最終更新日:2026年8月1日
ひふみプラスは、レオス・キャピタルワークス株式会社が運用する追加型投信/内外/株式のファンドです。2012年5月28日の設定で、2026年6月30日時点の純資産総額は7,545億5,300万円、基準価額は84,091円。信託期間は無期限、決算は毎年9月30日の年1回です。(出典:ひふみプラス月次運用レポート2026年6月度・作成基準日2026年6月30日、投資信託説明書(交付目論見書)2026年6月13日使用開始版)
検索窓に「ひふみプラス」と入れると「やめとけ」「やばい」が続きます。理由に挙がるのは信託報酬の高さ、直近5年でTOPIX(配当込み)に届いていない成績、2026年6月の藤野英人氏の退任の3つ。どれも起きている事実ですが、そこで引かれている数字は運用会社の公表値をそのまま並べたものがほとんどです。
公表されている総経費率は年1.08%。ただしこの数値には、運用報告書自身が注記を添えています。費用は1万口当たりの費用明細で用いた簡便法により算出したもので、あくまでも参考であり、実際に発生した費用の比率とは異なる、という内容です。(出典:交付運用報告書 第14期・対象期間2024年10月1日〜2025年9月30日「(参考情報)ファンドの総経費率」の注記)
そこで、運用報告書(全体版)の損益計算書に載る信託報酬等の実額と、投資信託協会が公開している日次の純資産総額を突き合わせて、実際に引かれた比率を計算しました。第14期の信託報酬等は50億1,719万5,215円、同じ期間244営業日の平均純資産総額は5,653億5,000万円。割ると年0.8874%になります。公表値より0.19ポイント低く、実際の負担のほうが軽い側にズレていました。(出典:運用報告書(全体版)第14期「損益の状況」、投資信託協会「投信総合ライブラリー」基準価額・純資産総額の日次データ(ISIN JP90C0008CH5)。平均純資産と実効率はにーと算出)
同じ手順で公表資料を並べ直すと、ほかにも見え方の変わる数字が出てきます。第14期の株式売買高比率は2.42倍。組入銘柄数は2023年10月の307銘柄から2026年6月末の69銘柄へ。純資産総額は2026年6月22日に過去最高を更新した一方で、受益権の口数はピークから13.3%減っています。(出典:運用報告書(全体版)第14期、交付運用報告書 第12期、月次運用レポート2026年6月度、投資信託協会の日次データ。口数のピーク比はにーと算出)
ひふみプラスとはどんなファンドか
委託会社はレオス・キャピタルワークス株式会社、受託会社は三井住友信託銀行株式会社です。ひふみ投信マザーファンドに投資するファミリーファンド方式で、2026年6月30日時点の内訳はマザーファンド99.94%、現金等0.06%。実質的な運用はマザーファンド側で行われます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | ひふみプラス |
| 委託会社(運用) | レオス・キャピタルワークス株式会社(2026年12月1日付でSBIレオス・キャピタルワークス株式会社へ社名変更予定) |
| 受託会社 | 三井住友信託銀行株式会社 |
| 設定日 | 2012年5月28日 |
| 信託期間 | 無期限(償還期限なし) |
| 商品分類 | 追加型投信/内外/株式 |
| 投資形態 | ファミリーファンド(ひふみ投信マザーファンドに投資) |
| 決算日 | 毎年9月30日(休業日の場合は翌営業日)・年1回 |
| ベンチマーク | 設けていない |
| 参考指数 | 東証株価指数(TOPIX)(配当込み) |
| 信託報酬(税込) | 純資産総額に応じて年1.0780%/0.9680%/0.8580%の3段階 |
| 購入時手数料 | 上限3.30%(税込)。販売会社が決定 |
| 信託財産留保額 | なし |
| 基準価額 | 84,091円(2026年6月30日) |
| 純資産総額 | 7,545億5,300万円(2026年6月30日) |
| 運用責任者 | 内藤誠(2026年6月16日〜)/共同運用責任者 大原健司 |
| NISA | 成長投資枠・つみたて投資枠ともに対象(販売会社により取扱いが異なる場合がある) |
| ISIN/協会コード | JP90C0008CH5/9C311125 |
名前の似たファンドが同じ運用会社に複数あります。ひふみ投信、ひふみワールド、ひふみらいと、ひふみ年金はいずれも別のファンドで、信託報酬も成績も別々に公表されています。他サイトの数字を参照するときは、どのファンドの数値かを確かめてください。
販売会社は2026年7月7日時点の一覧に107件が掲載されています(登録番号ベースの計数で、三菱UFJ銀行の取扱区分別の重複掲載を含みます)。SBI証券・楽天証券・マネックス証券・松井証券などのネット証券のほか、三井住友信託銀行・横浜銀行・静岡銀行・イオン銀行・ソニー銀行といった銀行も並びます。注意したいのは三菱UFJ銀行と三菱UFJ信託銀行で、この2社はつみたて投資枠専用の取扱いとされ、それ以外の枠では買えません。(出典:月次運用レポート2026年6月度の販売会社一覧・2026年7月7日時点。件数は登録番号ベースでにーとが計数)
総経費率1.08%は、簡便法で計算された参考値
コストの話は、どの数字を見ているかで結論が変わります。ひふみプラスの費用には、目論見書に載る表示上の信託報酬、交付運用報告書に載る総経費率、同じ報告書の1万口当たり費用明細という3つの入口があり、値がそれぞれ違います。
