最終更新日:2026年7月31日
ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)は、純資産総額が約1兆42億円(2026年7月31日)の、金に投資する国内公募の投資信託です。Googleで「ピクテ・ゴールド 掲示板」を検索すると、Yahoo!ファイナンスの掲示板ページが上位に並びます(2026年7月31日確認)。保有している人や購入を検討している人が、実際の評価を確かめたがっている商品だとわかります。
本記事では、交付目論見書・月次レポートという運用会社の一次資料をもとに、コストの内訳・分配実績・基準価額が何によって動いてきたかを中立的に整理します。
※本記事が扱うのは為替ヘッジなしです。同じシリーズに「為替ヘッジあり」があり、設定日も直近の運用実績も異なります。名称が似ていて取り違えやすい組み合わせなので、購入前にコース名の確認をおすすめします。
当ファンドの基準価額は、設定時の10,000円から2026年6月30日で37,366円になりました。この値上がり27,366円の内訳は、運用会社の公表値で金要因が+19,961円、為替要因が+8,104円、信託報酬等が-699円です。値上がり額のおよそ3割は、金の値動きではなく円安によって生じた計算になります。一方で分配金は設定来累計0円、決算は年1回です。信託報酬は年0.539%ですが、投資先ファンドの報酬を含めた実質的な負担は最大で年0.789%程度とされ、同じ金を対象とする低コスト型のファンド(年0.1538%〜0.1838%程度)と比べると4〜5倍程度の水準になります。NISA成長投資枠の対象である一方、インカムを受け取る商品ではなく、金価格と為替の値動きをそのまま引き受ける商品です。
ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)とはどんなファンドか
委託会社はピクテ・ジャパン株式会社です。投資信託証券への投資を通じて金の現物に投資し、金価格の値動きをおおむねとらえることを目指すファンド・オブ・ファンズ方式のファンドで、実質組入外貨建資産については原則として為替ヘッジを行いません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし) |
| 設定日 | 2019年9月19日 |
| 信託期間 | 無期限(受益権の口数が10億口を下回ることとなった場合等は繰上償還となることがある) |
| 委託会社(運用) | ピクテ・ジャパン株式会社 |
| 受託会社 | 三菱UFJ信託銀行株式会社(再信託受託会社:日本マスタートラスト信託銀行株式会社) |
| 商品分類 | 追加型投信/海外/その他資産(商品) |
| 運用の仕組み | ファンド・オブ・ファンズ方式(金の現物への直接投資は行わない) |
| 決算頻度 | 年1回(毎年7月15日、休業日の場合は翌営業日) |
| ファンドコード / ISIN | 42312199 / JP90C000J6X0 |
| 基準価額 | 37,627円(2026年7月31日、前日比+98円) |
| 純資産総額 | 1兆42億7,800万円(2026年7月31日時点) |
| NISA | 成長投資枠は対象/つみたて投資枠は対象外 |
投資先として指定されているのは、スイス籍の「ピクテ(CH)プレシャス・メタル・ファンド-フィジカル・ゴールド クラスI JPY受益証券」(以下フィジカル・ゴールド・ファンド)、ルクセンブルグ籍の「ピクテ-ショートターム・マネー・マーケットJPY クラスI投資証券」、および上場投資信託証券の3種類です。このうちフィジカル・ゴールド・ファンドは主に金の現物に投資し、当該ファンドにかかる費用を控除した金価格の動きに連動することを目指しています。
2026年6月30日時点の資産別構成比は、フィジカル・ゴールド・ファンドが100.0%、ショートタームMMF JPYが0.0%、コール・ローン等その他が0.0%でした。実質的にはほぼ全額が金の裏付けのある投資信託証券に振り向けられている状態です。株式ファンドのような組入銘柄の選別はなく、運用者の銘柄選択によって成績が決まる商品ではありません。
「為替ヘッジあり」と「為替ヘッジなし」は別のファンド
同じ交付目論見書で募集されているコースは2本です。投資する対象はどちらも金ですが、設定日が7年以上離れており、直近の運用実績にも差があります。
