける人もいれば、目標額に届く前に退職を迎える人もいます。「何歳から」に共通の正解がないのは、そもそも人によって基準そのものが違うためだと言えます。まずは自分がどちらの逆算に近いのかを意識することが、開始年齢を考える出発点になります。
早すぎる取り崩しのリスク:増えるはずだった時間を手放す
十分な資産がある、あるいは他に収入があるにもかかわらず早くから取り崩しを始めると、複利で資産が育つ期間を短くしてしまう、という点がしばしば指摘されます。
計算例で考えてみます。Aさん(実在の個人ではなく計算例です)が1,000万円を年利4%で運用しているとします。この1,000万円をすぐには取り崩さず、5年間そのまま運用を続けた場合、単純計算では次のようになります。
- 1,000万円 × 1.04の5乗 = 1,000万円 × 1.2166… ≒ 1,216.7万円
- 増加分:1,216.7万円 − 1,000万円 ≒ 約217万円
つまり、取り崩しを5年遅らせるだけで、単純計算で約217万円ぶんの成長余地が生まれる計算になります(税・手数料・価格変動は考慮しない前提の目安です)。逆に言えば、必要以上に早く取り崩し始めると、この成長ぶんを受け取れないまま元本を削っていくことになります。
特に運用期間が長く残っている若い年代ほど、この「複利の時間」は大きな意味を持つとされています。まだ就労収入があるうちから新NISAを取り崩す必然性は乏しく、生活費は給与でまかない、投資資産は成長させ続けるほうが合理的だという考え方が一般的です。新NISAは非課税で保有できる期間が無期限化されているため、急いで現金化しなくても非課税のメリットを長く享受できる、という制度上の後押しもあります。なお、取り崩すタイミングで新NISAの取り崩しにかかる税金がいくらになるかは、特定口座との金額差も含めて別記事で整理しています。
早すぎる取り崩しは、「まだ働けるうちに資産を削ってしまう」「せっかくの複利期間を短くしてしまう」という二重の意味で、慎重に考えたい選択だと言えます。
遅すぎる取り崩しのリスク:使いきれない時間が生まれる
一方で、「できるだけ長く取り崩さないほうが安全だ」と考えて開始をどんどん先送りすることにも、別のリスクがあります。それは、健康に動けるうちにお金を使う機会を逃してしまう、という問題です。
参考になる指標として「健康寿命」があります。これは日常生活に制限なく過ごせる期間を表す厚生労働省の統計で、2022年(令和4年)時点では男性が72.57歳、女性が75.45歳とされています。平均寿命(2022年で男性81.05歳、女性87.09歳)との間には、男性でおよそ8年、女性でおよそ12年の差があります。つまり、寿命の終盤には、旅行や趣味などに活発にお金を使うことが難しくなる期間が一定程度あると見込まれる、ということです。
取り崩しを遅らせすぎると、資産は数字として残っても、それを楽しみに使える時間のほうが先に減っていく、という逆転が起こりえます。「老後のために」と貯め続けた結果、もっとも元気な時期に旅行や経験にお金を回せなかった、というのは、資産形成のもうひとつの失敗のかたちだと考える人もいます。
また、取り崩し開始が遅いほど、そのお金を実際に使える残り期間は短くなります。運用を考えない単純計算で、2,000万円を95歳までに使いきると想定すると、次のように差が出ます。
- 65歳から取り崩す場合:95歳まで30年間 → 2,000万円 ÷ 30年 ≒ 年66.7万円
- 75歳から取り崩す場合:95歳まで20年間 → 2,000万円 ÷ 20年 = 年100万円
75歳開始のほうが年あたりの金額は大きくなりますが、その代わり「使える期間」そのものが10年短くなっています。健康寿命を踏まえると、この短くなる10年は、もっとも活動的に過ごせる時期と重なる可能性がある点に注意が必要です。
もちろん、長生きリスク(想定より長生きして資産が尽きる可能性)に備える意味で取り崩しを控えめにする発想自体は理にかなっています。ただ「遅らせること」自体が目的化していないか、一度立ち止まって考える価値はありそうです。
公的年金の受給開始年齢(65歳)との関係を整理する
取り崩し開始年齢を考えるうえで避けて通れないのが、公的年金との関係です。日本の公的年金は、原則65歳から受給が始まります。この65歳という節目が、取り崩し戦略の1つの軸になります。
年金は受給開始時期を自分で選べる仕組みになっており、繰上げ受給(早くもらう)と繰下げ受給(遅くもらう)が用意されています。2022年4月の制度改正後の内容は次のとおりです。