645円は、逓減が効く前の料率で計算されている
信託報酬は純資産総額に応じて下がる3段階の構造です。
| 純資産総額の区分 | 委託会社 | 販売会社 | 受託会社 | 合計(税込) |
|---|---|---|---|---|
| 500億円まで | 0.5005% | 0.5005% | 0.0770% | 1.0780% |
| 500億円を超える部分 | 0.4455% | 0.4455% | 0.0770% | 0.9680% |
| 1,000億円を超える部分 | 0.3905% | 0.3905% | 0.0770% | 0.8580% |
第14期の1万口当たり費用明細を見ると、信託報酬は645円、比率は1.078%と書かれています。同じ期の期中平均基準価額は59,876円。645円を59,876円で割ると1.0772%で、上の表の最上位料率1.0780%とほぼ一致します。つまり明細の信託報酬は、純資産6,000億円規模で実際には効いている逓減を織り込まず、500億円までの料率で計算されています。(出典:交付運用報告書 第14期「1万口当たりの費用明細」。割り算はにーと算出)
総経費率も同じ簡便法が土台です。だから第10期から第14期まで、期末純資産が4,515億円から6,121億円まで動いているのに、公表される総経費率は5期連続で1.08%のまま動きません。(出典:交付運用報告書 第10期〜第14期 各「(参考情報)ファンドの総経費率」)
損益計算書の実額から計算すると年0.89%前後
運用報告書(全体版)には、信託財産から実際に支払われた信託報酬等の金額が損益計算書に載っています。これを、投資信託協会が公開する日次の純資産総額から求めた期中平均で割ると、逓減を織り込んだ実際の料率が出ます。
| 期(決算) | 信託報酬等の実額(税込) | 期中平均純資産(にーと算出) | 実効年率(にーと算出) | 逓減表からの理論値(にーと算出) |
|---|---|---|---|---|
| 第10期(2021年9月) | 41億4,600万円 | 4,641億円 | 0.893% | 0.894% |
| 第11期(2022年9月) | 40億8,600万円 | 4,566億円 | 0.895% | 0.894% |
| 第12期(2023年10月) | 44億2,500万円 | 4,944億円 | 0.890% | 0.891% |
| 第13期(2024年9月) | 49億700万円 | 5,564億円 | 0.884% | 0.888% |
| 第14期(2025年9月) | 50億1,719万5,215円 | 5,653億5,000万円 | 0.8874% | 0.8872% |
5期とも実効年率は0.88%台から0.89%台に収まり、逓減表から機械的に計算した理論値とほぼ一致します。逓減の仕組みは書かれているとおりに働いている、ということです。
別のルートでも確かめられます。第14期末の貸借対照表に載る未払信託報酬は25億4,221万8,690円。信託報酬は半期ごとに支払われるので、これは2025年4月1日から9月30日までの183日分にあたります。同じ期間の平均純資産5,717億円で割ると年0.887%となり、上の表と揃いました。(出典:運用報告書(全体版)第14期「資産、負債、元本及び基準価額の状況」、投資信託協会の日次データ。計算はにーと)
0.19ポイントの差は、100万円を10年持つと約1万9,000円
公表の1.08%と実額の0.8874%の差は0.1926ポイントです。先に向きを確かめておくと、実際の負担のほうが公表値より軽い側にズレています。公表値を見て買った人が想定より多く払っていた、という話ではありません。
効いてくるのは、他のファンドと横に並べたときです。ひふみプラスの1.08%は、運用報告書自身が簡便法による参考値だと注記している数字で、実際に引かれた比率とは0.19ポイント離れています。他社の総経費率が同じ手順で算出されているとは限らない以上、一覧表の数字をそのまま並べると、このファンドだけ0.19ポイント分だけ割高に見えることになります。100万円を10年間保有した場合に換算すれば約1万9,300円。実際に払う金額の差ではなく、見え方の差としての幅です(にーと算出。基準価額の変動と複利は考慮していません)。
総経費率という数字がどこまで実態を映しているかは、別のファンドでも同じ手順で確認しています。

信託報酬のほかに、売買委託手数料が上乗せされる
公表の総経費率には、定義上そもそも含まれない費用があります。募集手数料、売買委託手数料、有価証券取引税の3つです。これらを含めた実際の負担は、1万口当たり費用明細で確認できます。
| 項目 | 金額(1万口当たり) | 比率 |
|---|---|---|
| 信託報酬 | 645円 | 1.078% |
| うち投信会社 | 300円 | 0.501% |
| うち販売会社 | 300円 | 0.500% |
| うち受託会社 | 46円 | 0.077% |
| 売買委託手数料(株式) | 128円 | 0.214% |
| 有価証券取引税 | 1円 | 0.002% |
| その他費用(保管・監査等) | 1円 | 0.002% |
| 合計 | 775円 | 1.296% |
期別の合計比率は1.19%から1.42%のあいだで動いている
| 期(決算) | 費用明細の合計比率 | 公表された総経費率 |
|---|---|---|
| 第10期(2021年9月) | 1.191% | 1.08% |
