この記事の判断軸:力の源HDの優待は、一風堂など対象店舗を実際に利用する回数、優待カードや割引の利用条件、必要資金に対して使い切れる価値があるかで判断します。店舗の所在地や対象外の利用方法も確認し、ラーメンを食べる予定がない人は額面だけで評価しないようにします。
ラーメンチェーン「一風堂」を運営する力の源ホールディングス(証券コード3561)の株主優待は、2025年に大きく制度が拡充され、100株の保有で保有期間を問わず優待を受け取れるようになったことで注目を集めています。この記事では、力の源ホールディングスの株主優待の内容・もらうための条件・必要な投資額、優待の使い方、制度の変更点まで、公式IRで確認できる情報をもとに説明します。
※本記事は特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。制度・数値は変更される場合があるため、最新情報は必ず公式サイトでご確認ください。
①力の源ホールディングスの株主優待の内容
力の源ホールディングスの株主優待は、保有株数と保有期間に応じて、以下の3つから選べます(ただし100株以上500株未満で保有1年未満の場合は食事優待カードのみ)。
- 食事優待券(リチャージ型の電子カード)
- ECサイトで利用できるクーポン券
- 支援団体への寄付
優待の金額は保有株数と保有期間によって変わります。まず、保有1年未満の「通常」の区分は以下のとおりです(いずれも1基準日あたりの金額です)。
| 保有株数 | 優待額(1基準日あたり) |
|---|---|
| 100株以上 | 2,000円分 |
| 500株以上 | 8,000円分 |
| 1,000株以上 | 10,000円分 |
| 3,000株以上 | 15,000円分 |
次に、1年以上継続して保有している場合の区分は以下のとおりです(こちらも1基準日あたりの金額です)。
| 保有株数 | 優待額(1基準日あたり) |
|---|---|
| 100株以上 | 4,000円分 |
| 500株以上 | 10,000円分 |
| 1,000株以上 | 15,000円分 |
| 3,000株以上 | 20,000円分 |
優待は3月末・9月末の年2回の基準日それぞれで進呈されます。公式IRの株主優待ページでは、3月末日と9月末日それぞれの株主名簿に記載された株主を対象に、保有株式数と保有期間に応じて優待を進呈するとされています。上表の金額は1基準日あたりの額で、これは通常区分でも1年以上継続保有区分でも変わりません。1年以上継続保有の4,000円分が年1回にとどまる制度ではありません。
そのため100株を保有し続けた場合の年間の受取額は、保有1年未満の通常区分で2,000円分×2回の4,000円相当、1年以上継続保有の区分では4,000円分×2回で年間8,000円相当になります。ただし継続保有と認められるには基準日3回分の連続保有が必要なため、新たに購入した場合は最初の2回の基準日は通常区分の2,000円分となり、3回目の基準日から4,000円分に切り替わります。
優待の提供形態は2026年に変更されています。リチャージ型の電子カードでの発行に切り替わったのは2026年3月末基準日分からで、それ以前の2025年3月末基準日分・2025年9月末基準日分は、1,000円券を単位とする優待券として進呈されていました。100株・保有1年未満であれば1,000円券2枚の合計2,000円分にあたります。この電子化は2026年3月18日付の適時開示で公表されたものです。
(出典:公式IR株主優待情報、適時開示「株主優待券の電子化に関するお知らせ」(2026年3月18日)/確認日2026年8月20日)
②株主優待をもらうための条件
株主優待を受け取るための基本的な条件は以下のとおりです。
- 最低必要株数:100株(2025年3月末基準日から。以前は同じ100株でも1年以上の継続保有が必要でした)
- 権利確定日(基準日):毎年3月末日・9月末日の年2回
100株以上を保有していれば、継続保有の条件がなくても通常区分の優待を取得できます。一方で、より金額の大きい「1年以上継続保有」の区分を受け取るには、長期保有の条件を満たす必要があります。
継続保有(長期特典)の条件は、公式IRの株主優待ページによると、同社が定める保有区分(100株以上・500株以上・1,000株以上・3,000株以上)に該当する株式数を、各基準日において3回連続で保有していることとされています。基準日は3月末日・9月末日の年2回のため、最初の基準日から1年後の基準日が3回目にあたります。これがこの区分が「1年以上継続保有」と表現される理由です。あわせて株主名簿に同一株主番号で連続して記載されている必要があり、株主番号が変わると継続保有としてカウントされない場合があるため、証券口座を変更する場合は、継続保有の扱いを事前に確認してください。