| 項目 | 為替ヘッジなし(本記事の対象) | 為替ヘッジあり |
|---|---|---|
| 設定日 | 2019年9月19日 | 2011年12月28日 |
| 基準価額(2026年6月末) | 37,366円 | 17,675円 |
| 純資産総額(2026年6月末) | 10,121億円 | 2,033億円 |
| 1ヵ月騰落率 | -7.62% | -9.39% |
| 3ヵ月騰落率 | -10.03% | -12.28% |
| 1年騰落率 | +35.87% | +16.80% |
| 3年騰落率 | +128.90%(年率31.79%) | +76.27%(年率20.80%) |
| 分配金(設定来累計) | 0円 | 1,878円 |
| 信託報酬 | 年0.539%(税込) | 年0.539%(税込) |
直近1年の騰落率は、為替ヘッジなしが+35.87%、為替ヘッジありが+16.80%で、差は19.07ポイントです(にーと算出)。同じ金に投資していてもこれだけ開くのは、円安が基準価額を押し上げる側に働いたことと、為替ヘッジありの側ではヘッジコストがかかることの2点から説明できます。円金利がヘッジ対象通貨の金利より低い場合、その金利差に相当するヘッジコストがかかると交付目論見書に明記されています。
なお為替ヘッジありは、2016年7月29日に投資信託約款を変更しています。それ以前は金に加えて世界主要国の公社債にも投資し毎月決算を行う設計だったため、同ファンドの設定来の数字には現在と異なる運用方針の期間が含まれます。分配金の設定来累計1,878円についても、直近3期(2023年7月18日・2024年7月16日・2025年7月15日の各決算)はいずれも0円です。累計額がどの期に生じたかは月次レポートの範囲では確認できません。2本の設定来実績を並べて比べるときは、この点に注意が必要です。
コストの内訳:信託報酬0.539%と実質的な負担0.789%
ファンド・オブ・ファンズ方式の商品では、表面の信託報酬だけを見てもコストの全体像はつかめません。当ファンドの場合、ファンド自身の運用管理費用に加えて、投資先ファンドの報酬が二重にかかる構造になっています。
| 費目 | 料率 | 内容 |
|---|---|---|
| 運用管理費用(信託報酬) | 年0.539%(税込)/年0.49%(税抜) | ファンド自身にかかる分 |
| ├ 委託会社 | 年0.15%(税抜) | 資金の運用、基準価額の算出等 |
| ├ 販売会社 | 年0.3%(税抜) | 購入後の情報提供、口座内での管理・事務手続き等 |
| └ 受託会社 | 年0.04%(税抜) | 運用財産の管理、委託会社からの指図の実行 |
| 投資先のフィジカル・ゴールド・ファンド | 純資産総額の年0.25%(上限) | 投資先ファンド側の報酬 |
| 投資先のショートタームMMF JPY | 純資産総額の年0.3%(上限) | 同上 |
| 実質的な負担 | 最大年0.789%(税抜0.74%)程度 | 2026年1月末日現在の組入状況に基づく試算値は年0.76%(税込)程度 |
| 購入時手数料 | 上限2.2%(税抜2.0%) | 販売会社が独自に定める(楽天証券では買付手数料なし。2026年7月31日確認) |
| 信託財産留保額 | なし | — |
| その他の費用 | 年0.055%(税抜0.05%)相当を上限 | 監査費用を含む信託事務の諸費用。売買委託手数料・保管費用等は事前に料率を示せないとされる |
表面の信託報酬0.539%に投資先ファンドの報酬が乗るため、投資家が実際に負担する水準は最大年0.789%程度とされています。委託会社は2026年1月末日現在の組入状況をもとにした試算値として、年0.76%(税込)程度という数字も示しています。信託報酬の内訳を見ると、販売会社の取り分が年0.3%(税抜)で、運用そのものへの対価である委託会社分0.15%(税抜)の2倍です。
水準を測るには比較対象が要ります。同じく金の現物に投資し、為替ヘッジを行わない低コスト型のファンドとして、SBI・iシェアーズ・ゴールドファンド(為替ヘッジなし)があります。こちらは信託報酬が年0.0638%(税込)、投資対象とする投資信託証券の報酬が年0.09%〜0.12%程度で、実質的な負担は年0.1538%〜0.1838%(税込)程度、購入時手数料はありません。