| 第11期(2022年9月) | 1.416% | 1.08% |
| 第12期(2023年10月) | 1.196% | 1.08% |
| 第13期(2024年9月) | 1.249% | 1.08% |
| 第14期(2025年9月) | 1.296% | 1.08% |
公表の総経費率が5期連続で1.08%に固定されているのに対し、明細の合計は1.191%から1.416%まで0.225ポイントの幅で動いています。合計から信託報酬分の1.078%を差し引くと、残りは期の順に0.113%、0.338%、0.118%、0.171%、0.218%(にーと算出)。第14期の残り0.218%の内訳は、売買委託手数料0.214%、有価証券取引税0.002%、その他費用0.002%です。動かしているのは売買委託手数料だとわかります。
明細の645円は、実額に直すと約531円
この645円は、実額から計算し直せます。第14期の期中平均純資産5,653億5,000万円を期中平均基準価額59,876円で割ると、期中平均の受益権口数はおよそ944億2,000万口。第13期末の962億6,800万口と第14期末の916億2,200万口のあいだに収まります。実際に引かれた信託報酬50億1,719万5,215円をこの口数で割り、1万口当たりに直すと約531円です(にーと算出)。明細に載る645円との差は114円あります。明細の信託報酬が逓減前の料率で置かれた値であることが、推論ではなく金額の差として出てきます。
1万口当たりの比率は、分子も分母も口数で約分されるので、純資産を分母にした比率と同じものになります。実際、531円を59,876円で割ると0.887%で、実効信託報酬0.8874%と一致します。そこで明細の645円を531円に置き換えると、1万口当たりの合計は775円から約661円へ。比率で書くと、実効信託報酬0.8874%+売買委託手数料0.214%+有価証券取引税0.002%+その他0.002%で1.105%です(にーと算出)。公表の1.08%でも明細の1.296%でもなく、その中間の1.10%前後が、第14期に実際に負担した水準にあたります。
信託報酬が高いアクティブ投信で、費用と成績の関係をどう読むかは、別のファンドでも同じ切り口で整理しています。

株式売買高比率2.42倍。理論上の平均保有期間は約10ヵ月
売買委託手数料が明細の合計を動かしている以上、どれだけ売買しているかが費用に直結します。運用報告書(全体版)には、期中の株式売買金額を期中の平均組入株式時価総額で割った株式売買比率が載っています。ここでいう売買金額は、買った金額と売った金額の合計です。第14期であれば、同じ報告書のマザーファンドの利害関係人との取引状況の欄に株式の買付額等9,922億2,000万円、売付額等1兆87億4,100万円と載っています。足すと2兆9億6,100万円で、次の表の期中の株式売買金額2兆9億6,200万円と、丸めの差を除いて一致します。(出典:運用報告書(全体版)第14期「株式売買比率」「利害関係人との取引状況等」。合計はにーと算出)
| 期(決算) | 期中の株式売買金額 | 期中の平均組入株式時価総額 | 売買高比率 | 理論上の平均保有期間(24÷比率・にーと算出) |
|---|---|---|---|---|
| 第10期(2020年10月〜2021年9月) | 5,633億1,600万円 | 6,442億8,000万円 | 0.87 | 約27.6ヵ月 |
| 第11期(2021年10月〜2022年9月) | 1兆7,371億3,500万円 | 6,297億7,500万円 | 2.75 | 約8.7ヵ月 |
| 第12期(2022年10月〜2023年10月) | 7,214億6,600万円 | 6,907億3,000万円 | 1.04 | 約23.1ヵ月 |
| 第13期(2023年10月〜2024年9月) | 1兆6,024億8,800万円 | 8,159億400万円 | 1.96 | 約12.2ヵ月 |
| 第14期(2024年10月〜2025年9月) | 2兆9億6,200万円 | 8,240億5,900万円 | 2.42 | 約9.9ヵ月 |
第14期の2.42は、1年間で保有株式の2.42倍を売買した計算です。保有している株式をそっくり1回入れ替えると、売った金額と買った金額の合計は平均残高の2倍になるので、売買高比率は2.0になります。2.0が年1回転、つまり平均保有期間12ヵ月の目安です。第14期の2.42は年1.21回転にあたり、24を2.42で割って理論上の平均保有期間はおよそ9.9ヵ月、10ヵ月弱になります(にーと算出)。5期のうち、第11期の2.75に次ぐ2番目の水準でした。
売買委託手数料は、実効信託報酬の約24%にあたる
第14期の売買委託手数料は0.214%。実額から求めた実効信託報酬0.8874%と比べると約24%にあたります(にーと算出)。信託報酬とは別枠で、信託報酬のほぼ4分の1に相当する費用が、売買の回数から発生していることになります。売買高比率が2.75だった第11期は、明細の合計比率も1.416%で5期中最高でした。回転率と費用は連動しています。
運用の拠り所として掲げる3点との関係
第14期の運用報告書の今後の運用方針には、成長企業への投資、守りながらふやすこと、顔が見える運用の3点が運用の拠り所として挙げられています。長期で成長を取りにいく設計として読めますが、同じ報告書に載る売買高比率は2.42倍でした。(出典:交付運用報告書 第14期「今後の運用方針」、運用報告書(全体版)第14期「株式売買比率」)
