最終更新日:2026年7月17日
「東京海上・世界モノポリー戦略株式ファンド(毎月決算型)」は、純資産総額が約1,100億円まで拡大した毎月分配型ファンドです。毎月分配型投信ランキングTOP5では5位として紹介しました。ランキング記事が「概要」なら、本記事は「名称と中身のギャップの検証」にあたります。同じランキングで1位に挙げた「世界のベスト」の評判・実態は別記事で詳しく検証しています。


このファンドで検索窓に並ぶのは「評判」「モノポリー戦略 意味」「怪しい」といったキーワードです。その背景には、「モノポリー戦略」という名前から中身がイメージしづらいという事情があると考えられます。多くの読者は「モノポリー」という語から、GAFAMのような独占的なテック大企業への投資を連想するかもしれません。しかし実態はまったく異なります。本記事では、販売用資料などの公表データをもとに、この「名前から連想されるイメージ」と「実際の中身」のギャップを中心に整理します。
※本記事は公表資料をもとにした情報整理であり、特定の商品の購入を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。
※あらかじめお断りしておくと、東京海上・世界モノポリー戦略株式ファンドには決算頻度が異なる「年1回決算型」「年6回決算型」も存在します。本記事で扱うのは、毎月分配を行う「毎月決算型」のみです。
結論から先に言えば、このファンドは「モノポリー(独占)」という名称から高成長テック株を連想させますが、実際の投資対象は電力・有料道路・空港などの公共インフラ株で、実態は「グローバル上場インフラ株ファンド」です。分配金は毎月150円で安定し、基準価額も設定来上昇している一方、実質信託報酬は年1.7985%程度と高く、毎月決算型はNISA成長投資枠の対象外です。毎月の現金収入を受け取りたいリタイア層には価値がありますが、効率的に資産を増やしたい現役世代には割高・非効率になりやすく、NISAで運用したいなら姉妹ファンドの「年1回決算型」という選択肢があります。
東京海上・世界モノポリー戦略株式ファンドとはどんなファンドか
まず基本情報を整理します。運用歴は約6年4か月と、毎月分配型ファンドのなかでは比較的トラックレコードが蓄積されている部類に入ります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 東京海上・世界モノポリー戦略株式ファンド(毎月決算型) |
| 設定日 | 2020年3月13日(運用歴 約6年4か月) |
| 商品分類 | 追加型投信/海外/株式 |
| ファンドコード(協会) | 935022 |
| 信託期間 | 2030年1月15日まで |
| 仕組み | ファンド・オブ・ファンズ方式(マザーファンド名:アンカーMFG世界モノポリー戦略株式マザーファンド) |
| 委託会社 | 東京海上アセットマネジメント |
| 実質運用(銘柄選定) | サブアドバイザーのマゼラン・アセット・マネジメント・リミテッド(Magellan、豪シドニー、2006年設立。同一手法で10年以上の運用実績) |
| 受託会社 | 三井住友信託銀行 |
| 基準価額 | 14,833円 |
| 純資産総額 | 約1,100億円(110,047百万円) |
| 決算頻度 | 毎月15日(年12回、休業日の場合は翌営業日) |
| 為替ヘッジ | なし |
(出典:東京海上アセットマネジメント公式、販売用資料PDF〈池田泉州TT証券・東京海上AM作成、2026年4月版〉、ウエルスアドバイザー、みんかぶ投信。基準価額・純資産総額は2026年7月16日時点)
注目すべきは、実質的な銘柄選定を担うのが委託会社の東京海上アセットマネジメントそのものではなく、サブアドバイザーであるオーストラリアの運用会社マゼラン社である点です。マゼラン社は同一の「モノポリー戦略」を10年以上運用してきたとされており、日本の投資家はこのファンドを通じて、その運用手法にアクセスする形になります。
「モノポリー戦略」の正体——名前から連想されるイメージとの決定的なギャップ
この章が本記事の核心です。「モノポリー戦略」という名称から連想される中身と、実際の投資対象はまったく異なります。
「モノポリー(monopoly)」は「独占」を意味する英語です。この言葉から、多くの人はAppleやMicrosoft、Googleのような、市場を独占・寡占する巨大テック企業への投資を思い浮かべるかもしれません。しかし、このファンドが投資するのは、そうした高成長のテック株ではありません。
