最終更新日:2026年8月1日
グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)は、純資産総額が9,334億7,000万円(2026年7月31日時点)の、アセットマネジメントOneが運用する国内公募の投資信託です。愛称の「未来の世界(ESG)」で呼ばれることが多く、Googleで「未来の世界 ESG」と入力すると「掲示板」が補完されます(2026年7月31日確認)。検索結果の1ページ目にもYahoo!ファイナンスの掲示板ページが上位に並びます。保有している人が、いまの評価を確かめたがっている商品だとわかります。
本記事では、交付目論見書・月次レポートという運用会社の一次資料と、販売会社が公表しているコスト情報をもとに、費用の内訳・運用実績・純資産の増減・組入銘柄の中身を中立的に整理します。掲示板の個別の書き込みは引用しません。
※先にお断りしておくと、このファンドには名前が3文字しか違わない別のファンドがあります。同じアセットマネジメントOneが運用する「グローバル・ハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)」、愛称「未来の世界」です。設定日も決算日も信託報酬もNISAの扱いも違う、別の商品です。本記事が扱うのは「ESG」が付く側だけです。2本の違いは記事の前半でまとめています。
当ファンドの基準価額は、設定時の10,000円から2026年6月30日で20,378円になりました。設定来の騰落率は+103.78%です。ただし直近1年は+3.39%で、ESGが付かない「未来の世界」の同じ1年+11.18%に7.79ポイント差をつけられています。信託報酬は年1.848%(税込)、実際にかかった費用の総額を示す総経費率は年1.86%。ESGなし版の1.65%・1.67%より高い水準です。購入時手数料は上限3.3%と定められており、みずほ銀行では1億円未満の購入に3.30%(税込)が実際に適用されます。分配金は設定来累計0円、決算は年1回。NISAは成長投資枠の対象で、つみたて投資枠は対象外です。
未来の世界(ESG)とはどんなファンドか
委託会社はアセットマネジメントOne株式会社です。日本を含む世界の上場株式に投資し、信託財産の成長をめざして積極的な運用を行うファンドで、実質的に組み入れた外貨建資産については原則として為替ヘッジを行いません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし) |
| 愛称 | 未来の世界(ESG) |
| 設定日 | 2020年7月20日 |
| 信託期間 | 2050年7月14日まで(純資産総額が30億円を下回った場合等は繰上償還となることがある) |
| 委託会社(運用) | アセットマネジメントOne株式会社 |
| 受託会社 | みずほ信託銀行株式会社 |
| 運用の委託先 | モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメント・インク(権限の一部をモルガン・スタンレー・アジア・リミテッドおよびモルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメント・カンパニーへ再委託) |
| 用いる運用戦略 | モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメントのグローバル・チェンジ株式運用戦略 |
| 商品分類 | 追加型投信/内外/株式 |
| 運用の仕組み | ファミリーファンド方式(グローバルESGハイクオリティ成長株式マザーファンドへ投資) |
| 決算頻度 | 年1回(毎年7月14日、休業日の場合は翌営業日) |
| ファンドコード / ISIN | 47311207 / JP90C000KAH8 |
| 基準価額 | 20,447円(2026年7月31日、前日比-70円) |
| 純資産総額 | 9,334億7,000万円(2026年7月31日時点) |
| NISA | 成長投資枠は対象/つみたて投資枠は対象外(販売会社により取扱いが異なる場合がある) |
| 確定拠出年金 | DC兼用 |
運用の実務はモルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメント(MSIM)が担います。同社のグローバル・チェンジ株式運用戦略を使い、持続可能な競争優位性を持ち高い利益成長が見込める企業のうち、市場価格が理論価格より割安で、かつESG評価の観点から企業価値の向上が期待できるものを絞り込んでポートフォリオを組みます。銘柄選びの工程は、投資アイデアの創出、クオリティ分析、理論価格の導出、ポートフォリオ構築とリスク管理の4段階です。