回転率が高いこと自体は、方針に反するとは限りません。相場環境の変化に合わせて入れ替えた結果とも読めます。5期を並べると、最も短いのは第11期の約8.7ヵ月で、直近の第14期の約9.9ヵ月はそれに次ぐ2番目。最も長い第10期は約2年3ヵ月あり、一方向に短くなり続けているわけではありません。ただ、直近期の10ヵ月弱という水準は、長期保有を掲げるファンドとして思い浮かべる期間よりは短いはずです。そしてこの回転から出る売買委託手数料は、年0.2%前後の費用として毎年かかります。
組入銘柄数は307から69へ。中身が入れ替わっている
ポートフォリオの姿も、この2年半で変わりました。
| 基準日 | 国内株式 | 海外株式 | 現金等 | 組入銘柄数 |
|---|---|---|---|---|
| 2018年12月28日 | 85.8% | 11.1% | 3.2% | 233 |
| 2020年2月28日 | 57.0% | — | 31.2% | 213 |
| 2023年9月29日 | 88.83% | — | 5.48% | 307 |
| 2024年9月30日 | 93.17% | — | 2.14% | 204 |
| 2025年8月29日 | 94.89% | 4.59% | 0.52% | 159 |
| 2025年9月30日 | 96.04% | 2.16% | 1.80% | 106 |
| 2025年12月30日 | 98.10% | 1.57% | 0.33% | 79 |
| 2026年1月30日 | 99.16% | 0% | 0.84% | 76 |
| 2026年5月29日 | 99.07% | 0% | 0.93% | 64 |
| 2026年6月30日 | 99.24% | 0% | 0.76% | 69 |
上位30銘柄はすべて大型・プライム市場
2026年6月30日時点のマザーファンドの組入上位は、東京エレクトロン5.71%、伊藤忠商事5.01%、住友電気工業4.40%、ルネサスエレクトロニクス4.35%、みずほフィナンシャルグループ4.05%と並び、上位10銘柄の合計は40.71%です(にーと算出)。時価総額別では5兆円以上が59.84%を占め、300億円未満はゼロ。市場別ではプライム市場98.37%、スタンダード市場0.87%で、グロース市場はゼロです。上位30銘柄は、月報の区分でいずれも大型・プライム市場に分類されています。
2年前とは姿が違います。307銘柄を組み入れていた2023年10月2日時点の上位は楽天銀行2.5%、東京エレクトロン2.4%、三菱UFJフィナンシャル・グループ2.2%で、最上位でも2%台。2024年9月末は日本郵船2.2%、富士通1.7%、日本製鋼所1.6%で204銘柄でした。銘柄数が4分の1以下に減った分、1銘柄あたりの比重が上がっています。(出典:交付運用報告書 第12期・第13期 各「組入上位10銘柄」、月次運用レポート2026年6月度)
海外株式は2026年1月末以降ゼロが続いている
商品分類は「内外」ですが、海外株式の組入比率は2026年1月末から6月末まで6ヵ月連続でゼロです。2025年8月末には4.59%、2018年12月末には11.1%ありました。少なくとも直近半年の中身は、実質的に国内株のみで構成されています。(出典:ひふみプラス月次運用レポート2026年1月度〜6月度、2025年8月度、2018年12月度 各「資産配分比率」)
現金比率0.76%。2020年2月末は31.2%だった
相場観に応じて現金を厚くする運用は、このファンドの特徴として語られてきました。実際、コロナ・ショック直前の2020年2月28日時点の現金等比率は31.2%です。2026年6月30日時点は0.76%。過去12ヵ月の現金等比率は0.33%から2.44%のレンジに収まっており、ほぼフル投資の状態が続いています。
直近で現金を厚くしたのは2025年3月から5月にかけてで、11.54%、14.72%、10.60%と推移しました。この判断について、第14期の運用報告書は、トランプ関税への不透明感から一時的に現金比率を高めたことで4月中旬以降の株式市場の回復に出遅れ、一部のAI関連銘柄の上昇もあって基準価額にマイナスの影響を与えた、と自ら振り返っています。現金操作という手札を持っていること自体は変わりませんが、直近の実績では機能しなかった局面が記録に残っています。(出典:交付運用報告書 第14期「当該投資信託のポートフォリオについて」、月次運用レポート2025年3月度〜5月度)
純資産は2026年6月に過去最高。7月末は6.1%下回る
純資産総額は2026年6月22日に7,778億6,300万円をつけ、過去最高を更新しました。同日の基準価額86,634円も過去最高です。その後は下げており、2026年7月31日時点の純資産総額は7,304億4,600万円、基準価額は81,270円。純資産で見ると、6月22日の最高値から6.1%下回っています(基準価額は6.2%下)。この2つは公表されている最新の日次データです。基準価額・純資産総額・資産配分といった時価の数値は、月次運用レポート2026年6月度に合わせて2026年6月30日基準で揃えてあります。費用と売買比率の分析は第14期(2024年10月1日〜2025年9月30日)の決算データ、販売会社数は2026年7月7日時点、NISA対象商品一覧は2026年7月30日時点です。(出典:投資信託協会「投信総合ライブラリー」基準価額・純資産総額の日次データ。最大値の抽出と下落率はにーと算出)