- 繰上げ受給:60歳から可能。1か月早めるごとに0.4%減額され、60歳受給開始なら最大24%の減額(0.4% × 60か月)。この減額は生涯続きます。
- 繰下げ受給:最大75歳まで可能。1か月遅らせるごとに0.7%増額され、75歳受給開始なら最大84%の増額(0.7% × 120か月)。この増額も生涯続きます。
計算例で見ると、本来65歳から年100万円受け取れる年金の場合、繰上げと繰下げでは次のように変わります。
- 60歳に繰上げ:100万円 × (1 − 0.24) = 年76万円(生涯)
- 75歳に繰下げ:100万円 × (1 + 0.84) = 年184万円(生涯)
| 受給開始年齢 | 増減率 | 年金額の例(年100万円が基準の場合) |
|---|---|---|
| 60歳(繰上げ) | −24% | 年76万円(生涯) |
| 65歳(基準) | ±0% | 年100万円 |
| 75歳(繰下げ) | +84% | 年184万円(生涯) |
ここで新NISAの取り崩しが関係してきます。年金の繰下げを選ぶと、受給開始までの間は年金収入がありません。その空白を埋める役割を、新NISAなどの資産の取り崩しに担わせる、という組み合わせが考えられます。つまり「年金は繰下げて将来の受給額を増やし、それまでの生活費は資産の取り崩しでつなぐ」という設計です。
逆に、資産を長持ちさせたいなら年金を早めに受け取って取り崩し額を抑える、という発想もあります。どちらが有利かは寿命や運用成績によって変わるため一概には言えませんが、「取り崩し開始年齢」と「年金受給開始年齢」はセットで考えるものだ、という点は共通しています。年金という土台をいつ・いくら受け取るかによって、新NISAをどのくらいのペースで取り崩すべきかが変わってくるためです。
FIRE(早期退職)する場合と定年まで働く場合の違い
同じ「取り崩し開始年齢」でも、早期退職(FIRE)を目指す場合と、通常の定年まで働く場合とでは、その意味合いが大きく変わります。
定年まで働く場合、 給与収入が途切れる時期と年金受給開始が比較的近いのが特徴です。たとえば60歳定年であれば、65歳の年金開始までの空白は5年ほどです。この5年間を新NISAの取り崩しでつなぐ、という限定的な使い方が想定できます。仮に生活費が年300万円なら、この期間に必要な取り崩しは単純計算で300万円 × 5年 = 1,500万円ぶんが目安になります。65歳以降は年金が土台になるため、取り崩しは補助的な役割に移りやすい、という整理ができます。
一方、FIREして早期退職する場合、 給与が途切れる年齢と年金開始(原則65歳)との間に、長い空白期間が生まれます。たとえば45歳でFIREすると、65歳の年金開始まで20年間、公的年金という土台がないまま資産だけで生活する期間が続きます。生活費が年240万円(月20万円)なら、この20年間だけで単純計算240万円 × 20年 = 4,800万円ぶんの取り崩しが必要になる計算です(運用による増減は考慮しない目安)。
この違いは、取り崩し開始年齢の「重み」を大きく変えます。定年退職型では取り崩しは年金までの短いつなぎですが、FIRE型では取り崩しが長期にわたる生活の主柱になります。そのため、FIREを目指す場合ほど、取り崩し開始年齢を早めることのリスク(資産が尽きる可能性の上昇)を慎重に見積もる必要がある、という考え方が一般的です。特に長期の取り崩しでは、暴落局面で取り崩しを続けるかどうかも資産寿命を左右するため、暴落時に取り崩しを止めるべきかというFIREの出口戦略もあわせて検討しておきたいところです。同じ「45歳から取り崩し開始」でも、それが20年間の空白の入り口なのか、単なる一時的な引き出しなのかで、意味はまったく異なります。
年齢別に見る「取り崩し開始を判断するポイント」
最後に、リタイア・FIREを考える年代別に、取り崩し開始を判断するうえで意識したいポイントを整理します。ここでは資産が何年もつかという年数計算ではなく、「いつ取り崩しを始めるかを決める際の着眼点」に絞って触れます。資産が具体的に何年もつかを試算したい場合は、年代・資産額別に「何年もつか」を試算した取り崩しシミュレーションもあわせて参考になります。
30代でFIREを考える場合。 取り崩し期間が50年以上に及ぶ可能性があり、早くから取り崩しを始めると複利の逸失も資産枯渇の可能性も大きくなりがちです。この年代では、資産を全面的に取り崩す完全リタイアより、一部就労を組み合わせて取り崩しを最小限に抑える、という選択肢も含めて開始時期を考える発想が挙げられます。