ESGの観点は運用プロセスの3か所に入ります。1つめはクオリティ分析で、競争優位性・ディスラプティブチェンジ・成長性・財務健全性と並ぶ評価軸としてESG評価(クオリティ評価)が置かれています。2つめは銘柄の除外で、酒・たばこ・ギャンブル・化石燃料の生産・武器の製造などを主な事業とする企業と、国による株式保有比率が20%を超える企業を外します。3つめは組入比率の調整で、運用チーム独自の「メダルレーティング」(ゴールド・シルバー・ブロンズ・メダルなし)に応じて比率を増減させます。マザーファンドの純資産のうち、ESGを主要な要素として選んだ銘柄への投資額の比率は90%以上を目標としています。
「未来の世界(ESG)」と「未来の世界」は別のファンド
当ファンドを調べるときに最初に押さえておきたいのが、名前がよく似た別ファンドの存在です。アセットマネジメントOneには「グローバル・ハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)」、愛称「未来の世界」があります。ESGの3文字が入るかどうかしか違いません。
投資対象はどちらも世界の上場株式ですが、用いる運用戦略もマザーファンドも別で、設定日・決算日・信託報酬・NISAの扱いがすべて違います。
| 項目 | 未来の世界(ESG)=本記事の対象 | 未来の世界(為替ヘッジなし)=ESGが付かない側 |
|---|---|---|
| 正式名称 | グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし) | グローバル・ハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし) |
| ファンドコード | 47311207 | 47316169 |
| 設定日 | 2020年7月20日 | 2016年9月30日 |
| 決算日 | 毎年7月14日(年1回) | 毎年9月6日(年1回) |
| 用いる運用戦略(MSIM) | グローバル・チェンジ株式運用戦略 | グローバル・オポチュニティ株式運用戦略 |
| 投資するマザーファンド | グローバルESGハイクオリティ成長株式マザーファンド | グローバル・ハイクオリティ成長株式マザーファンド |
| 信託報酬(税込) | 年1.848% | 年1.65% |
| 総経費率 | 年1.86% | 年1.67% |
| NISA | 成長投資枠のみ | 成長投資枠+つみたて投資枠 |
| 交付目論見書が対象とするコース | 「為替ヘッジなし」1本 | 「限定為替ヘッジ」「為替ヘッジなし」2本(両者間のスイッチングが可能) |
| 基準価額(2026年7月31日) | 20,447円 | 51,009円 |
| 純資産総額(2026年7月31日) | 9,334億7,000万円 | 8,464億1,200万円 |
| マザーファンドの組入銘柄数 | 22銘柄 | 35銘柄 |
| 分配実績 | 設定来累計0円 | 設定来累計0円 |
基準価額が20,447円と51,009円で倍以上ちがうのは、運用の巧拙だけの話ではありません。ESGなし版のほうが3年9か月あまり早く設定されており、その分だけ値上がりを積み上げた期間が長いためです。設定来の数字を並べて比べるときは、この期間差を踏まえる必要があります。
名前が似た別コース・別ファンドを取り違えやすい構造は、当ファンドに限りません。コース記号ひとつで中身が変わる例を、同じ方法で検証しています。

コスト:信託報酬1.848%と、購入時手数料3.30%
当ファンドの費用は、保有中にかかる信託報酬と、買うときに一度かかる購入時手数料の2本立てです。金額として効いてくるのは後者のほうなので、順に見ます。
| 費目 | 料率 | 内容 |
|---|---|---|
| 運用管理費用(信託報酬) | 年1.848%(税込)/年1.68%(税抜) | 日々の純資産総額に対してかかる |
| ├ 委託会社 | 年1.00%(税抜) | 信託財産の運用、目論見書等の作成、基準価額の算出など |
| ├ 販売会社 | 年0.65%(税抜) | 購入後の情報提供、各種書類の送付、口座内での管理など |
| └ 受託会社 | 年0.03%(税抜) | 運用財産の保管・管理、運用指図の実行など |
| (うち運用委託先への報酬) | 年0.65%(税抜) | 委託会社分に含まれる。モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメント・インクへの報酬で、マザーファンドの純資産総額に対して計算される |
| 総経費率 | 年1.86%(運用管理費用1.85%+その他0.01%) | 2024年7月17日〜2025年7月14日の実績。購入時手数料・売買委託手数料・有価証券取引税は含まない |
| 購入時手数料 | 上限3.3%(税抜3.0%) | 販売会社が個別に定める |
| 信託財産留保額 | なし | 2025年4月17日に撤廃(それ以前は換金申込受付日の翌営業日の基準価額×0.3%) |