| 項目 | ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし) | SBI・iシェアーズ・ゴールドファンド(為替ヘッジなし) |
|---|---|---|
| 実質的な負担 | 最大年0.789%程度(試算値0.76%程度) | 年0.1538%〜0.1838%程度 |
| 購入時手数料 | 上限2.2%(税込)。ただし楽天証券では買付手数料なし | なし |
| 信託財産留保額 | なし | なし |
| 設定日 | 2019年9月19日 | 2023年6月8日 |
| 純資産総額 | 1兆42億円(2026年7月31日) | 3,171億円(2026年6月30日) |
| 実質的な投資先 | スイス籍のフィジカル・ゴールド・ファンド | 金価格指数に連動するETF・ETC |
試算値0.76%とSBI側の0.1538%〜0.1838%を比べると、料率の差は約4〜5倍です。かりに100万円を1年間保有した場合、料率から単純に計算すると7,600円と1,538〜1,838円で、差は年5,762〜6,062円になります(にーと算出。実際には日々の純資産総額に対して計上されるため、金額は基準価額の変動によって上下します)。購入時手数料の実際の料率は販売会社が定めます。楽天証券では買付手数料なしと表示されており(2026年7月31日確認)、購入時手数料がかかる販売会社で購入する場合は、その分だけ初年度の差が広がります。
この差をどう受け止めるかは、投資先の中身に何を求めるかで変わります。当ファンドはスイス籍の投資信託証券を通じて金の現物に投資する構造で、SBIのファンドはETF・ETCを通じて金価格指数に連動することを目指す構造です。どちらも金価格の値動きをとらえることを目的としている点は共通しており、その目的だけを見るなら、料率の差は成績にそのまま効いてきます。
分配金は設定来0円——金は利息も配当も生まない
当ファンドは毎年7月15日(休業日の場合は翌営業日)に決算を行いますが、設定以来1度も分配金を出していません。
| 決算日 | 分配金(1万口あたり・税引前) |
|---|---|
| 2020年7月15日 | 0円 |
| 2021年7月15日 | 0円 |
| 2022年7月15日 | 0円 |
| 2023年7月18日 | 0円 |
| 2024年7月16日 | 0円 |
| 2025年7月15日 | 0円 |
| 2026年7月15日 | 0円 |
| 設定来累計 | 0円 |
分配実績が設定来累計0円である背景は、分配方針と投資対象の性質の両方から説明できます。交付目論見書の分配方針では、分配対象額の範囲を「経費控除後の繰越分を含めた利子・配当等収益と売買益(評価益を含む)等の全額」とし、分配金額は基準価額の水準および市況動向等を勘案して委託会社が決定する、ただし必ず分配を行うものではない、と定められています。金額の下限は約束されていません。
加えて、投資対象である金そのものが利息を生みません。運用会社の月次レポートでも、米国金利が上昇した局面の解説として「利息を生まない資産である金」という表現が使われています。株式なら配当、債券なら利子という形で、保有しているだけで生まれる収益が金にはありません。ファンドの収益源は金価格の値上がり益と為替差益に絞られ、それを分配に回すか基準価額に残すかは委託会社の判断になります。
受け取れる収益の性質という点では、株式の配当金とは仕組みそのものが異なります。配当という収益の受け取り方と課税の仕組みについては、別記事で基礎から解説しています。

なお税金の扱いは、分配時は普通分配金に対して20.315%、換金(解約)時および償還時は差益に対して20.315%です。分配が0円で推移している現状では、課税されるタイミングは実質的に売却時に寄っています。
基準価額は何で動いたか:金要因と為替要因の内訳
当ファンドの月次レポートには、基準価額の変動を「金」「為替」「分配金」「その他(信託報酬等を含む)」に分解した表が載っています。値動きの理由を推測ではなく公表値で確認できる、この商品の数少ない手がかりです。
| 項目 | 2026年4月 | 2026年5月 | 2026年6月 | 設定来 |
|---|---|---|---|---|
