「JAL(日本航空)の株を持つと、飛行機がどのくらい安くなるのか」「ANAとどう違うのか」——株主優待で航空券を割引価格で利用したい人にとって、日本航空(証券コード9201)は注目度の高い銘柄です。2026年6月には従来の株主割引券に加えて「eJALポイント」の付与制度が新設されると発表され、優待内容にも動きが出ています。この記事では、JALの株主優待の内容・もらうための条件・必要投資額・利回りの考え方までを、公表情報をもとに客観的に整理します。
※本記事は特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。制度・数値は変更される場合があるため、最新情報は必ず公式サイトでご確認ください。
① JALの株主優待の内容
日本航空の株主優待は、大きく分けて「株主割引券(国内線)」と「旅行商品割引券」の2種類で構成されています。2026年9月末を初回基準日として、これらに加えて後述の「eJALポイント」が新設される点が、直近の大きな特徴です。
(A) 株主割引券(国内線割引)
株主割引券は、JALグループ国内線の普通運賃を大人50%割引(小児は75%割引)で利用できる優待です。対象となるのはJAL(日本航空)・JTA(日本トランスオーシャン航空)・JAC(日本エアコミューター)・RAC(琉球エアーコミューター)の国内線で、割引券1枚につき1区間の搭乗に利用できます。
(B) 旅行商品割引券
もう一つが、国内・海外のダイナミックパッケージ(航空券+宿泊のセット商品)などに使える旅行商品割引券です。割引率は情報源により幅があり(概ね3〜7%程度とされます)、正確な率や対象商品は時期によって変わるため、利用の際は公式の案内で確認することが前提となります。
② 優待をもらうための条件
JALの株主優待を受け取るには、権利確定日(基準日)の時点で株式を保有している必要があります。基準日は毎年3月31日と9月30日の年2回です。

- 最低必要株数:100株(3月末基準で株主割引券1枚)。ただし9月末基準は200株から割引券が発行されます。
- 権利を得るタイミング:新規購入の場合、基準日の2営業日前までに約定している必要があります。
- 継続保有条件:通常の割引券付与に継続保有の条件はありません。ただし後述の長期保有優遇があります。
保有株数別の発行枚数(株主割引券)
保有株数に応じて発行される割引券の枚数は、以下が目安とされています。なお発行枚数は二次資料をもとにした一覧であり、公式PDFの直接確認ができていないため、実際の枚数は購入前に公式資料で最終照合することをおすすめします。
| 保有株数 | 3月末基準(5月発行) | 9月末基準(11月発行) |
|---|---|---|
| 100〜199株 | 1枚 | 0枚 |
| 200〜299株 | 1枚 | 1枚 |
| 300〜399株 | 2枚 | 1枚 |
| 400〜499株 | 2枚 | 2枚 |
| 500〜599株 | 3枚 | 2枚 |
| 900〜999株 | 5枚 | 4枚 |
| 1,000〜1,099株 | 5枚 | 5枚 |
| 1,100株〜 | 1,000株超過分は500株ごとに+1枚(3月末・9月末とも同様) | |
また、同一株主番号で3年(7基準日)連続して保有した場合の長期保有優遇があり、300〜999株で1枚追加、以降は保有株数に応じて追加発行される仕組みが設けられています。
③ 必要な投資額
JALの単元株数は100株です。2026年7月17日時点の終値2,904円をもとにすると、最低投資額は次のようになります。株価は日々変動するため、実際に購入する際は最新の株価でご確認ください。
2,904円 × 100株 = 290,400円(最低投資額の目安)
この金額で3月末基準の株主割引券1枚と、2026年9月末基準からのeJALポイント(100株の場合1,000ポイント)が対象となります。
④ 権利確定日とスケジュール
基準日は3月31日・9月30日の年2回です。優待の受け取りまでの一般的な流れは次のとおりです。
- 基準日の2営業日前まで:新規購入分はこの日までに約定が必要です。
- 3月末基準:株主割引券はおよそ5月ごろの発行とされています。
- 9月末基準:株主割引券はおよそ11月ごろの発行とされています。
- eJALポイント:9月末を基準日とし、後述の登録・継続保有条件を満たした株主に年1回付与されます。
権利付き最終日や配当・優待の権利取りのタイミングは市場カレンダーによって変わるため、証券会社のカレンダー等でその年の日付を確認しておくと確実です。
⑤ 優待の使い方
株主割引券は、JALグループ国内線の普通運賃に対して割引を適用して航空券を購入する際に利用します。割引後の運賃で予約・発券する形で、割引券1枚につき1区間が対象です。
注意したいのは、先得割引や特便割引などの他の割引運賃とは併用できない点です。株主割引が適用されるのは普通運賃(フレックスなど)で、あらかじめ割り引かれた運賃には重ねて使えません。また国際線は対象外で、国内線専用の優待です。
金券ショップでの換金相場は額面の概ね70〜85%程度(市場実勢により変動)とされており、使い切れない場合に売却する選択肢もありますが、相場は流動的です。
⑥ 配当と優待から見た利回りの考え方
JALは近年、配当を回復・拡大させてきました。1株あたり年間配当の推移は以下のとおりです。
| 決算期 | 1株あたり年間配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2023年3月期 | 25円 | 31.7% |
| 2024年3月期 | 75円 | 34.3% |
| 2025年3月期 | 86円 | 35.1% |
| 2026年3月期(実績) | 96円 | 31.3% |
| 2027年3月期(会社予想) | 96円(中間48円+期末48円) | 未開示 |
進行期である2027年3月期は前期と同額の96円が会社予想(横ばい予想)です。終値2,904円をもとにした配当利回りは約3.31%(会社予想ベース)となります。
優待については、株主割引券の価値が搭乗する路線・運賃・利用頻度によって大きく変わり、eJALポイントもポイント額で価値が異なります。そのため、この記事では配当と優待を機械的に足し合わせた「合計利回り」としては示していません。配当利回り(数値で確定できる部分)と、優待の価値(利用状況で変動する部分)は分けて考えるのが実態に即しています。飛行機を頻繁に利用する人ほど優待の実質的な価値は高まりやすく、ほとんど利用しない人は換金相場(額面の7〜8割程度)が価値の目安になります。生活のなかで使いやすいレジャー系の優待という点では、映画鑑賞に利用できる東宝(9602)の株主優待なども同じ視点で比較検討されることがあります。