| その他の費用・手数料 | 事前に料率を示せない | 売買委託手数料、信託事務の諸費用、外国での保管費用、監査費用など |
実際にかかった費用の総額を年率で示した総経費率は年1.86%です。信託報酬の名目値1.848%とほぼ変わらず、それ以外の費用は0.01%にとどまりました。費用の内訳と上限が交付目論見書に明示されている点は、負担を事前に見積もる材料になります。
水準を測るには比較対象が要ります。ここでいちばん条件がそろうのが、先ほどのESGなし版です。運用会社が同じ、運用の委託先も同じMSIMですが、使う運用戦略は別です。ESG版はMSIMのグローバル・チェンジ株式運用戦略、ESGなし版はグローバル・オポチュニティ株式運用戦略を用います。ESGなし版も銘柄のクオリティ分析にESG評価を組み込んでいます。ESG版の運用プロセスには、そのうえでESGの観点による銘柄の除外と、メダルレーティングによる組入比率の調整が置かれています。税抜の内訳まで並べると、費用の差がどこで生じているかがわかります。
| 支払先(税抜) | 未来の世界(ESG) | 未来の世界(ESGなし) | 差 |
|---|---|---|---|
| 委託会社 | 年1.00% | 年0.925% | +0.075ポイント |
| (うち運用委託先への報酬) | 年0.65% | 年0.575% | +0.075ポイント |
| 販売会社 | 年0.65% | 年0.530% | +0.12ポイント |
| 受託会社 | 年0.03% | 年0.045% | -0.015ポイント |
| 合計(税抜) | 年1.68% | 年1.50% | +0.18ポイント |
| 合計(税込) | 年1.848% | 年1.65% | +0.198ポイント |
税抜0.18ポイントの差のうち、0.12ポイントは販売会社の取り分、0.075ポイントは運用委託先であるMSIMへの報酬です。受託会社の分はむしろ0.015ポイント安くなっています。費用差の内訳としては販売会社への配分がいちばん大きく、運用委託先への報酬がこれに次ぎます。委託会社が受け取る年1.00%(税抜)のうち0.65%はMSIMへの報酬だと交付目論見書に明記されていますが、この差がどの工程の対価にあたるかは、交付目論見書には記載がありません。
保有中の負担の差を金額に置き換えると、100万円を1年持った場合で総経費率ベース18,600円と16,700円、差は年1,900円になります(にーと算出。実際には日々の純資産総額に対して計上されるため、金額は基準価額の変動で上下します)。
購入時手数料は、販売会社によって実際にかかる
投資信託の購入時手数料は「上限○%」とだけ書かれることが多く、実際の料率は販売会社が個別に決めます。当ファンドについて販売会社ごとに確認した結果が次のとおりです。
| 販売会社 | 取扱いと購入時手数料の表示 | 確認日 |
|---|---|---|
| みずほ銀行 | 取扱いあり。1億円未満:3.30%(税込)/1億円以上3億円未満:1.65%(税込)/3億円以上:0.55%(税込) | 2026年7月31日 |
| 楽天証券 | 取扱いあり。ページ上部の買付手数料欄には「あり」と表示。あわせて「IFA(金融仲介業者)コースのみの取扱となります。一般でのお取引はできません。」と記載され、IFA手数料が適用される | 2026年8月1日 |
| みずほ証券 | 取扱いあり。ファンド詳細ページに掲載あり(NISA成長投資枠は○、つみたて投資枠は−、投信積立サービスは○)。当ファンド個別の料率表示は確認できず、投資信託全般として最大3.3%(税込)と案内 | 2026年7月31日 |
| SBI証券 | 取扱いあり(運用会社が公表する販売会社一覧に記載)。購入時手数料の料率は本記事の確認範囲では確認できていない | 2026年8月1日 |
個人が買う金額帯にあたる1億円未満では、みずほ銀行の購入時手数料は3.30%(税込)です。100万円分を購入すると33,000円がかかる計算になります(にーと算出)。上限として書かれた3.3%がそのまま適用される販売会社が実在するという点は、他の投資信託と扱いが違うところです。
楽天証券では事情が変わります。同社は、自社で取り扱う投資信託の購入時手数料は無料で、IFAと契約している顧客にはIFA手数料が適用されると、ファンド詳細ページの手数料の説明に記しています。そして当ファンドはそのIFAコース専用の扱いで、一般の口座からは購入できないと同じページに明記されています。参考までに、ESGが付かない「未来の世界(為替ヘッジなし)」は同じ楽天証券で買付手数料「なし」と表示され、つみたて投資枠・成長投資枠・特定口座のいずれからも購入できる状態でした(2026年8月1日確認)。同じ運用会社の似た名前のファンドでも、買える場所と買うときのコストがここまで違います。
なお、購入時手数料の料率は販売会社ごとに定められるため、上の表に挙げた以外の販売会社での料率は本記事では確認できていません。SBI証券についても、取扱いがあることは運用会社の販売会社一覧で確認できましたが、購入時手数料の料率までは確認できませんでした。