最高値の更新が何によるものかは、分けて見る必要があります。
| 期(期末日) | 純資産総額 | 受益権総口数 | 追加設定元本額 | 一部解約元本額 | 差引 |
|---|---|---|---|---|---|
| 第10期(2021年9月30日) | 4,870億8,600万円 | 914億5,700万口 | 257億3,900万円 | 402億3,100万円 | -144億9,200万円 |
| 第11期(2022年9月30日) | 4,515億1,200万円 | 1,035億2,700万口 | 238億2,400万円 | 117億5,400万円 | +120億7,000万円 |
| 第12期(2023年10月2日) | 5,246億700万円 | 1,005億1,000万口 | 169億1,800万円 | 199億3,400万円 | -30億1,700万円 |
| 第13期(2024年9月30日) | 5,630億4,900万円 | 962億6,800万口 | 156億9,700万円 | 199億3,800万円 | -42億4,200万円 |
| 第14期(2025年9月30日) | 6,121億1,900万円 | 916億2,200万口 | 119億2,500万円 | 165億7,100万円 | -46億4,600万円 |
受益権口数はピークから13.3%減っている
受益権総口数は2022年9月末の1,035億2,700万口がピークで、そこから3期連続で減っています。2026年6月30日時点の口数は、純資産7,545億5,300万円を基準価額84,091円で割り戻すとおよそ897億3,100万口。ピークと比べて13.3%減です(にーと算出)。同じ期間に基準価額は43,613円から84,091円へ92.8%上がっており、純資産の最高更新は基準価額の上昇によるものだとわかります。
追加設定元本額は5期連続で減っている
新しく入ってくる資金は、257億3,900万円、238億2,400万円、169億1,800万円、156億9,700万円、119億2,500万円と5期連続で減りました。第10期比で53.7%減です(にーと算出)。新NISAが始まった2024年以降にあたる第13期・第14期も、この流れは変わっていません。
マザーファンドを3期連続で売り越している
ひふみプラスがマザーファンドの受益証券をどれだけ設定・解約したかを見ると、第12期は204億8,800万円、第13期は277億7,500万円、第14期は337億3,900万円の売り越しでした。解約に応じる資金と信託報酬の支払いを賄うために、マザーファンド持分を取り崩している状態が3期続いています。(出典:運用報告書(全体版)第12期〜第14期 各「売買及び取引の状況/親投資信託受益証券の設定、解約状況」)
なお、2018年9月26日につけた当時のピーク純資産6,686億1,700万円を上抜けたのは2026年1月6日で、7年3ヵ月かかりました。基準価額のほうも、2018年1月23日の44,454円から2020年3月16日の30,890円まで30.5%下げ、ピークを回復したのは2020年9月2日です。(出典:投資信託協会の日次データ。期間と下落率はにーと算出)
参考指数との比較。ベンチマークは設定されていない
先に用語を整理します。ひふみプラスに運用目標としてのベンチマークはありません。交付目論見書にも交付運用報告書にも、ベンチマークを設けていないと記載されています。全資料に併記されているTOPIX(配当込み)は参考指数、つまり比較の物差しという位置づけです。「ベンチマークに負けている」という表現は、この点で正確ではありません。(出典:投資信託説明書(交付目論見書)2026年6月13日使用開始版「年間収益率の推移」の注記、交付運用報告書 第14期)
| 期間 | ひふみプラス | TOPIX(配当込み) | 差 |
|---|---|---|---|
| 1ヵ月 | +1.51% | +1.05% | +0.46ポイント |
| 3ヵ月 | +12.55% | +14.40% | -1.85ポイント |
| 6ヵ月 | +16.97% | +18.56% | -1.59ポイント |
| 1年 | +35.92% | +43.26% | -7.34ポイント |
| 3年 | +63.12% | +87.30% | -24.18ポイント |
| 5年 | +62.94% | +132.08% | -69.14ポイント |
| 10年 | +222.24% | +305.45% | -83.21ポイント |
| 設定来 | +740.91% | +660.08% | +80.83ポイント |
直近5決算期はすべて参考指数を下回った
| 決算日 | 基準価額 | 分配金再投資基準価額騰落率 | 参考指数騰落率 | 差 |
|---|---|---|---|---|
| 2021年9月30日 | 53,259円 | +16.5% | +27.5% | -11.0ポイント |
| 2022年9月30日 | 43,613円 | -18.1% | -7.1% | -11.0ポイント |
| 2023年10月2日 | 52,195円 | +19.7% | +29.3% | -9.6ポイント |
| 2024年9月30日 | 58,488円 | +12.1% | +17.0% | -4.9ポイント |
| 2025年9月30日 | 66,809円 | +14.2% | +21.5% | -7.3ポイント |
