東京ディズニーランド・東京ディズニーシーを運営するオリエンタルランド(証券コード:4661)は、株主優待として両パークで使える「1デーパスポート」を進呈することで知られています。「オリエンタルランドの株を買えばディズニーのチケットがもらえる」というイメージから、優待目的で検討する方も少なくありません。同じくレジャー・エンタメ系では、映画・演劇を手がける東宝(9602)の株主優待も個人投資家に知られています。

ただし、この銘柄の優待には注意すべきポイントがあります。2023年の株式分割にともない、通常の優待をもらうために必要な最低株数が引き上げられ、最低単元である100株だけでは原則として通常優待を受け取れない仕組みになっています。一方で、100株でもパスポートが得られる「例外ルート」も用意されています。
この記事では、オリエンタルランドの株主優待について、内容・条件・必要投資額・配当情報・変更履歴・注意点までを、公開情報にもとづいて体系的に整理します。「100株ではもらえないが、例外ルートがある」という少し複雑な構造を、できるだけ分かりやすく解説します。
※本記事は特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。制度・数値は変更される場合があるため、最新情報は必ず公式サイトでご確認ください。
1. オリエンタルランド(4661)の株主優待の内容
オリエンタルランドの株主優待は、東京ディズニーランドまたは東京ディズニーシーで利用できる「株主用1デーパスポート」です。保有株数が多いほど進呈枚数が増える設計となっており、公開情報にもとづく保有株数別の枚数は以下の通りです。
| 保有株数 | 3月末基準 | 9月末基準 | 年間合計 |
|---|---|---|---|
| 500株以上 | 1枚 | なし | 1枚 |
| 2,000株以上 | 1枚 | 1枚 | 2枚 |
| 4,000株以上 | 2枚 | 2枚 | 4枚 |
| 6,000株以上 | 3枚 | 3枚 | 6枚 |
| 8,000株以上 | 4枚 | 4枚 | 8枚 |
| 10,000株以上 | 5枚 | 5枚 | 10枚 |
| 12,000株以上 | 6枚 | 6枚 | 12枚 |
※上記の優待テーブルは証券会社系の情報集約サイト(株探など)にもとづくもので、公式IRページでの直接確認ができていません(確認日:2026年7月19日)。実際に検討する際は、必ずオリエンタルランドの公式サイト(IR情報)で最新の内容を最終確認してください。
2. 優待をもらうための条件
オリエンタルランドの優待は、通常ルートと、100株でも取得できる例外ルートに分かれます。ここが本銘柄の最も分かりにくい部分のため、順に整理します。なお、株主優待そのものの基本的な仕組みから確認したい方は、株主優待とは何かを解説した記事もあわせてご覧ください。

① 通常優待(500株以上)
通常の株主優待を受け取るには、500株以上の保有が必要です。割当の基準日は3月31日と9月30日の年2回で、基準日時点で株主名簿に記載されていることが条件となります。かつては100株(1単元)から通常優待の対象でしたが、2023年の株式分割にともなって最低必要株数が引き上げられました。なお、進呈枚数は保有株数に応じて決まるため、500株ちょうどの場合に対象となるのは3月末の基準日のみで、年1枚となります。
② 長期保有優待(100株・連続7回記載)
100株の保有でも、一定の継続保有条件を満たせばパスポートが得られるルートがあります。具体的には、100株以上を保有し、同一株主番号で株主名簿に連続7回以上記載されること(≒3年以上の継続保有に相当)が条件です。この条件を満たすと、9月末の基準日に1デーパスポートが1枚追加で進呈されます。ただし、単元株を購入してすぐに対象となるわけではなく、対象になるまでにおおむね3年程度かかる点に注意が必要です。
③ 上場30周年記念 特別株主優待(100株・保有期間不問)
2026年4月28日に発表された、上場30周年を記念する特別優待です。2026年9月末の基準日に100株以上を保有していれば、通常必要な3年間の継続保有条件が撤廃され、保有期間を問わず1デーパスポートが1枚追加進呈されます。
重要な点として、2026年9月末の基準日には「通常優待(500株以上)」「長期保有優待(100株・連続7回記載)」「30周年特別優待(100株・期間不問)」が併存します。それぞれの条件を満たせば、重複して取得できるとされています。
3. 必要な投資額
オリエンタルランドの単元株数は100株です。本記事では、2026年7月24日終値の2,682.5円を基準株価として、必要投資額と利回りを算出します(株価は変動するため、あくまで判断時点の参考値です)。
- 通常優待(500株)の場合:約134.1万円(2,682.5円×500株=1,341,250円)