みずほ銀行で100万円分を購入し1年保有した場合の初年度の負担は、購入時手数料33,000円と総経費率相当の18,600円を合わせて51,600円になります(にーと算出)。購入時手数料は初年度だけですが、保有期間が短いほど1年あたりの負担率は重くなります。
実質的な費用を同じ資産クラスの低コスト型ファンドと突き合わせる作業は、他のファンドでも欠かせません。金を対象とするファンドで同じ検証をした記事があります。

運用実績:設定来+103.78%、直近1年は+3.39%
コストの差が結果にどう出ているかを、同じデータ提供元の数字で並べます。以下はウエルスアドバイザーが算出し、みずほ銀行のファンド情報ページに掲載されている2026年6月末時点の実績です。両ファンドとも分配金は0円のため、騰落率は基準価額の変化とそのまま一致します。
| 期間 | 未来の世界(ESG) | 未来の世界(ESGなし) | 差 |
|---|---|---|---|
| 1ヵ月 | +1.61% | +3.29% | -1.68ポイント |
| 3ヵ月 | +13.57% | +22.76% | -9.19ポイント |
| 6ヵ月 | -0.32% | +6.35% | -6.67ポイント |
| 1年 | +3.39% | +11.18% | -7.79ポイント |
| 3年 | +56.59% | +81.99% | -25.40ポイント |
| 5年 | +61.50% | +72.72% | -11.22ポイント |
| 設定来 | +103.78% | +441.81% | 期間が違うため単純比較できない |
比較できる1年・3年・5年のすべてでESG版が下回っています。とくに3年で25.40ポイントの開きは、信託報酬の年0.198ポイント差だけでは説明がつかない大きさです。3年分の信託報酬差を単純に足しても0.6ポイント程度にとどまるため、差の大半は銘柄選択そのものから生じています。
設定来の数字については、期間の長さが違うので年率に直しておきます。ESG版は2020年7月20日から2026年6月30日までの約5.95年で+103.78%、年率に換算すると約12.7%。ESGなし版は2016年9月30日から同日までの約9.75年で+441.81%、年率換算で約18.9%です(いずれもにーと算出。累積騰落率を経過年数で複利換算したもの)。期間をそろえても差は残ります。
暦年ごとの収益率も見ておきます。年による振れ幅がかなり大きい商品です。
| 年 | 年間収益率 |
|---|---|
| 2020年(設定日〜年末) | +15.0% |
| 2021年 | +9.6% |
| 2022年 | -27.9% |
| 2023年 | +62.8% |
| 2024年 | +30.7% |
| 2025年 | +5.8% |
| 2026年(年初〜1月30日) | -1.3% |
2022年の-27.9%と2023年の+62.8%が両端です。振れ幅の実測値も公表されています。1ヵ月では最大+14.60%(2023年11月)から最小-12.54%(2022年1月)、1年では最大+63.50%(2023年3月〜2024年2月)から最小-27.94%(2022年1月〜12月)の範囲で動いてきました。ESGなし版の同じ指標は1年の最小が-31.72%(2022年1月〜12月)で、下げ局面ではESG版のほうが3.78ポイント浅く済んでいます(にーと算出)。
世界の株式に投資するファンドの実績を、同じ手順で検証した記事があります。

純資産は直近1年で減っている
基準価額の推移とは別に、資金がこのファンドに入っているのか出ているのかも確認しておきます。決算日ごとの記録が販売会社から公表されています。
| 決算日 | 分配金(税引前) | 基準価額 | 純資産総額 |
|---|---|---|---|
| 2021年7月14日 | 0円 | 12,755円 | 11,460.70億円 |
| 2022年7月14日 | 0円 | 9,331円 | 8,039.09億円 |
| 2023年7月14日 | 0円 | 12,997円 | 9,722.94億円 |
| 2024年7月16日 | 0円 | 17,816円 | 11,203.94億円 |
| 2025年7月14日 | 0円 | 19,634円 | 10,781.01億円 |
| 2026年7月14日 | 0円 | 20,789円 | 9,603.24億円 |
この表の金額はいずれも決算日時点のもので、記事の冒頭に挙げた純資産総額9,334億7,000万円(2026年7月31日時点)とは基準日が違います。以下の増減はすべて、決算日どうしを突き合わせた数字です。