40代でFIREを考える場合。 年金開始まで20年前後の空白があり、その間をどれだけの厚みの資産で埋められるかが判断の軸になります。取り崩し開始を「決断できるか」は、空白期間ぶんの資金に十分な余裕があるかどうかにかかってくる、という整理ができます。
50代でセミリタイアを考える場合。 定年前に収入を落とす選択と、年金の繰上げ・繰下げの判断が重なりやすい年代です。給与を減らした時点から少しずつ取り崩しを始めるのか、年金開始までフルに取り崩すのかで、必要額が変わります。年金をいつ受け取るかとセットで開始時期を考える必要性が高まります。
60代で定年を迎える場合。 60歳から65歳の年金開始までの「つなぎ」として取り崩すのか、年金を繰下げてその間を厚めに取り崩すのかが、主な論点になります。この年代は健康寿命との距離も近づくため、「使える時間」を意識した早めの取り崩しに前向きな考え方もあります。
いずれの年代にも共通するのは、「取り崩し開始年齢は、資産額・年金・健康・働き方の4つが交わる点で決まる」という視点です。年齢という数字だけを見て決めるものではない、という点は、どの世代にも当てはまると言えそうです。
まとめ:開始年齢は「点」ではなく「バランス」で決める
新NISAの取り崩しを何歳から始めるべきかについて、唯一の正解は存在しません。整理すると、次のようになります。
- 出発点には「目標資産からの逆算」と「就労収入の途絶からの逆算」の2つがあり、どちらに近いかで基準が変わる
- 早すぎる開始は、複利で増えるはずだった成長期間を手放すリスクがある
- 遅すぎる開始は、健康に動ける時間を使いきれず資産だけが残るリスクがある
- 公的年金(原則65歳、繰上げ60歳〜・繰下げ75歳まで)といつ・いくら受け取るかをセットで考える必要がある
- FIRE型は取り崩しが生活の主柱になり、定年退職型は年金までのつなぎになりやすく、開始年齢の重みが異なる
取り崩し開始年齢は、ひとつの数字にこだわって決めるものではなく、資産・年金・健康・働き方のバランスの中で見つけていくものだ、という考え方が現実的です。この記事の数値はいずれも仕組みを理解するための計算例であり、実際の判断にあたっては、最新の制度や自身の状況をふまえて検討することが望ましいとされています。判断に迷う場合は、公的機関の情報や、必要に応じて専門家への相談も選択肢になります。
(最終更新日:2026年8月20日)
年齢ではなく「いつ資産が必要になるか」で考える
「60歳から」「65歳から」と年齢だけで決めると、現在の収入や住まい、年金額とのつながりが見えなくなります。開始時期を考えるときは、まず投資資産から毎年いくら必要なのかを計算します。
| 年間生活費 | 公的年金など | 資産から補う金額 |
|---|---|---|
| 300万円 | 年金180万円 | 年間120万円 |
| 300万円 | 年金120万円 | 年間180万円 |
| 240万円 | 年金180万円 | 年間60万円 |
同じ2,000万円を持っていても、年金で生活費の大半をまかなえる人と、年金だけでは毎年180万円不足する人では、取り崩しを始める年齢の意味が変わります。年齢より先に、生活費、年金見込額、仕事からの収入、資産からの不足分を書き出してください。
公的年金は取り崩し開始年齢とセットで比較する
老齢基礎年金と老齢厚生年金は、原則65歳から受け取ります。一定の条件では60歳から64歳の繰上げ受給、66歳から75歳までの繰下げ受給を選べます。繰上げると年金額は減り、繰下げると増えますが、受給開始時期だけでなく、税金や社会保険料、他の年金との関係も確認が必要です。
たとえば、60歳から65歳までの生活費を新NISAから取り崩し、65歳から年金を受け取る方法があります。反対に、65歳以降も資産を使いながら年金を繰下げ、将来の定期収入を厚くする方法もあります。どちらがよいかは、健康状態、働ける期間、手元資金、長生きへの不安によって変わります。
日本年金機構の繰下げ受給の案内では、老齢基礎年金・老齢厚生年金を66歳以後75歳まで繰り下げて受け取れる制度が説明されています。年金額の見込額は、ねんきんネットや年金事務所で確認したうえで比較してください。
取り崩し開始を60歳・65歳・70歳で比べる計算例
次の例は、投資資産2,400万円、年間生活費300万円、65歳から年金を年180万円受け取る人を想定したものです。運用益、税金、物価上昇は含めない単純計算なので、実際の資産寿命を示すものではありません。
| 開始時期 | 年金開始までの不足 | 65歳以降の不足 | 確認したい点 |
|---|---|---|---|
| 60歳 | 5年間で600万円 | 年間120万円 | 60〜65歳の資産減少が大きい |