| 基準価額(月末) | 41,604円 | 40,450円 | 37,366円 | 37,366円 |
| 変動額 | +73円 | -1,154円 | -3,084円 | +27,366円 |
| うち 金 | -107円 | -973円 | -3,675円 | +19,961円 |
| うち 為替 | +199円 | -163円 | +609円 | +8,104円 |
| うち 分配金 | — | — | — | 0円 |
| うち その他 | -19円 | -18円 | -18円 | -699円 |
設定来の値上がり27,366円のうち、金要因は+19,961円、為替要因は+8,104円です。為替要因が占める割合は29.6%になります(にーと算出)。為替ヘッジを行わない設計を選んだ結果として、これまでの成績のおよそ3割は円安が生んだ部分だという整理ができます。裏を返せば、今後円高に振れた局面ではこの部分が逆に働きます。
直近の動きも同じ表から読み取れます。2026年6月は基準価額が3,084円下がりましたが、内訳は金要因が-3,675円、為替要因が+609円でした。この月の下落は円高によるものではなく、金価格そのものの下落によって生じています。運用会社は同月の金市場について、米国金利の上昇と米ドル高が下落基調の要因になったと説明しています。ドル・円相場は前月末比3円00銭の円安・ドル高となる162円39銭でした。
期間をそろえて見ると、1ヵ月が-7.62%、3ヵ月が-10.03%、6ヵ月が-4.29%、1年が+35.87%、3年が+128.90%(年率31.79%)、設定来が+273.66%(年率21.45%)です(いずれも2026年6月末時点、税引前分配金を再投資して計算)。1年で見れば大きく上げている一方、直近3ヵ月は10%下げている、という二面性があります。
5年間の年間騰落率:他の資産クラスとの比較
交付目論見書には、2021年2月から2026年1月までの各月末における直近1年間の騰落率について、最大・平均・最小を代表的な資産クラスと並べた比較が載っています。値動きの幅を客観的に比べられる公表データです。
| 資産クラス | 最大騰落率 | 平均騰落率 | 最小騰落率 |
|---|---|---|---|
| 当ファンド(為替ヘッジなし) | +90.0% | +23.1% | -5.2% |
| ピクテ・ゴールド(為替ヘッジあり) | +83.3% | +11.2% | -11.0% |
| 日本株 | +42.1% | +17.1% | -7.1% |
| 先進国株 | +59.8% | +23.9% | -5.8% |
| 新興国株 | +62.7% | +15.2% | -9.7% |
| 日本国債 | +0.6% | -2.5% | -6.9% |
| 先進国債 | +15.3% | +5.1% | -6.1% |
| 新興国債 | +21.5% | +9.1% | -2.7% |
この5年間に限れば、当ファンドの1年騰落率は最大+90.0%、平均+23.1%、最小でも-5.2%でした。同じ期間の先進国株が最小-5.8%、日本株が-7.1%、新興国株が-9.7%ですから、下振れの幅は株式3クラスより小さく収まっています。平均も先進国株の+23.9%とほぼ並びます。
ただし、この数字をそのまま将来に当てはめることはできません。対象期間の5年は金価格が上昇を続けた局面にあたり、設定来騰落率が+273.66%であることからも、その恩恵を強く受けた期間だとわかります。為替ヘッジありの側が同じ期間で平均+11.2%、最小-11.0%と異なる結果になっていることも、条件の取り方で数字が変わることを示しています。5年という区切りが結果を左右する点は押さえておく必要があります。
評判として指摘されやすい4つの論点
購入や継続保有を検討する際に指摘されやすい点は、次の4つです。いずれも公表データから確認できる論点に絞っています。
1. 直近で大きく下げているという指摘
これは実データが裏づける指摘です。基準価額は2026年4月末の41,604円から6月末の37,366円まで下がり、3ヵ月騰落率は-10.03%となりました。内訳を見ると6月の下落3,084円のうち金要因が-3,675円で、為替要因は+609円のプラスです。つまり下落は金価格そのものの動きによるもので、円高が原因ではありません。金の価格は需給の変化や為替レート・金利の変動のほか、政治・経済的事由、政府の規制・介入、投機資金の動向など幅広い要因で動くと交付目論見書に列挙されており、短期の値動きを事前に読むことを前提にした商品ではありません。