2025年7月14日から2026年7月14日にかけて、基準価額は19,634円から20,789円へ5.9%上がりました。ところが純資産総額は同じ2時点で10,781.01億円から9,603.24億円へ10.9%下がっています。基準価額が上がって純資産が減るのは、解約が新規の購入を上回ったときに起きる動きです。純資産総額を1万口あたりの基準価額で割って口数に直すと、2025年7月14日の約5,491億口から2026年7月14日の約4,619億口へ、約16%減っています(にーと算出。純資産総額÷基準価額×1万口で口数を推計し、2つの決算日を比較した)。
より長い目で見ても、純資産総額のピークは2024年7月16日の11,203.94億円で、そこから2026年7月14日の9,603.24億円まで14.3%減りました(にーと算出)。基準価額が設定来高値の21,272円(2025年10月28日)に近い水準にあるにもかかわらず資金が出ている、というのが直近の状況です。
なお楽天証券のファンド詳細ページは、純資産額の前年比を-12.94%と表示しています(同ページの純資産額9,334.70億円・2026年7月31日時点に紐づく数値。2026年8月1日確認)。ESGなし版の同じ欄は-1.06%で、減り方の大きさが違います。ただしこの前年比は終点が2026年7月31日であるのに対し、上で述べた-10.9%は2026年7月14日の決算日を終点としており、比べている時点が違います。起点にあたる前年の金額は同ページに表示されていません。
リスクに対する効率:標準偏差とシャープレシオ
リターンだけでは、どれだけの値動きの荒さと引き換えに得た成果なのかがわかりません。同じデータ提供元による2本の指標を並べます。標準偏差は値動きの荒さ、シャープレシオはリスク1単位あたりどれだけリターンを得たかを示し、数値が大きいほど効率が良いと読みます。
| 指標 | 未来の世界(ESG) | 未来の世界(ESGなし) |
|---|---|---|
| 標準偏差(1年) | 15.30 | 19.13 |
| 標準偏差(3年) | 17.96 | 19.00 |
| 標準偏差(5年) | 20.10 | 20.61 |
| シャープレシオ(1年) | 0.18 | 0.55 |
| シャープレシオ(3年) | 0.88 | 1.15 |
| シャープレシオ(5年) | 0.49 | 0.55 |
| リスクランク | 4 | 4 |
標準偏差は3期間ともESG版のほうが小さく、値動きは相対的に穏やかでした。銘柄を絞り、環境や社会への影響が大きい業種を外す設計が、荒さを抑える方向に働いた可能性があります。ただしシャープレシオは3期間ともESG版が下回っており、とくに1年のシャープレシオは0.18と、ESGなし版の0.55に対して3分の1ほどの水準です。値動きが穏やかだった分を差し引いても、リターンの取り方としては効率が劣っていたという読み方になります。
なお、みずほ証券のファンド詳細ページに載っているシャープレシオはQUICKが算出したもので、1年0.12(2026年7月24日現在)、3年0.90、5年0.57(いずれも2026年6月末現在)と、上の表とは少し違う値です。算出元と基準日が異なると数値も変わります。
中身:22銘柄への集中と、外している業種
当ファンドの成績は、少数の銘柄への集中投資の結果です。マザーファンドの組入上位10銘柄は次のとおりで、運用チームによるメダルレーティングも公表されています。
| 順位 | 銘柄 | 業種 | 国・地域 | メダルレーティング | 組入比率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | ASMLホールディング | 情報技術 | オランダ | ゴールド | 8.5% |
| 2 | ウーバー・テクノロジーズ | 資本財・サービス | 米国 | シルバー | 7.2% |
| 3 | シュナイダーエレクトリック | 資本財・サービス | フランス | ゴールド | 6.6% |
| 4 | スポティファイ・テクノロジー | コミュニケーション・サービス | スウェーデン | シルバー | 6.4% |
| 5 | メタ・プラットフォームズ | コミュニケーション・サービス | 米国 | ブロンズ | 6.0% |
| 6 | キーエンス | 情報技術 | 日本 | シルバー | 5.3% |
| 7 | エコラボ | 素材 | 米国 | ゴールド | 5.0% |
| 8 | ビザ | 金融 | 米国 | シルバー | 5.0% |
| 9 | ロレアル | 生活必需品 | フランス | ゴールド | 5.0% |
| 10 | HDFC銀行 | 金融 | インド | シルバー | 4.7% |
上位10銘柄で組入比率の59.7%を占めます(にーと算出)。組入銘柄数は22で、ESGなし版の35銘柄より少なく、1銘柄あたりの影響が大きい構成です。首位のASMLホールディング1社だけで8.5%を占めるため、この1社の株価が10%動けばマザーファンドの評価額に0.85%程度の影響が出る計算になります(にーと算出)。