- 長期保有・特別優待ルート(100株)の場合:約26.8万円(2,682.5円×100株=268,250円)
通常優待を狙う場合と100株ルートを狙う場合とでは、必要となる資金が5倍異なります。なお本記事では、記事内の数値を比較できるようにするため、基準株価を2,682.5円(2026年7月24日終値)に統一しています(確認日:2026年7月26日)。
4. 権利確定日とスケジュール
オリエンタルランドの優待・配当の基準日(権利確定日)は、3月31日と9月30日の年2回です。優待を受け取るには、基準日に株主名簿へ記載されている必要があり、そのためには権利付き最終日までに株式を購入・保有しておく必要があります。
- 基準日:3月31日・9月30日
- 2026年9月末の権利付き最終日:2026年9月28日(市場カレンダーに依存するため、実際の日付は必ず再確認してください)
- パスポートの進呈時期:3月末基準分は6月上旬発送、9月末基準分は12月上旬発送
30周年特別優待を狙う場合は、2026年9月末の基準日が対象となるため、この権利付き最終日までに100株以上を保有しておく必要があります。
5. 優待の使い方
進呈される株主用1デーパスポートは、東京ディズニーランドまたは東京ディズニーシーのいずれかで利用できるとされています。
ただし、株主用パスポートには日付が指定されていないため、そのままパークへ行っても入園できません。東京ディズニーリゾートの公式「よくあるご質問」(ID:00335)には、株主用パスポートなど日付指定のないパークチケットで入園するには、事前に入園日を指定してオンラインで「入園予約」を行う必要があると記載されています。同FAQで確認できる条件は以下の通りです。
- 予約は東京ディズニーリゾート・アプリ、または公式ウェブサイトから行う(公式FAQ確認済み)
- 東京ディズニーリゾート現地や、東京ディズニーリゾート・インフォメーションセンターで予約することはできない(公式FAQ確認済み)
- 入園日として指定できるのは、パークチケットの有効期限までの日付。有効期限より先の日付は選択できない(公式FAQ確認済み)
- パークが指定されているパークチケットの場合、入園予約時にパークを変更することはできない(公式FAQ確認済み。ただし株主用パスポートがこの「パーク指定」に当たるかどうかは、公式一次資料では確認できていません)
- 入園予約枠に空きがあれば、当日でもパーク閉園1時間前まで予約が可能(公式FAQ確認済み。日付指定のないパークチケット=株主用パスポート等が対象と明記されています)
予約できる期間については、株主用パスポートは当日から2カ月先の同日分まで、スポンサーパスポートは3カ月先の同日分までと、券種によって差があるとされています。最も先の日付は毎日14時ごろから順次受付が始まるとも伝えられていますが、この予約期間と時刻については複数の二次情報が一致して伝えているものの、公式ページの原文を本記事では確認できていません(確認試行日:2026年7月26日)。実際に予約する際は、公式サイトで受付開始のタイミングを確認してください。
予約枠には上限があり、一定数に達した日は受付が終了するとされています。加えて、有効期限より先の日付は指定できないため、期限が近づいてから動くと選べる日が限られます。来園日が決まっているなら、早めに予約を済ませておくのが無難です。
一方、優待パスポートの1枚あたりの確定した金銭価値は、来園日によって変わるため一律には定まりません(6節で価格帯としての試算を掲載しています)。また、通常優待パスポートの有効期限や利用除外日については、公式一次資料での確認ができていません。
なお、30周年特別優待で進呈されるパスポートの有効期限は2027年8月末までとされています。実際に利用する際は、利用除外日の有無を含め、公式サイトや同封の案内で最新の利用条件を確認してください。
6. 配当と優待について
オリエンタルランドは配当も実施しています。公開情報にもとづく1株あたり配当金の推移は以下の通りです。
| 決算期 | 中間 | 期末 | 年間合計 | 配当性向 |
|---|---|---|---|---|
| 2022年3月 | 13円 | 15円 | 28円 | 113.8% |
| 2023年3月 | 18円 | 22円 | 40円 | 16.2% |
| 2024年3月 | 5円 | 8円 | 13円 | 17.7% |
| 2025年3月 | 7円 | 7円 | 14円 | 18.6% |
| 2026年3月 | 7円 | 8円 | 15円 | 20.2% |
| 2027年3月(予想) | 8円 | 8円 | 16円 | 23.1% |
2027年3月期は前期比1円増の16円が予想されており、計画通りに進めば6期連続の増配となります。