下げ相場だった2022年9月期は、指数の-7.1%に対してファンドは-18.1%。上げ相場でも下げ相場でも指数を下回った5期でした。暦年で見ても2018年は-21.23%、2022年は-13.40%と、マイナスの年の下げ幅が目立ちます。(出典:投資信託説明書(交付目論見書)2026年6月13日使用開始版「年間収益率の推移(暦年ベース)」2026年3月31日現在)
設定来だけは参考指数を上回っている
設定来では+740.91%と+660.08%で、80.83ポイント上回ります。年率に直すと差は0.83ポイント(2012年5月28日から2026年6月30日までの14.09年で計算・にーと算出)。1年・3年・5年・10年ではすべて下回り、設定来だけ上回るという形は、2025年9月末・2025年12月末・2026年5月末のどの基準日でも同じでした。設定初期の数年で稼いだ差が、その後の劣後を吸収しながら残っている構図です。(出典:ひふみプラス月次運用レポート2025年9月度・12月度、2026年5月度・6月度)
指数との差を決算期ごとに追う検証は、他のファンドでも同じ手順で行っています。

運用責任者は2026年6月16日に交代した
2026年6月15日、レオス・キャピタルワークスは運用責任者と運用体制の変更を公表しました。ひふみ投信シリーズ(ひふみ投信・ひふみプラス・ひふみ年金)の運用責任者は内藤誠氏、共同運用責任者は大原健司氏の2名体制となり、6月16日から適用されています。ひふみクロスオーバーシリーズは松本凌佳氏と渡邉庄太氏の担当です。前運用責任者の藤野英人氏は、前代表取締役社長として2026年6月15日付で退任しました。(出典:レオス・キャピタルワークス「投資信託『ひふみ投信』シリーズおよび『ひふみクロスオーバー』シリーズ 運用責任者および運用体制変更のお知らせ」2026年6月15日)
2026年6月度の月次運用レポートには、6月16日から当ファンドの運用責任者を務めることになった旨の内藤氏の挨拶が掲載されています。(出典:ひふみプラス月次運用レポート2026年6月度)
数字の読み方として押さえておきたいのは、ここまで挙げた設定来+740.91%も、直近5決算期の指数劣後も、いずれも前体制での結果だという点です。2026年6月16日以降の運用は別の担当者によるもので、月次運用レポートで追える期間はまだ2週間分(2026年6月度・作成基準日6月30日)しかありません。過去のリターンを根拠に買うことも、過去の劣後を根拠に売ることも、どちらも今の運用体制を評価した判断ではないことになります。
あわせて、運用会社は2026年12月1日付でSBIレオス・キャピタルワークス株式会社へ社名を変更する予定です。会社ロゴも同日変更されます。(出典:投資信託説明書(交付目論見書)2026年6月13日使用開始版、月次運用レポート2026年6月度)
分配金は設定来0円が続いている
第10期から第14期まで、1万口当たりの分配金はすべて0円です。設定来の累計も0円。(出典:ひふみプラス月次運用レポート2026年6月度「分配の推移」、投資信託説明書(交付目論見書)2026年6月13日使用開始版「分配の推移」)
第14期の分配対象収益は5,204億9,746万5,351円あり、1万口当たりでは56,809円にのぼります。それでも分配は行われませんでした。市況動向を勘案したうえで複利効果を優先したためだと説明されており、翌期繰越分配対象額は1万口当たり56,809円としてファンドの中に留保されています。分配方針そのものも、基準価額水準や市況動向を勘案して委託会社が決定し、判断により分配を行わない場合もある、という内容です。(出典:交付運用報告書 第14期「収益分配金について」「ひふみプラスの概要」)
定期的な現金収入を求める人には合いません。逆に、分配のたびに課税されて再投資額が減ることを避けたい人には条件が合います。
NISAはつみたて投資枠・成長投資枠の両方が対象
ひふみプラスは、NISAの成長投資枠とつみたて投資枠の両方の対象です。金融庁が公表する「つみたて投資枠対象商品届出一覧(運用会社別)」2026年7月30日更新版でも確認できます。同一覧の内訳は指定インデックス投資信託286本、指定インデックス投資信託以外(アクティブ運用投資信託等)65本、上場株式投資信託(ETF)9本で、ひふみプラスはアクティブ枠65本のうちの1本です。同社からはひふみ投信、ひふみプラス、ひふみワールド、ひふみワールド+の4本が同じ枠に載っています。(出典:金融庁「つみたて投資枠対象商品届出一覧(運用会社別)」2026年7月30日、投資信託説明書(交付目論見書)2026年6月13日使用開始版「課税関係」)
ただし販売会社によって扱いが違います。三菱UFJ銀行と三菱UFJ信託銀行はつみたて投資枠専用で、それ以外の枠での取扱いはありません。(出典:月次運用レポート2026年6月度の販売会社一覧の脚注・2026年7月7日時点)
評判として語られる論点を一次資料で確認する
1. 信託報酬が高いという指摘
表示上の年1.0780%(500億円までの部分)は、インデックスファンドと比べれば高い水準です。ただし実際に引かれているのは逓減後の年0.8874%(第14期実額ベース・にーと算出)。公表の総経費率1.08%を額面どおり他社と比べると、0.19ポイント分だけ実態より割高に見えます。一方で売買委託手数料0.214%は総経費率の定義に含まれないため、そちらを足すと実際の負担は1.10%前後です。指摘の方向は当たっていますが、根拠に使われている1.08%という数字は上下どちらにもズレている、というのがデータから言えることです。
2. インデックスに勝てていないという指摘