ここまでとこの先で扱う組入比率は、いずれも組入有価証券評価額に対する割合であり、純資産総額に対する割合ではありません。直前のASML1社で0.85%という数字も、この分母をもとにした概算です。
業種と国・通貨の偏りも見ておきます。マザーファンドの業種別では一般消費財・サービス23.7%、金融22.2%、情報技術16.4%の順で、上位3業種だけで62.3%です(にーと算出)。国・地域別は米国40.5%、フランス15.7%、オランダ8.5%、日本7.8%、スウェーデン6.4%と続きます。通貨別では米ドル62.7%、ユーロ28.1%、日本円7.8%、デンマーク・クローネ1.4%で、外貨建てが92.2%を占めます(にーと算出)。為替ヘッジを行わない設計なので、この92.2%が対円の為替変動をそのまま受けます。
為替の影響がどれくらいかは、月次の要因分析でわかります。2026年6月の基準価額は前月末比+322円でしたが、その内訳はキャピタル+119円、インカム+5円、為替要因+222円、信託報酬-32円、その他+8円でした。為替要因が変動額の68.9%を占めています(にーと算出。222÷322。要因分析は運用会社が簡便的に計算した概算値)。この月に限れば、株価の値上がりより円安のほうが基準価額を押し上げたという結果です。
運用会社は、銘柄を1本ずつ選んだ結果として一般消費財・サービス、金融、情報技術の比率が高くなる一方、エネルギー・公益・不動産の関連銘柄は保有していないとマンスリーレポートで説明しています。除外の対象になるのは、酒・たばこ・ギャンブル・化石燃料の生産・武器の製造などを主な事業とする企業と、国による株式保有比率が20%を超える企業です。世界の株式市場全体と比べて業種が偏るため、株式市場が上昇する局面でも基準価額が下落する場合があると交付目論見書のリスク説明にも記されています。
分配金は設定来0円
当ファンドは毎年7月14日(休業日の場合は翌営業日)に決算を行いますが、設定以来1度も分配金を出していません。第1期の2021年7月14日から第6期の2026年7月14日まで、6回の決算すべてが0円で、設定来累計も0円です。
分配方針では、繰越分を含めた経費控除後の配当等収益と売買益(評価益を含む)等の全額を分配対象額とし、基準価額の水準や市況動向を勘案して委託会社が金額を決めると定められています。金額の下限は約束されておらず、分配が行われない場合もあると明記されています。値上がり分を分配せずに基準価額へ残す運用を続けた結果、基準価額は10,000円から20,378円(2026年6月30日)へ上がりました。
受け取り方という点では、株式の配当金とは仕組みが違います。配当という収益の受け取り方と課税の扱いは、別記事で基礎から整理しています。

税金は、分配時が普通分配金に対して20.315%、換金(解約)時および償還時が差益に対して20.315%です。分配が0円で推移している現状では、課税されるタイミングは売却時に寄っています。NISAの成長投資枠を使えばこの20.315%が非課税になりますが、つみたて投資枠は対象外で、ESGなし版がつみたて投資枠でも買えるのとは扱いが分かれます。
評判として指摘されやすい4つの論点
購入や継続保有を検討する際に指摘されやすい点は、次の4つです。いずれも公表データから確認できる論点に絞っています。
1. コストが高いという指摘
これは数字が裏づける指摘です。信託報酬は年1.848%(税込)、総経費率は年1.86%で、同じ運用会社・同じ運用委託先のESGなし版(1.65%・1.67%)より高い水準にあります。あわせて、みずほ銀行では1億円未満の購入に3.30%(税込)の購入時手数料が実際に適用されます。楽天証券はIFAコース専用の取扱いで、一般の口座からは購入できません。購入時手数料の料率は販売会社ごとに定められるため、交付目論見書の上限表示だけを見ても実際の負担額は決まりません。一方で、信託財産留保額は2025年4月17日に撤廃されており、換金時に差し引かれる費用はなくなりました。この項目を0.3%と書いている情報は、2025年4月16日以前の内容です。
2. ESGなし版に負けているという指摘
1年・3年・5年のいずれもESG版が下回っており、これも実績どおりです。3年で25.40ポイント、1年で7.79ポイントの差があります。信託報酬の差は年0.198ポイントなので、3年分を足しても0.6ポイント程度にしかならず、差の大半は銘柄選択と業種構成から生じています。2本はそもそも用いる運用戦略が別で、ESG版はエネルギー・公益・不動産を保有せず、22銘柄に絞り込む設計です。この設計が下げ局面では値動きを浅くする方向に働いた実績もあります(2022年1月〜12月の下落率はESG版が-27.94%、ESGなし版が-31.72%)。上げ局面で取り逃す分と、下げ局面で浅く済む分の、どちらを重く見るかで評価は変わります。
3. 買える場所が限られるという指摘