| 65歳 | なし | 年間120万円 | 65歳までの生活費を別の収入でまかなう |
| 70歳 | なし | 年間120万円 | 65〜70歳の資産を使わない代わりに、使える期間が短くなる |
60歳開始の場合、65歳までに600万円を使うため、投資資産は1,800万円になります。その後、年120万円ずつ取り崩すなら、運用益を考えない単純計算では15年で残高がなくなります。一方、65歳開始なら2,400万円を残したまま、年120万円の取り崩しを始めます。この差は、年金開始までに給与や副業収入があるかどうかで大きく変わります。
この例から分かるのは、開始年齢を遅らせれば必ず安全になる、ということではありません。早く始めると資産の減少が先に進み、遅く始めると元気に使える期間を逃す可能性があります。年金を受け取る時期と、資産を使いたい時期を同じ表に並べることが大切です。
新NISAの資産を取り崩すときに見る数字
新NISAで保有している資産を売却すると、売却額ではなく取得価額を基準に非課税保有限度額の再利用が管理されます。売却した分の枠がその年に戻るわけではなく、翌年以降に再利用できます。取り崩しを始める前に、金融機関の画面で取得価額と現在の評価額を確認してください。
また、投資信託を売却する場合は注文日と約定日が異なることがあります。生活費の引き落とし日に間に合わせるには、売却から受取までの日数を確認しておく必要があります。株式の配当を生活費に使う場合は、NISAで配当金を非課税にする受取方式の設定も確認します。
「NISAだから売ればすぐ現金になる」とは限りません。売却手続き、約定、出金のそれぞれに時間がかかるため、直近の生活費は現金で別に用意しておきます。
取り崩し開始後は、毎年同じ額を使わなくてもよい
定額で取り崩す方法は家計を管理しやすい一方、相場が下落した年にも同じ金額を売ることになります。開始後は、次のようなルールをあらかじめ決めておくと、感情だけで判断しにくくなります。
- 前年末の資産が一定以上減った場合は、旅行や大型購入を延期する
- 年間生活費のうち、削れない支出と削れる支出を分ける
- 現金を2年分確保し、相場下落時は現金から支払う
- 仕事を一時的に増やせる資格や人脈を残す
- 毎年1回、資産残高・支出・年金見込額を更新する
毎年の取り崩し額を残高の一定割合にする方法なら、資産が減った年は支出も減ります。ただし、生活費が大きく変動するため、家賃や保険料などの固定費をこの方法だけでまかなうのは難しい場合があります。固定費は現金や年金、安定した収入でまかない、変動費を相場に合わせる設計が現実的です。
健康寿命を「使う時期」の判断材料にする
資産を残すことだけを目標にすると、使いたい時期を逃すことがあります。厚生労働省によると、2022年の健康寿命は男性72.57歳、女性75.45歳です。これは平均値であり、個人の寿命や健康状態を予測する数字ではありませんが、元気に動ける期間を資金計画に入れる材料になります。
厚生労働省の健康寿命に関する資料では、健康寿命と平均寿命の差も示されています。旅行、趣味、親との時間、住み替えなど、年齢によってやりやすさが変わる支出があるなら、すべてを老後に回すのではなく、使いたい時期を先に決めておく方法があります。
開始年齢を決めるための最終チェック
| 確認項目 | 答えが必要な質問 |
|---|---|
| 生活費 | 年間いくらあれば最低限の生活を続けられるか |
| 収入 | 何歳まで給与・副業収入を見込むか |
| 年金 | 65歳開始、繰上げ、繰下げで年金額はいくらか |
| 現金 | 相場下落時に何年、売却せず暮らせるか |
| 使う時期 | 健康に動ける時期に、何にお金を使いたいか |
| 見直し | 資産と支出をいつ再計算するか |
この六つに答えられれば、「何歳から」という問いを、自分の生活に必要な数字へ置き換えられます。年齢だけで開始時期を決めるのではなく、年金を受け取るまでの不足額と、使いたい時期の両方を見て判断してください。
新NISAの出口戦略に戻る
取り崩しの年齢、税金、口座の順番、4%ルールをまとめて確認する場合はこちらです。
関連する前提は、新NISAと特定口座の取り崩し順序、新NISAの取り崩しにかかる税金でも確認できます。
取り崩し開始前の確認順
- 生活費の何年分を現金で確保するか決める
- 公的年金の受給見込みと開始時期を確認する
- NISA・課税口座・預金の残高を分けて把握する
- 相場下落時に取り崩しを止められる支出を決める
開始年齢は一つの正解に固定せず、資産・年金・健康の3つの前提を更新するたびに見直します。




コメント