直近については数字が裏づけます。1年、3年、5年、10年のいずれもTOPIX(配当込み)を下回り、5年では69.14ポイントの差。決算期ベースでも直近5期すべてで下回りました。ただし比較対象は運用目標ではなく参考指数であり、設定来では80.83ポイント上回っています。どの期間を切り取るかで結論が変わる論点です。
3. 藤野英人氏がいないなら終わりという見方
交代は2026年6月15日発表・6月16日適用の事実です。現在の運用責任者は内藤誠氏、共同運用責任者は大原健司氏。公開情報から言えるのはここまでで、新体制の運用実績として月次運用レポートで追えるのは2026年6月16日から6月30日までの2週間分だけです。日々の基準価額と純資産は投資信託協会の日次データで2026年7月31日まで公表されており、7月31日の基準価額は81,270円でした。設定来+740.91%は前体制の結果であって、これから運用する人の実績ではない、という整理になります。
4. 守りながらふやす運用は機能しているのかという疑問
下げ相場での実績を見ると、2022年9月期は指数-7.1%に対してファンド-18.1%、暦年でも2018年-21.23%、2022年-13.40%です。現金比率で守るという手法については、2020年2月末に31.2%まで積み上げた実績がある一方、2026年6月末は0.76%。直近で厚くした2025年3月から5月の判断は、運用報告書自身が回復局面での出遅れを招いたと振り返っています。手法として使われなくなったわけではありませんが、直近の記録では守りが働いた形になっていません。
向いている人・向いていない人
条件が合いやすいケース
- NISAのつみたて投資枠で日本株のアクティブファンドを持ちたい(つみたて投資枠のアクティブ枠65本のうちの1本)
- 分配金を受け取らず、ファンドの中で運用を続けたい(設定来の分配金は0円、第14期の翌期繰越分配対象額は1万口当たり56,809円)
- 国内大型株・プライム市場中心のポートフォリオを求めている(2026年6月末は国内株99.24%、時価総額5兆円以上が59.84%、上位10銘柄で40.71%)
- 実額ベースで年0.89%前後の信託報酬と、年0.2%前後の売買委託手数料を許容できる
- 販売会社の選択肢が多いほうがよい(2026年7月7日時点の一覧に107件。取扱区分別の重複掲載を含む)
条件が合いにくいケース
- 費用を最小限に抑えたい(実額ベースの信託報酬0.89%前後に加え、売買委託手数料0.214%が乗る。第14期の明細合計は1.296%)
- 日本を含む内外への分散を期待している(商品分類は内外だが、海外株式は2026年1月末から6月末まで6ヵ月連続でゼロ)
- 中小型の成長株を発掘する運用に期待している(2026年6月末の上位30銘柄は月報の区分でいずれも大型・プライム市場。グロース市場と時価総額300億円未満はゼロ)
- 下げ相場で現金を厚くして守る運用に期待している(2026年6月末の現金等比率は0.76%、過去12ヵ月は0.33%〜2.44%)
- 定期的な現金収入がほしい(設定来の分配金は0円で、判断により分配を行わない場合があると明記されている)
- 過去の運用実績を根拠に選びたい(設定来+740.91%は、2026年6月15日に退任した前運用責任者の体制での結果)
よくある質問
信託報酬は結局いくらかかっていますか?
第14期に実際に信託財産から引かれた信託報酬は50億1,719万5,215円で、同じ期間の平均純資産5,653億5,000万円に対して年0.8874%です(にーと算出)。目論見書の表示は純資産に応じて1.0780%/0.9680%/0.8580%の3段階、公表の総経費率は年1.08%ですが、後者は簡便法による参考値だと運用報告書に注記があります。(出典:運用報告書(全体版)第14期「損益の状況」、交付運用報告書 第14期、投資信託協会の日次データ)
総経費率1.08%が5期連続で同じなのはなぜですか?
総経費率が、1万口当たり費用明細と同じ簡便法で算出されているためです。明細の信託報酬645円を、第14期の期中平均基準価額59,876円で割ると1.0772%となり、逓減表の最上位料率1.0780%とほぼ一致します。逓減後の実額から1万口当たりを計算すると約531円なので、明細の645円は逓減前の料率で置かれた値だと読めます。純資産が4,500億円から6,100億円まで動いても計算に使う料率が変わらないので、総経費率も動きません。(出典:交付運用報告書 第10期〜第14期)
TOPIXに負けているのは運用が下手だからですか?
前提として、TOPIX(配当込み)はこのファンドの運用目標ではなく参考指数です。運用報告書にはベンチマークを設けていないと記載されています。そのうえで数字を見ると、直近5決算期はすべて参考指数を下回り、5年では69.14ポイントの差。一方で設定来では80.83ポイント上回っています。(出典:交付運用報告書 第14期、月次運用レポート2026年6月度)
「内外」なのに海外株が入っていないのはなぜですか?
理由は公表資料に書かれていませんが、比率の推移は追えます。マザーファンドの海外株式は2025年7月末4.63%、8月末4.59%、9月末2.16%、12月末1.57%と減り、2026年1月末から6月末まで6ヵ月連続でゼロです。商品分類上は内外株式に投資できる設計ですが、直近半年の中身は国内株のみでした。(出典:ひふみプラス月次運用レポート2025年7月度〜2026年6月度)
純資産が過去最高を更新したのは、人気が戻ったからですか?