運用会社が公表している販売会社一覧では、当ファンドを扱う会社は22社(証券会社9社・銀行など13社)でした。ESGなし版の172社(証券会社37社・銀行など135社)と比べると、取扱いの範囲はかなり狭いことになります(いずれも2026年8月1日確認)。ただし、SBI証券は両方の一覧に載っており、ESG版も取扱販売会社に挙がっています。「ESGなし版はSBI証券で買えるがESG版は扱いがない」という選び分けにはなりません。もっとも、一覧への掲載はそのファンドを扱っていることを示すもので、一般の口座から買えるかどうかまでは分かりません。現にこの一覧には楽天証券も載っていますが、ESG版はIFAコース専用で、一般の取引ができない状態です。SBI証券での購入条件と購入時手数料は本記事では確認できていないため、実際に買う前にその販売会社の画面で確かめてください。2本を比べるときの判断材料は、一覧に載っているかどうかではなく、費用と中身の違いのほうになります。なお、購入時手数料の料率は販売会社が個別に決めるため、どこで買うかがそのまま初年度の負担額を左右します。
4. 純資産が減っているという指摘
これも公表データで確認できます。純資産総額は2024年7月16日の11,203.94億円をピークに、2026年7月14日には9,603.24億円まで14.3%減りました。直近1年に限っても、2025年7月14日から2026年7月14日にかけて基準価額が5.9%上がる一方で純資産総額は10,781.01億円から9,603.24億円へ10.9%下がっており、口数の推計では約5,491億口から約4,619億口へ約16%の減少です。純資産の減少そのものがただちに運用へ悪影響を与えるわけではありませんが、交付目論見書には純資産総額が30億円を下回った場合等に繰上償還となることがあると記されています。現在の水準は9,000億円台なので、その基準からは遠い位置にあります。
向いている人・向いていない人
相性が合いやすいケース
- ESGの観点による銘柄の除外と、メダルレーティングによる組入比率の調整という設計に賛同していて、費用の差を納得したうえで持ちたい
- 分配金による現金収入を必要とせず、値上がりを基準価額に残す運用でよい(分配実績は設定来累計0円)
- 値動きの荒さを相対的に抑えたい(標準偏差は1年15.30・3年17.96・5年20.10で、ESGなし版より3期間とも小さい)
- すでにみずほ銀行・みずほ証券に口座があり、NISA成長投資枠で買う予定がある
相性が合いにくいケース
- 低コストでの運用を重視する(総経費率は年1.86%、購入時手数料は販売会社によって3.30%が実際にかかる)
- つみたて投資枠で毎月積み立てたい(つみたて投資枠は対象外)
- 定期的なインカム収入を目的にしている(分配実績は設定来累計0円)
- リスクに対するリターンの効率を重視する(シャープレシオは1年0.18・3年0.88・5年0.49で、ESGなし版の0.55・1.15・0.55を3期間とも下回る)
- 幅広い業種に分散したい(22銘柄、上位3業種で62.3%、エネルギー・公益・不動産は非保有)
よくある質問
「未来の世界」と「未来の世界(ESG)」はどちらを選べばよいですか?
目的によって分かれます。運用会社はどちらもアセットマネジメントOne、運用の委託先もモルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメント・インクで共通しますが、用いる運用戦略もマザーファンドも別です。実績は2026年6月末時点で1年・3年・5年ともESGなし版が上回り、信託報酬もESGなし版が年1.65%と年0.198ポイント低く、つみたて投資枠でも購入できます。数字とコストの条件だけで選ぶならESGなし版が有利です。ESG版を選ぶ理由があるとすれば、酒・たばこ・ギャンブル・化石燃料の生産・武器の製造などを主な事業とする企業を投資先から外し、メダルレーティングで組入比率を調整する設計に賛同する場合、または値動きの荒さを抑えたい場合になります。なお、ESGなし版も銘柄のクオリティ分析にESG評価を組み込んでおり、ESGを見るか見ないかで2本が分かれているわけではありません。
購入時手数料は本当にかかりますか?
販売会社によります。みずほ銀行のファンド情報ページでは、1億円未満の購入に3.30%(税込)、1億円以上3億円未満に1.65%(税込)、3億円以上に0.55%(税込)と明示されています(2026年7月31日確認)。楽天証券は当ファンドについて「IFA(金融仲介業者)コースのみの取扱となります。一般でのお取引はできません。」と記載しており、同ページ上部の買付手数料欄は「あり」と表示されています(2026年8月1日確認)。SBI証券は取扱いがあることまでは運用会社の販売会社一覧で確認できましたが、購入時手数料の料率は本記事では確認できていません。交付目論見書は上限3.3%(税抜3.0%)とだけ定め、実際の料率は販売会社が決めると記しています。購入前に、その販売会社の料率を必ず確認してください。
分配金は今後出ますか?
