丸亀製麺やコナズ珈琲などを展開するトリドールホールディングス(証券コード3397)は、株主優待を実施している銘柄として個人投資家に知られています。「丸亀製麺で使える優待がもらえるのか」「何株持てばいくら分もらえるのか」「必要な投資額はどれくらいか」——この記事では、そうした疑問に答える形で、トリドールホールディングスの株主優待の内容・もらい方・必要投資額・配当との関係・使い方・注意点までを、公開情報をもとに体系的に整理します。
とくに重要な点として、トリドールホールディングスの株主優待は2024年から紙の優待券を廃止し、電子ポイント方式の「株主優待カード」へ移行しています。本記事はこの現行方式を前提に解説します。
※本記事は特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。制度・数値は変更される場合があるため、最新情報は必ず公式サイトでご確認ください。
① 株主優待の内容——保有株数に応じて「株主優待カード」にチャージ
トリドールホールディングスの株主優待は、保有株式数に応じた金額を「株主優待カード」にチャージ(ポイント加算)する方式です。カードにチャージされた金額は、丸亀製麺をはじめとするトリドールグループの店舗で飲食に利用できます。進呈は年2回(3月末日基準・9月末日基準)で、保有株数別の金額は次のとおりです。
| 保有株数 | 1回あたり | 年間(年2回) |
|---|---|---|
| 100株以上 | 3,000円相当 | 6,000円相当 |
| 200株以上 | 4,000円相当 | 8,000円相当 |
| 1,000株以上 | 10,000円相当 | 20,000円相当 |
| 2,000株以上 | 15,000円相当 | 30,000円相当 |
チャージされる金額は額面そのままで、たとえば100株保有であれば1回3,000円分、年間で合計6,000円分のポイントが加算される計算になります。
1年以上の長期保有には追加進呈がある
通常の優待に加えて、1年以上継続して200株以上を保有する株主には、200株以上につき3,000円相当が追加で進呈される特典があります。この長期保有特典の条件は、3月末日・9月末日の基準日において同一株主番号として連続3回以上記載され、かつ当該期間中を通じて継続して200株以上を保有していることです。短期の保有では対象にならない点に留意が必要です。
② 優待をもらうための条件
優待を受け取るために必要な条件を整理します。
- 最低必要株数:100株(売買単位は1単元=100株)
- 権利確定日(基準日):3月末日および9月末日の年2回
- 継続保有条件:通常の優待(100株以上)には継続保有条件はありません。継続保有が条件となるのは、前述の長期保有による追加進呈(1年以上継続・200株以上・連続3回記載)のみです。
つまり、100株以上を基準日時点で保有していれば、保有期間の長短にかかわらず通常の優待を受け取れる設計になっています。
③ 必要な投資額の目安
株価は変動するため、必要投資額はあくまで目安として捉える必要があります。2026年7月17日時点の株価は4,150円で、単元株数は100株です。この株価をもとにした最低投資額は次のとおりです。
| 保有株数 | 投資額の目安(4,150円ベース) |
|---|---|
| 100株 | 約41.5万円 |
| 200株(長期特典の対象ライン) | 約83万円 |
| 1,000株 | 約415万円 |
| 2,000株 | 約830万円 |
なお、トリドールホールディングスの株価は直近1ヶ月で変動が大きく、2026年6月26日時点では3,736.0円でした。そのため、上記の投資額はあくまで一時点の株価に基づく参考値であり、実際に購入を検討する際は最新の株価を確認する必要があります。
④ 権利確定日とスケジュール
トリドールホールディングスの優待の基準日は3月末日と9月末日の年2回です。株主優待や配当の権利を得るには、この基準日の時点で株主名簿に記載されている必要があります。
日本の株式市場では、株式の受け渡しに約定日から数営業日を要するため、一般に権利を得るには基準日の2営業日前(権利付き最終日)の取引終了時点までに株を保有しておく必要があるとされています。基準日当日に購入しても受け渡しが間に合わず、その回の権利は得られない点に注意が必要です。具体的な権利付き最終日は年によって異なるため、証券会社や公式のIR情報で確認することが推奨されます。
権利付き最終日や権利確定日といった株主優待に共通する基本的な仕組みについては、株主優待とは?仕組み・もらい方・種類・注意点を初心者向けにやさしく解説で整理しています。優待投資が初めての方はあわせてご覧ください。