※2022〜2023年(28円・40円)と2024年以降(13〜16円)で配当水準に差がありますが、これは株式分割の遡及調整の有無が影響している可能性があります。時期をまたいだ単純比較はできない可能性がある点にご注意ください。
約0.60%です(16円÷2,682.5円=0.5965%)。
一方、優待パスポートの金銭価値は変動価格制のため、一つの確定値としては示せません。ただし価格の上限と下限は公表されているため、幅(レンジ)としてなら試算できます。2026年7月10日以降・9月入園分までの大人1デーパスポートは8,400円・8,900円・9,400円・9,900円・10,900円の5段階で、価格帯は8,400円〜10,900円です。従来の最安値であった7,900円は、2026年7月9日入園分をもって終了しました(確認日:2026年7月26日)。
さらに、この価格帯そのものが2026年10月に改定されると報じられています。日本経済新聞は、オリエンタルランドが1デーパスポート大人の上限価格を1万2400円と、1500円高くすると伝えています。報道によると、11,900円と12,400円の2段階が新設され、大人1デーパスポートは8,400円〜12,400円の7段階になるとされています。下限の8,400円は据え置かれ、帯の上側だけが伸びる形です。
この改定は、3つのルートいずれにも関わります。30周年特別優待のパスポートは2026年12月ごろ発送・2027年8月末期限とされており、使えるのは改定後の期間だけです。同じ2026年9月末が基準日となる長期保有優待も、発送・利用時期は同様になると考えられます。通常優待(500株・次回基準日は2027年3月末)も、実際に使うのはその後になるため、同じく改定後の価格帯が前提になります。そのため下の表は、3ルートすべて改定後の価格帯である8,400円〜12,400円で試算しています。
以下の3つのルートについて、それぞれ次に受け取る1枚あたりの金銭価値を試算すると、以下のようになります。
| ルート | 対象 | 年間の枚数 | 投資額 | 優待利回り | 配当利回り | 総合利回り |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 100株・30周年特別優待(2026年9月末基準・保有期間不問・この回限り) | 新規購入でも対象 | 1枚 | 268,250円 | 3.13%〜4.62% | 0.60% | 3.73%〜5.22% |
| 100株・長期保有優待(連続7回記載=おおむね3年) | 条件充足後、毎年 | 1枚 | 268,250円 | 3.13%〜4.62% | 0.60% | 3.73%〜5.22% |
| 500株・通常優待 | 保有期間不問(3月末の基準日のみ対象。次回は2027年3月末) | 1枚 | 1,341,250円 | 0.63%〜0.92% | 0.60% | 1.22%〜1.52% |
なお2026年9月末の基準日は「長期保有優待」「30周年特別優待」の2制度が併存するため、連続7回記載の条件を満たしている100株株主は、この基準日で2枚を受け取ることになります(本記事2節参照)。
※上表はいずれも改定後の価格帯(8,400円〜12,400円)で試算しています。2026年9月末基準の2ルートも、500株・3月末基準の通常優待も、実際にパスポートが発送・利用されるのは早くて2026年12月以降であり、改定後の期間にあたるためです。2027年に受け取る長期保有優待の2枚目以降についても、その時点の価格帯によって数値は変わります。
※各利回りの計算式は次の通りです。優待利回り=パスポート価格÷投資額。100株は8,400円÷268,250円=3.1314%、12,400円÷268,250円=4.6226%。500株は8,400円÷1,341,250円=0.6263%、12,400円÷1,341,250円=0.9245%です。総合利回り=(年間配当額+パスポート価格)÷投資額で、100株の下限は1,600円+8,400円=10,000円、10,000円÷268,250円=3.7279%、上限は1,600円+12,400円=14,000円、14,000円÷268,250円=5.2190%。500株の下限は8,000円+8,400円=16,400円、16,400円÷1,341,250円=1.2227%、上限は8,000円+12,400円=20,400円、20,400円÷1,341,250円=1.5210%です。いずれも小数第3位を四捨五入しています。
※この試算は「そのパスポートを、その日の販売価格で購入したと仮定した場合」の目安です。実際に得られる金銭的な価値は、いつ来園するか(=どの価格帯の日に使うか)によって変わり、改定後の価格帯(8,400円〜12,400円)でも同じ1枚で4,000円の差が出ます。