約束されていません。交付目論見書では、毎年7月14日(休業日の場合は翌営業日)の決算時に、繰越分を含めた経費控除後の配当等収益と売買益等の全額を対象として、基準価額の水準や市況動向を勘案して委託会社が金額を決めると定められています。実績としては2021年7月14日の第1期から2026年7月14日の第6期まで、すべての決算で0円でした。
NISAで購入できますか?
成長投資枠の対象です。つみたて投資枠は対象外で、みずほ銀行・みずほ証券のファンド情報ページでも成長投資枠のみ購入可と表示されています。交付目論見書にも成長投資枠(特定非課税管理勘定)の対象と記載がありますが、販売会社により取扱いが異なる場合があると注記されているため、購入前の確認が必要です。なお確定拠出年金で使えるDC兼用の商品でもあります。
まとめ
未来の世界(ESG)について、実データから確認できた主なポイントを整理します。
- 純資産総額は9,334億7,000万円(2026年7月31日時点)。ファミリーファンド方式で、運用の実務はモルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメントが担う
- 用いるのはMSIMのグローバル・チェンジ株式運用戦略。ESGなし版のグローバル・オポチュニティ株式運用戦略とは別の戦略で、ESGなし版もクオリティ分析にESG評価を組み込んでいる
- 信託報酬は年1.848%(税込)、総経費率は年1.86%。ESGなし版の1.65%・1.67%より高く、税抜の差0.18ポイントの内訳は販売会社+0.12・運用委託先+0.075・受託会社-0.015
- 購入時手数料は上限3.3%。みずほ銀行では1億円未満に3.30%(税込)が実際に適用され、楽天証券はIFAコース専用で一般の口座からは購入できない
- 信託財産留保額は2025年4月17日に撤廃済み(それ以前は0.3%)
- 騰落率は2026年6月末時点で1年+3.39%、3年+56.59%、5年+61.50%、設定来+103.78%。ESGなし版に1年で7.79ポイント、3年で25.40ポイント差をつけられている
- 標準偏差は3期間ともESGなし版より小さい一方、シャープレシオは1年0.18・3年0.88・5年0.49で3期間とも下回る
- 純資産総額は2024年7月16日の11,203.94億円をピークに2026年7月14日の9,603.24億円へ14.3%減。直近1年(2025年7月14日→2026年7月14日)は基準価額5.9%上昇に対し純資産10.9%減、口数の推計では約5,491億口から約4,619億口へ約16%減
- マザーファンドの組入銘柄数は22。上位10銘柄で59.7%、上位3業種で62.3%を占め、エネルギー・公益・不動産は非保有
- 分配金は第1期から第6期まですべて0円、設定来累計も0円
- NISAは成長投資枠の対象、つみたて投資枠は対象外
- 運用会社の販売会社一覧に載る取扱会社は22社(証券会社9社・銀行など13社)。ESGなし版の172社より狭いが、SBI証券は両方を扱っている
ESGの3文字が付くかどうかで、使う運用戦略もコストも実績もNISAの扱いも変わります。名前の似た2本を混同したまま検討を進めると、意図しないほうを買ってしまいかねません。当ファンドを選ぶなら、年0.198ポイントの信託報酬差と、販売会社によっては3.30%かかる購入時手数料を負担してでも、ESGの観点による除外とメダルレーティングによる比率調整を経た22銘柄の絞り込みに価値を認めるかどうかが判断の分かれ目になります。
なお、基準価額・純資産総額・騰落率は日々変動します。購入や売却を検討する際は、必ずアセットマネジメントOne公式サイトおよび投資信託説明書(交付目論見書)で最新の内容をご確認ください。
※本記事は制度・商品の解説を目的としたもので、特定の金融商品や証券会社、投資行動を推奨するものではありません。数値はすべて出典元(アセットマネジメントOne公式サイト、投資信託説明書(交付目論見書)2026年4月15日使用開始版、マンスリーレポート2026年6月30日基準、グローバル・ハイクオリティ成長株式ファンド投資信託説明書(交付目論見書)2026年6月6日使用開始版および同マンスリーレポート、みずほ銀行、みずほ証券、楽天証券、ウエルスアドバイザー)の公表時点のものであり、投資に際しては交付目論見書等をご確認のうえ、最終的なご判断はご自身の責任でお願いします。



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