⑤ 優待カードの使い方
株主優待カードは、トリドールグループの店舗での飲食利用に使えます。利用時のポイントを整理します。
- 利用単位:従来の100円単位の利用から、10円単位での利用が可能に変更されています。
- 換金性:現金化はできず、おつりも出ない飲食専用の優待です。
- 有効期限:3月31日基準日分(6月贈呈)は翌年6月末日まで、9月30日基準日分(12月贈呈)は翌年12月末日まで。利用時は有効期限の古いものから消費されます。
- 併用:優待カード同士の併用(複数枚をまとめて使うこと)はできません。一方、アプリクーポンやうどん札との併用は可能です。
利用できるブランドの例として、丸亀製麺、コナズ珈琲、まきの、とりどーる、豚屋とん一、長田本庄軒、晩杯屋、ラー麺ずんどう屋、譚仔三哥などが挙げられます。日常的にこれらの店舗を利用する方であれば、優待を使い切りやすいと考えられます。
⑥ 配当と優待から見る利回り
還元の水準を考えるうえで、配当と優待の両面を見ておくと参考になります。まず配当実績の推移は次のとおりです。
| 決算期 | 予想 | 実績 | 配当性向(実績) |
|---|---|---|---|
| 2022年3月期 | 6.00円 | 7.50円 | 7.6% |
| 2023年3月期 | 7.50円 | 7.50円 | 18.9% |
| 2024年3月期 | 7.50円 | 9.00円 | 15.5% |
| 2025年3月期 | 10.00円 | 10.00円 | 59.0% |
| 2026年3月期 | 11.00円 | 11.00円 | 50.8% |
なお、2026年3月期の実績配当については、本記事で参照したIRBANKの数値(11.00円)を採用していますが、一部の情報源では12円という別の値も見られました。本記事の確認範囲ではIRBANKの実績値を基準としています。
これらをもとに、100株を約41.5万円で保有した場合の水準を、配当と優待を分けて見てみます。
- 配当利回り:2026年3月期の実績配当11円で計算すると、100株で年1,100円。投資額約41.5万円に対しておおよそ0.27%となります(配当利回りは株価やソースにより約0.24〜0.29%程度の幅があります)。
- 優待利回り:100株の年間優待6,000円相当を投資額約41.5万円で割ると、おおよそ1.44%に相当します。ただし優待は飲食利用に限定されるため、現金と同等の価値とは限らない点に留意が必要です。
配当と優待は性質が異なる還元であり、本記事ではそれぞれを分けて示しています。なお優待利回りは保有株数が増えるほど逓減する傾向があり、100株で約1.44%、200株で約0.96%、1,000株で約0.48%、2,000株で約0.36%という水準になります。優待の効率という観点では、100株保有が相対的に高くなる設計といえます。
同じ外食業界で飲食優待を実施する銘柄として、回転寿司チェーンのくら寿司も利回りや優待の使い勝手を比較する対象になります。詳しくはくら寿司(2695)の株主優待|内容・条件・投資額を解説で整理しています。

⑦ 優待の変更履歴
トリドールホールディングスの優待は、近年に大きな方式変更がありました。
- 2023年9月1日:「株主優待券電子化のお知らせ」を公表し、紙の優待券から電子カード化する方針を発表。
- 2024年から:紙の優待券を廃止し、優待カードへポイントを加算する現行方式へ移行。
なお、この変更にあたっての詳細な理由や、移行の正確な適用基準日については、本記事の確認範囲では明確に把握できませんでした。過去に紙の優待券を前提とした情報を見かけた場合は、現在は電子カード方式に変わっている点に注意してください。
⑧ 向いている人・向いていない人
向いていると考えられる人
- 丸亀製麺やコナズ珈琲など、トリドールグループの店舗を日常的に利用する人
- 飲食で使える優待を無理なく消費できる生活圏・ライフスタイルの人
- 100株で約41.5万円程度の投資額を用意でき、飲食優待を還元の主軸として捉えられる人
向いていない可能性がある人
- 配当利回りの高さを重視する人(本銘柄の配当利回りは0.2%台と低めです)
- 近くにグループ店舗がなく、飲食優待を使う機会が少ない人
- 現金での還元を求める人(優待は飲食専用で現金化できません)
外食系の飲食優待を比較検討したい場合は、牛丼チェーンを展開する吉野家ホールディングスの優待もあわせて確認するとよいでしょう。詳しくは吉野家ホールディングス(9861)の株主優待|内容・条件・投資額を解説で解説しています。

⑨ 注意点・リスク要素
- 利用できない店舗がある:レジのない券売機導入店舗など、一部店舗では優待カードを利用できません。
- カード同士の併用不可:複数枚の優待カードをまとめて使うことはできません(アプリクーポン・うどん札との併用は可能)。
- 有効期限による失効:贈呈から約1年の有効期限を過ぎると失効します。
- 配当利回りが低い:配当利回りは0.2%台と低く、還元の主軸は配当よりも優待にあります。最低投資額も約41万円と比較的高めです。
- 株価の変動:直近1ヶ月でも株価の変動が大きく(2026年6月26日3,736.0円→7月17日4,150円)、必要投資額や利回りは株価によって変わります。
- 優待制度そのものの変更リスク:株主優待は企業が任意で実施する制度であり、実際に2024年には紙券から電子カードへの方式変更が行われています。将来的に内容が見直される可能性がある前提で捉えておくとよいでしょう。
⑩ まとめ
トリドールホールディングス(3397)の株主優待の要点を整理します。
- 優待は保有株数に応じて株主優待カードにチャージされる方式で、100株なら年間6,000円相当、年2回(3月末・9月末基準)進呈される
- 最低必要株数は100株で、通常の優待に継続保有条件はない(長期の追加進呈のみ200株以上・1年以上が条件)
- 2026年7月17日時点の株価4,150円ベースで、100株の投資額は約41.5万円
- 配当利回りは約0.27%と低めで、還元の主軸は飲食で使える優待にある
- 2024年から紙券を廃止し電子カード方式へ移行済みで、飲食専用・現金化不可・有効期限あり
トリドールグループの店舗をよく利用する方にとっては、生活に馴染みやすい優待といえる一方、配当利回りの低さや飲食限定という性質から、還元の受け取り方が自分の生活に合うかを見極めることが重要です。
※本記事は特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。制度・数値は変更される場合があるため、最新情報は必ず公式サイトでご確認ください。



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