この条件は保有区分ごとに判定されます。たとえば500株以上の区分の優待を継続保有で受け取るには、各基準日の時点で500株以上を3回連続して保有していることが必要です。
そもそも株主優待の権利確定日や継続保有といった基本的な仕組みについては、株主優待の基礎をまとめた記事で初心者向けに整理しています。
基礎から押さえておくと、本記事の内容も理解しやすくなります。
(出典:知って得する株主優待、公式IR/確認日2026年7月19日)
③必要な投資額の目安
力の源ホールディングスの単元株数は100株です。株価をもとに、優待取得に必要な最低投資額を確認します。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 直近終値(2026年7月17日時点) | 1,618円 |
| 単元株数 | 100株 |
| 最低投資額(目安) | 161,800円 |
1,618円×100株で、最低投資額はおよそ161,800円となります。株価は日々変動するため、実際に取得する際は最新の株価をご確認ください。
(出典:Yahoo!ファイナンス/確認日2026年7月19日)
④権利確定日とスケジュール
力の源ホールディングスの株主優待の権利確定日(基準日)は、3月末日と9月末日の年2回です。優待を受け取るには、それぞれの権利確定日の時点で株主名簿に記載されている必要があり、そのためには権利付最終日までに株式を購入しておく必要があります。
権利付最終日は基準日の2営業日前にあたります。土日祝日の並びによって具体的な日付は年によって変わるため、権利確定日が近づいたら、証券会社のカレンダーなどで権利付最終日を確認してください。権利落ち日以降に購入した場合、その基準日の優待は受け取れない点に注意が必要です。
配当についても、中間(第2四半期末基準)と期末(期末基準)の年2回支払われる方針とされています。
(出典:公式IR、Yahoo!ファイナンス/確認日2026年7月19日)
⑤株主優待の使い方
食事優待カードの場合、2026年3月末基準日分からは「リチャージ型の電子カード」で提供されています。それ以前の2025年3月末基準日分・2025年9月末基準日分は、1,000円券を単位とする優待券として進呈されていました。利用方法や条件は以下のとおりです。
- 利用方法:電子カードは店舗のレジまたは券売機で、カード裏面のバーコードを読み込んで利用します。利用単位は10円です。
- 利用できる店舗:一風堂、IPPUDO RAMEN EXPRESS、名島亭、因幡うどんなどのグループ店舗で利用できます。
- 有効期限:基準日ごとに設定されます。公式IRによると、3月末日基準日分は同年7月に進呈され有効期間は到着日から翌年1月末日まで、9月末日基準日分は翌年1月に進呈され有効期間は到着日から同年7月末日までとされています。
- 譲渡の可否:公式の注意事項では、優待品を他人に貸与・譲渡することはできないとされています。
電子カードはチャージ残高を複数回に分けて使える形式のため、1回の会計で使い切る必要はありません。ただし有効期限があり、期限を過ぎた残高は持ち越せない点に留意が必要です。
複数の飲食ブランドを運営する企業の株主優待という点では、クリエイト・レストランツHD(3387)の株主優待も似た仕組みで食事に使える優待を提供しています。
あわせて比較検討すると、自分の生活圏で使いやすいのはどちらかを判断しやすくなります。
(出典:公式IR株主優待情報、適時開示「株主優待券の電子化に関するお知らせ」(2026年3月18日)/確認日2026年8月9日。到着レポート/確認日2026年7月19日)
⑥配当と優待の金額を確認する
投資額に対する優待や配当の水準を確認するために、金額を具体的に比べます。まず優待については、100株保有の場合、通常区分で1基準日あたり2,000円分、1年以上継続保有の区分で1基準日あたり4,000円分が進呈されます。これらは3月末・9月末の基準日それぞれで進呈される制度です。
次に、1株あたりの年間配当金の推移は以下のとおりです。
| 決算期 | 年間配当(1株あたり) |
|---|---|
| 2021年3月期 | 0.00円 |
| 2022年3月期 | 0.00円 |
| 2023年3月期 | 15.00円 |
| 2024年3月期 | 20.00円 |
| 2025年3月期 | 18.00円 |
| 2026年3月期(実績) | 20.00円 |
| 2027年3月期(会社予想) | 24.00円 |
2026年3月期の配当性向は32.9%とされています。配当は近年は増加傾向にありますが、2021年・2022年3月期は無配であった点も、投資判断の材料として押さえておきたいところです。なお、配当利回りについては信頼できる現在値が確認できなかったため、本記事では利回りの数値提示を控え、配当額と株価の実データの提示にとどめています。ご自身で利回りを確認する際は、最新の株価と配当額をもとに算出してください。