2. コストが割高という指摘
実質的な負担が最大年0.789%程度、試算値で年0.76%程度という水準は、同じ金を対象とし為替ヘッジを行わないSBI・iシェアーズ・ゴールドファンドの年0.1538%〜0.1838%程度と比べると4〜5倍程度になります。購入時手数料は上限2.2%(税込)と定められていますが、実際の料率は販売会社が決めるもので、楽天証券では買付手数料なしと表示されています(2026年7月31日確認)。購入時手数料がかかる販売会社で購入する場合は、その分が初年度の負担に上乗せされます。コストは運用成績にかかわらず毎年かかり、保有期間が長いほど効いてきます。一方で、信託財産留保額がない点や、費用の内訳と上限が交付目論見書に明示されている点は、負担を事前に把握できる材料になります。
3. 分配金が出ないという指摘
設定来累計0円という実績は事実です。ただしこれは運用がうまくいっていないことを示すものではありません。分配せずに基準価額へ残す運用を続けた結果、基準価額は10,000円から37,366円(2026年6月30日)まで上昇しています。分配金を出す設計のファンドでは、収益を超えて分配が行われる場合に決算日の基準価額が前期より下落することや、購入価額によっては分配金の一部が実質的な元本の払い戻しに相当することがあると交付目論見書に注記されています。分配を出す側と出さない側では、手元に現金が入るかどうかと、課税されるタイミングが変わります。
分配金を毎月受け取る設計にどのような論点があるかは、別記事で詳しく整理しています。

4. 為替ヘッジなしを選ぶ意味という指摘
為替ヘッジなしは、金価格の変動に加えて対円での為替変動をそのまま受けます。円高局面は基準価額の下落要因、円安局面は上昇要因になると交付目論見書に明記されています。実績としては設定来の値上がりの29.6%が為替要因であり、この設計が結果に大きく寄与してきました。他方で為替ヘッジありの側は、直近1年が+16.80%と為替ヘッジなしを19.07ポイント下回っています。円高が進む局面では両者の関係が入れ替わる可能性があるため、どちらが優れているという整理にはなりません。為替の影響を抑えて米ドル建ての金価格の動きに近い成績を求めるなら為替ヘッジあり、円換算後の金価格の動きをそのまま受け取るなら為替ヘッジなし、という選び分けになります。
向いている人・向いていない人
相性が合いやすいケース
- 資産の一部を株式や債券と値動きの異なる資産に振り分けたい(2021年2月〜2026年1月の1年騰落率は最小-5.2%と、株式3クラスより下振れが小さかった)
- 分配金による現金収入を必要とせず、値上がりを基準価額に残す運用でよい
- 円換算後の金価格の動きを受け入れられる(円安は上昇要因、円高は下落要因)
- NISA成長投資枠を使って金に投資したい
相性が合いにくいケース
- 定期的なインカム収入を目的にしている(分配実績は設定来累計0円)
- 低コストでの運用を重視する(実質的な負担は最大年0.789%程度)
- 配当や利子のように保有しているだけで生まれる収益を期待している(金は利息を生まない)
- 短期の値動きの小ささを求める(3ヵ月で-10.03%動いた局面がある)
同じ「為替ヘッジなし」でも、対象資産が違えばリスクの中身は変わります。コース違いの取り違えが起きやすいという共通点を持つ別のファンドについても、同じ方法で実データを検証しています。

よくある質問
どのような点が指摘されやすいですか?
公表データから確認できる論点は、本記事で挙げた4点に集約されます。直近3ヵ月で-10.03%と下げていること、実質的な負担が最大年0.789%程度と同種の低コスト型ファンド(年0.1538%〜0.1838%程度)の4〜5倍程度であること、分配金が設定来累計0円であること、為替ヘッジなしのため為替の影響をそのまま受けることの4点です。一方で1年騰落率は+35.87%、設定来は+273.66%(年率21.45%)で、ウエルスアドバイザーアワード2024・2025のオルタナティブ型部門で「“NISA成長投資枠”WA優秀ファンド賞」を受けています。どの期間を見るかで評価が変わる商品です。
為替ヘッジありとなしはどちらを選べばよいですか?