※株主優待.comが掲載している優待利回りは、本記事の試算より低く出ます。2026年7月24日時点で同サイトは100株ベースの優待利回りを2.94%と表示しており、これは廃止済みの7,900円で換算した数値(7,900円÷268,250円)と一致します。配当利回りも同サイトは0.59%と表示していますが、これは端数処理の違いによるものとみられます(16円÷2,682.5円=0.5965%を、切り捨てれば0.59%、小数第3位で四捨五入すれば0.60%)。本記事は四捨五入して0.60%としています。同サイトは端数処理の方法を明記していません。他サイトの数値と本記事の数値が食い違う場合は、換算に使っているパスポート価格と端数処理を確認してください。
※2027年に入園する場合の料金は、まだ公表されていません(公式サイトで料金を確認できるのは約3カ月先までです)。上記は現時点で判明している改定後の価格帯にもとづく試算であり、実際の来園時点でさらに改定されている可能性があります。
7. 優待の変更履歴
① 株式分割にともなう最低株数の引き上げ(2023年)
2023年4月1日に1株を5株に分割する株式分割が実施され、これにあわせて通常優待をもらうための最低必要株数が100株から500株へ引き上げられました。この変更により、最低単元の100株だけでは通常優待を受け取れなくなりました。
② 上場30周年記念 特別株主優待の発表(2026年)
2026年4月28日、上場30周年を記念した特別株主優待が発表されました。基準日は2026年9月末で、100株以上を保有していれば保有期間を問わず1デーパスポートが1枚追加進呈されます。通常の長期保有優待で必要な「3年間の継続保有」条件が撤廃されている点が特徴で、有効期限は2027年8月末までとされています。
8. 向いている人・向いていない人
ここまでの内容を踏まえ、オリエンタルランドの優待がどのような方に向いているかを整理します。あくまで一般的な整理であり、投資判断はご自身の状況に応じて行ってください。旅行やお出かけで使える優待という点では、航空系のANAホールディングス(9202)の株主優待もあわせて比較されることが多い銘柄です。

向いていると考えられる人
- 東京ディズニーリゾートに定期的に訪れ、パスポートを実際に活用できる方
- 500株(約134.1万円)以上を無理なく投資できる資金余力がある方
- 100株から始めて、3年以上の長期保有を前提に優待を待てる方
- 2026年9月末の30周年特別優待という期間限定の機会に関心がある方
向いていないと考えられる人
- 少額(100株)で今すぐ通常優待を受け取りたい方(通常優待は500株から)
- 高い配当利回りを主目的とする方(近年の配当水準は1株あたり十数円程度)
- パスポートの利用条件や除外日を事前に確定させてから判断したい方(一部が未確認のため)
9. 注意点・リスク要素
- 100株(約26.8万円)では通常優待を受け取れません。通常優待は500株(約134.1万円)以上が条件です。
- 長期保有優待は「連続7回記載」が条件で、対象になるまでおおむね3年かかります。単元株を買ってすぐに対象になるわけではありません。
- 優待テーブルは二次資料(証券会社系集約サイト)ベースです。公式IRページで直接確認できていないため、枚数・条件は公式サイトでの最終確認が必要です。
- パスポートの利用除外日と、来園日ごとの適用価格の詳細は、公式一次資料で確認できていません。金銭価値は6節のとおり価格帯(レンジ)としては試算できますが、1枚あたりの確定額は来園日によって変わります。
- 権利付き最終日は市場カレンダーに依存します。2026年9月末の権利付き最終日(記載上は9月28日)は必ず再確認してください。
- 株価は変動するため、必要投資額や配当利回りは判断時点で変わります。
10. まとめ
オリエンタルランド(4661)の株主優待は、東京ディズニーランド・東京ディズニーシーで使える1デーパスポートで、保有株数に応じて進呈枚数が増える設計です。最大のポイントは、通常優待は500株以上が必要で、最低単元の100株だけでは原則もらえないという点です。
ただし、100株でも「長期保有優待(連続7回記載≒3年以上)」と「2026年9月末限定の30周年特別優待(保有期間不問)」という2つの例外ルートがあり、条件を満たせばパスポートを得られます。特に30周年特別優待は保有期間を問わない期間限定の制度である点が特徴です。
一方で、本記事の優待テーブルは二次資料ベースであり、パスポートの利用条件など公式一次資料で確認できていない項目も残っています。検討の際は、必ず公式サイトで最新かつ正確な情報を確認したうえで判断することが大切です。
※本記事は特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。制度・数値は変更される場合があるため、最新情報は必ず公式サイトでご確認ください。
フクロウ



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