⑦ 優待の変更履歴(eJALポイント新設が最大のトピック)
JALの優待で直近もっとも注目されるのが、2026年6月4日に発表された「eJALポイント」の付与制度新設です。従来の株主割引券は廃止されるわけではなく、割引券とeJALポイントが併存する形になります。この点が、同じ航空株であるANA(9202)の優待とJALを比較するうえでも独自のポイントになります。
eJALポイントの付与内容(保有株数別・年1回)
| 保有株数 | 付与ポイント |
|---|---|
| 100〜499株 | 1,000ポイント |
| 500〜999株 | 2,000ポイント |
| 1,000株〜 | 3,000ポイント |
1ポイント=1円相当として、JALの航空券購入などに利用できます。付与を受けるには、以下の条件をすべて満たす必要があります。
- 9月末日時点で100株以上を保有していること
- 株主専用サイトへの登録と、JMB(JALマイレージバンク)番号を翌2月末までに登録すること
- 3月末日まで同一株主番号で連続保有していること
- 付与ポイントの判定は「9月末と3月末の少ない方の株数」で行われること
初回の基準日は2026年9月末です。途中で一度でも保有がゼロになり株主番号が変わると対象外となるため、eJALポイント目的で保有する場合は継続保有と登録手続きが前提になります。割引券とは条件が異なる点に注意が必要です。
⑧ こんな人に向いている/向いていない
向いている人
- JALグループの国内線を年に数回以上利用し、普通運賃を割引で使いたい人
- 3月・9月の年2回、優待とeJALポイントの両方を狙って中長期で保有できる人
- 配当(会社予想利回り約3.31%)と優待を組み合わせて保有メリットを考えたい人
旅行やレジャーで使える株主優待という観点では、テーマパークの入園などに使えるオリエンタルランド(4661)の株主優待も、同じカテゴリーで候補に挙げられることがあります。

向いていない人
- 飛行機にほとんど乗らず、割引券を換金前提でしか使えない人(額面割れの相場になりがち)
- 国際線中心の利用を想定している人(株主割引券は国内線専用)
- 短期の値動きだけを狙い、基準日をまたいだ保有や登録手続きを行わない人
⑨ 注意点・リスク
- 国際線は対象外:株主割引券はJALグループ国内線専用です。
- 他割引と併用不可:先得・特便割引などの割引運賃には重ねて使えません。
- 有効期限に注意:2026年時点の資料では、3月末基準発行分は6月1日〜翌5月31日、9月末基準発行分は12月1日〜翌11月30日の約1年とされていますが、期間の取り扱いに幅がある情報もあります。実際の有効期限は必ず公式で確認してください。eJALポイントにも有効期限(一般に付与から約1年とされます)があるため、こちらも公式での確認が前提です。
- 手数料:払戻手数料は1枚1区間440円、取消手数料は出発後で運賃額の20%(出発前は無料)とされています。
- 制度変更リスク:航空各社の優待は業績や方針で見直されることがあり、割引率や発行枚数、eJALポイントの条件が今後変わる可能性があります。
⑩ まとめ
JAL(日本航空・9201)の株主優待は、国内線を大人50%割引で利用できる株主割引券を中心に、旅行商品割引券、そして2026年9月末を初回基準日とする新設のeJALポイントが加わる構成です。最低100株・約29万円からスタートでき、配当は会社予想で年96円(予想利回り約3.31%)となっています。
飛行機を実際に使う人にとっては割引券とポイントの価値が生きやすい一方、利用機会が少ない人は換金相場が価値の目安になります。ANA(9202)との違いとしてeJALポイントの新設が加わった点も含め、自分の利用スタイルと照らして検討するのがよいでしょう。発行枚数・有効期限・eJALポイントの登録条件などは変更や情報の幅があるため、購入前に必ず公式サイトで最終確認してください。
※本記事は特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。制度・数値は変更される場合があるため、最新情報は必ず公式サイトでご確認ください。



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