目的によって分かれます。投資する対象はどちらも金で、信託報酬も年0.539%(税込)で同じです。違いは為替変動の扱いで、為替ヘッジなしは円安が上昇要因・円高が下落要因になり、為替ヘッジありは為替変動の影響を抑える代わりにヘッジコストがかかります。米ドル建ての金価格の動きに近い成績を求めるなら為替ヘッジあり、円換算後の金価格の動きをそのまま受け取るなら為替ヘッジなし、という整理になります。直近1年の実績は為替ヘッジなしが+35.87%、為替ヘッジありが+16.80%ですが、これは円安が進んだ期間の結果であり、円高局面では関係が変わり得ます。
分配金は今後出ますか?
約束されていません。交付目論見書では、毎年7月15日(休業日の場合は翌営業日)の決算時に、分配対象額の範囲を経費控除後の繰越分を含めた利子・配当等収益と売買益等の全額とし、分配金額は基準価額の水準および市況動向等を勘案して委託会社が決定する、ただし必ず分配を行うものではない、と定められています。実績としては2020年7月15日決算から2026年7月15日決算まで、すべての期で0円でした。
NISAで購入できますか?
成長投資枠の対象です。つみたて投資枠は対象外とされています(楽天証券のファンド詳細ページ、2026年7月時点)。ウエルスアドバイザーアワード2025のオルタナティブ型部門も、NISA成長投資枠に登録されたアクティブファンドを選考対象としたうえで当ファンドを選出しています。ただし販売会社によって取扱いが異なる場合があるため、購入前に確認してください。
まとめ
ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)について、実データから確認できた主なポイントを整理します。
- 純資産総額は1兆42億円(2026年7月31日)。投資信託証券を通じて金の現物に投資するファンド・オブ・ファンズで、2026年6月30日時点の資産別構成比はフィジカル・ゴールド・ファンドが100.0%
- 信託報酬は年0.539%(税込)だが、投資先ファンドの報酬を含む実質的な負担は最大年0.789%程度。2026年1月末日現在の試算値は年0.76%程度
- 同じ金を対象とする低コスト型ファンド(実質年0.1538%〜0.1838%程度)と比べると4〜5倍程度。購入時手数料は上限2.2%(税込)だが、楽天証券では買付手数料なし(2026年7月31日確認)
- 分配金は2020年7月15日決算から2026年7月15日決算まですべて0円で、設定来累計も0円。金は利息を生まない資産であり、収益は値上がり益と為替差益に絞られる
- 設定来の値上がり27,366円の内訳は金要因+19,961円・為替要因+8,104円・その他-699円。為替要因の割合は29.6%
- 騰落率は1年+35.87%、3年+128.90%(年率31.79%)、設定来+273.66%(年率21.45%)。一方で直近3ヵ月は-10.03%
- 2021年2月〜2026年1月の1年騰落率は最大+90.0%・平均+23.1%・最小-5.2%。同期間の株式3クラスより下振れは小さいが、金価格が上昇した5年間であることに留意が必要
- 為替ヘッジありは設定日・運用実績・分配実績が異なる別のファンド。信託報酬は同じ年0.539%
- NISA成長投資枠の対象。つみたて投資枠は対象外
値上がり益と為替差益が収益源で、保有しているだけで生まれるインカムはありません。資産の一部を株式や債券と異なる値動きの資産に振り向ける目的なら選ぶ理由がありますが、分配金による現金収入を目的とするなら設計が合いません。コストについても、同じ金を対象とする低コスト型ファンドと比べる作業は避けて通れません。
なお、基準価額・純資産総額・騰落率は日々変動します。購入や売却を検討する際は、必ずピクテ・ジャパン公式サイトおよび投資信託説明書(交付目論見書)で最新の内容をご確認ください。
※本記事は制度・商品の解説を目的としたもので、特定の金融商品や証券会社、投資行動を推奨するものではありません。数値はすべて出典元(ピクテ・ジャパン公式サイト、投資信託説明書(交付目論見書)2026年4月16日使用開始版、月次レポート2026年6月30日現在、SBI・iシェアーズ・ゴールドファンド投資信託説明書(交付目論見書)2026年3月11日使用開始版、SBIアセットマネジメント、楽天証券、ウエルスアドバイザー)の公表時点のものであり、投資に際しては交付目論見書等をご確認のうえ、最終的なご判断はご自身の責任でお願いします。



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