(出典:Yahoo!ファイナンス配当情報/確認日2026年7月19日)
⑦株主優待の変更履歴
力の源ホールディングスの株主優待は、2025年1月22日発表の内容で大きく拡充されました。改定の主なポイントは以下のとおりです。
- 保有期間要件の撤廃:旧制度では100株以上でも1年以上の継続保有が必要でしたが、新制度では100株以上を保有していれば保有期間を問わず優待の対象になりました(2025年1月22日適時開示「株主優待制度の拡充に関するお知らせ」(3)保有期間の基準撤廃)。
- 優待内容の変更:旧制度の「ご賞味券」から、食事優待券・ECサイトクーポン・寄付の選択制へと変更されました。
- 対象メニュー・店舗の拡大:利用できる対象メニューや店舗が拡大されました。
この新制度は、2025年3月末日時点の株主名簿に記載された株主から適用されています。つまり、「以前は100株では1年以上の継続保有が必要だったが、現在は保有期間を問わず100株から取得できる」という点が、この銘柄の株主優待を検討するうえで重要な変化です。この拡充発表を受けて、発表後に株価が一時16%高となったと報道されています。
(出典:適時開示「株主優待制度の拡充に関するお知らせ」(2025年1月22日)/確認日2026年8月20日。ダイヤモンドZAi、日本経済新聞/確認日2026年7月19日)
⑧どのような人に向いているか
向いていると考えられる人
- 一風堂をはじめとするグループ店舗を日常的に利用する人
- 10万円台後半からの投資で、食事に使える優待を受け取りたい人
- 長期保有を前提に、継続保有による優待額の上乗せを狙いたい人
向いていない可能性がある人
- 近くにグループ店舗がなく、優待を使い切りにくい人
- 優待の有効期限内に消化する予定を立てにくい人
- 安定した高配当を主目的とする人(過去に無配の期があるため)
優待の価値は、実際にグループ店舗を利用する機会があるかどうかで大きく変わります。ライフスタイルに合うかどうかで判断してください。
外食チェーンの株主優待という点では、マクドナルド(2702)の株主優待も選択肢のひとつです。
利用しやすさや必要投資額を比べたうえで、自分に合った優待を選ぶ視点も役立ちます。
⑨注意点・リスク要素
力の源ホールディングスの株主優待を検討するうえで、押さえておきたい注意点は以下のとおりです。
- 利用制限:レジ店舗では1回の会計につき優待カード1枚までで、複数枚を使う場合は個別会計での対応となります。券売機店舗では1回の会計で複数枚を利用できますが、利用金額の指定はできず、カード残高から優先的に適用されます。なお、ECサイトのクーポン券は他の割引・クーポン券と併用できません。
- 有効期限:優待には基準日ごとに有効期限が設定され、期限を過ぎた残高は持ち越せません。
- 譲渡・貸与の禁止:公式の注意事項では、優待品を他人に貸与・譲渡することはできないとされています。
- 配当の非連続性:2021年・2022年3月期は無配でした。安定配当銘柄と言い切れる履歴ではない点に留意が必要です。
- 株価変動リスク:株価は日々変動し、優待や配当の価値以上に株価が下落する可能性があります。
優待制度や配当方針は今後変更される可能性があります。投資を検討する際は、必ず最新の公式情報をご確認ください。
(出典:公式IR、到着レポート/確認日2026年7月19日)
⑩まとめ
力の源ホールディングス(3561)の株主優待は、2025年の制度改定によって100株の保有でも保有期間を問わず優待の対象となり、より取得しやすくなった点が大きな特徴です。100株保有の場合、通常区分で1基準日あたり2,000円分、1年以上継続保有で1基準日あたり4,000円分の優待が、3月末・9月末の年2回の基準日それぞれで進呈されます。食事優待はリチャージ型の電子カードで、一風堂などのグループ店舗で利用できます。
一方で、優待には有効期限があること、過去に無配の期があること、利用に一部制限があることなど、押さえておきたい注意点もあります。グループ店舗を利用する機会があるかどうかを軸に、ご自身の投資方針と照らし合わせて検討することが大切です。
※本記事は特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。制度・数値は変更される場合があるため、最新情報は必ず公式サイトでご確認ください。
公式情報で確認した資料
優待の対象株数・基準日・内容は、確認日時点で公開されている公式情報をもとにしています。制度変更の可能性があるため、権利取得前には最新のIR情報をご確認ください。
最終更新日:2026年8月20日
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