純資産総額は2026年6月22日に7,778億6,300万円で過去最高を更新し、その後2026年7月31日時点では7,304億4,600万円まで下がっています。受益権総口数のほうは2022年9月末の1,035億2,700万口をピークに減り続け、2026年6月末は約897億3,100万口でピーク比13.3%減です(にーと算出)。追加設定元本額も第10期の257億3,900万円から第14期の119億2,500万円まで5期連続で減っています。6月の最高値更新は基準価額の上昇によるもので、資金流入によるものではありません。(出典:投資信託協会の日次データ、運用報告書(全体版)第10期〜第14期)
NISAのつみたて投資枠で買えますか?
買えます。金融庁の「つみたて投資枠対象商品届出一覧(運用会社別)」2026年7月30日更新版に、指定インデックス投資信託以外(アクティブ運用投資信託等)65本の枠で掲載されています。成長投資枠も対象です。ただし三菱UFJ銀行と三菱UFJ信託銀行はつみたて投資枠専用で、他の枠では取り扱っていません。(出典:金融庁の同一覧、月次運用レポート2026年6月度の販売会社一覧の脚注)
まとめ
ひふみプラスについて、一次資料から確認できた内容を整理します。
- 公表の総経費率は年1.08%だが、運用報告書は簡便法による参考値であり実際に発生した費用の比率とは異なると注記している
- 第14期の信託報酬等の実額50億1,719万5,215円を、期中平均純資産5,653億5,000万円で割ると年0.8874%。公表値より0.19ポイント低く、実際の負担は軽い側にズレている
- 1万口当たり明細の信託報酬645円は、期中平均基準価額59,876円に逓減前の最上位料率1.078%を掛けた値と読める。だから純資産が動いても総経費率は5期連続1.08%で固定される
- 総経費率には売買委託手数料が含まれない。第14期の明細合計は1.296%。明細の信託報酬645円を実額から求めた約531円に置き換えると、合計は1.10%前後になる(にーと算出)
- 第14期の株式売買高比率は2.42倍。売買金額は買付と売付の合計なので、1回転にあたる2.0を基準にすると理論上の平均保有期間は約10ヵ月(24÷2.42・にーと算出)。売買委託手数料0.214%は実効信託報酬0.8874%の約24%にあたる
- 組入銘柄数は2023年10月の307銘柄から2026年6月末の69銘柄へ。上位30銘柄は月報の区分でいずれも大型・プライム市場。グロース市場と時価総額300億円未満はゼロ
- 海外株式は2026年1月末から6月末まで6ヵ月連続でゼロ。現金等比率は0.76%で、2020年2月末の31.2%とは別の姿になっている
- 純資産総額は2026年6月22日に7,778億6,300万円で過去最高を更新したが、2026年7月31日時点は7,304億4,600万円で6.1%下回る。一方で受益権総口数はピーク比13.3%減、追加設定元本額は5期連続減
- ベンチマークは設定されていない。参考指数のTOPIX(配当込み)とは直近5決算期すべてで下回り、5年で69.14ポイント差。設定来では80.83ポイント上回る
- 2026年6月16日に運用責任者が内藤誠氏へ交代。藤野英人氏は6月15日付で退任。運用会社は2026年12月1日にSBIレオス・キャピタルワークスへ社名変更予定
- 分配金は設定来0円。NISAは成長投資枠・つみたて投資枠ともに対象で、つみたて投資枠のアクティブ枠65本のうちの1本
判断材料を1つに絞るなら、費用ではなく中身の変化のほうです。実額で見た信託報酬0.89%前後は、表示上の1.0780%より安く、公表の総経費率1.08%よりも安い。コストだけを理由に外す根拠は、思われているほど強くありません。一方で、307銘柄から69銘柄へ、海外株ゼロ、現金0.76%という中身は、中小型の成長株を発掘し現金で守るという評判で選んだ人が想定していたものとは違う可能性があります。しかも運用責任者は2026年6月に代わりました。
確認する順番としては、まず月次運用レポートの資産配分比率と組入上位銘柄を見て、いま持っている中身が自分の期待と合っているかを確かめる。次に年1回の運用報告書で、株式売買比率と1万口当たり費用明細を見て、回転率と実際の費用を確認する。この2つはどちらもレオス・キャピタルワークスの公式サイトで公開されています。新体制の判断がまとまった数字になって出てくるのは、2026年9月30日に締める第15期の運用報告書からです。ただしその期の大半は前体制の運用にあたります。
なお、基準価額・純資産総額・騰落率は日々変動します。購入や売却を検討する際は、レオス・キャピタルワークス公式サイトおよび投資信託説明書(交付目論見書)で最新の内容を確認してください。
※本記事は制度・商品の解説を目的としたもので、特定の金融商品や証券会社、投資行動を推奨するものではありません。数値はすべて出典元(レオス・キャピタルワークス公式サイト、投資信託説明書(交付目論見書)2026年6月13日使用開始版、交付運用報告書および運用報告書(全体版)第10期〜第14期、月次運用レポート各号、投資信託協会「投信総合ライブラリー」、金融庁)の公表時点のものです。実効信託報酬・期中平均純資産・平均保有期間・受益権口数の推定など「にーと算出」と記した数値は、公表されている実額とデータからにーとが計算したもので、運用会社の公表値ではありません。投資に際しては交付目論見書等をご確認のうえ、最終的なご判断はご自身の責任でお願いします。



コメント