販売用資料では、投資対象が次のように定義されています。「日本を除く世界の株式等の中から、高い参入障壁等により、一定の地域においてモノ・サービス等を独占・寡占していると判断する『モノポリー企業』の株式へ投資」。
ここでいう「モノポリー企業」とは、具体的には以下のような公共インフラ分野で独占・寡占状態にある企業を指します。
- 電力(送配電)
- 有料道路
- 空港
- 通信タワー
- 水道
- 鉄道
- パイプライン
- 病院・学校 など
つまり、送配電網や有料道路のように「その地域では実質的に代替がきかず、競合が新規参入しづらい」インフラ事業を営む企業が投資対象です。これらは高い参入障壁を持ち、安定した収益を上げやすいという意味で「独占(モノポリー)」的な性質を持つ、という考え方に基づいています。
販売用資料によれば、日本を除く世界の上場企業約56,000社のうち、マゼラン社が「モノポリー企業」に該当すると判断するのは約350社(全体の約0.6%)にとどまるとされています(2026年1月末時点)。
結論として、このファンドの実態は、名称から連想される「高成長テック株ファンド」ではなく、実質的には「グローバル上場インフラ株ファンド」と理解するのが正確です。この点を押さえておくと、後述するコストやリターンの特性、そして向き・不向きの判断がしやすくなります。
(出典:販売用資料PDF〈池田泉州TT証券・東京海上AM作成、2026年4月版〉)
コストの内訳:実質信託報酬1.7985%をどう見るか
このファンドのコストは、毎月分配型としては標準的ですが、低コストのインデックスファンドと比べると高い水準にあります。
| 費目 | 料率・金額 |
|---|---|
| 実質信託報酬(合計) | 年率1.7985%程度(税抜1.635%) |
| うち 当ファンドの信託報酬 | 年率1.122%(税抜1.02%) |
| うち 投資対象投信証券の信託報酬 | 年率0.6765%(税抜0.615%) |
| 購入時手数料 | 上限3.3%(税抜3.0%)。楽天証券・SBI証券では無料(0円)(楽天証券公式サイトで本ファンドの「手数料:なし」を確認。SBI証券も投資信託の買付手数料は原則無料)。上限3.3%はあくまで販売会社が設定できる上限で、実際の料率は購入する金融機関によって異なる |
| 信託財産留保額 | なし |
| その他費用(監査費用) | 年率0.011%(税込、上限年99万円) |
(出典:販売用資料PDF〈P25〉。2026年4月版)
実質信託報酬の年率1.7985%程度という水準は、全世界株式のインデックスファンド(信託報酬が年0.05〜0.2%程度のものが多い)と比べると、かなり高いといえます。長期保有では、このコスト差がリターンに与える影響が積み重なる点に注意が必要です。
なお、委託会社・販売会社・受託会社それぞれへの信託報酬の内訳比率については、本記事の確認範囲では特定できませんでした。
分配実績:毎月150円は安定的に継続されている
毎月分配型ファンドを検討するうえで、分配金の水準と安定性は重要な確認ポイントです。直近の決算(2026年7月15日)では、1口あたり150円が分配されています。
| 期間 | 1口あたり分配金(月額) | 備考 |
|---|---|---|
| 2022年1〜2月 | 50円 | この時期は50円 |
| 2022年3〜8月 | 100円 | 増額 |
| 2022年9〜12月 | 150円 | さらに増額(年間合計1,300円) |
| 2023年〜2025年 | 毎月150円 | 各年1,800円で安定 |
| 2026年(7月まで) | 毎月150円 | 7月までで1,050円 |
(出典:ウエルスアドバイザー、Yahoo!ファイナンス。直近決算は販売用資料PDF)
確認できた範囲(2022年以降)では、ゼロ分配や減配は見られず、むしろ50円→100円→150円と段階的に増額されてきた経緯があります。2023年以降は毎月150円で安定して継続されています。
なお、2020年・2021年の分配金額については、本記事では確認できませんでした。上記は2022年以降のデータに基づく整理である点にご留意ください。
基準価額から計算した表面利回りと、その注意点
毎月150円の分配を年換算すると、年間1,800円になります。これを基準価額14,833円で割ると、表面上の利回りは約12%と計算できます(1,800円÷14,833円)。
ただし、この「表面利回り」は預金の金利のような確定利回りではありません。毎月分配型ファンドの分配金には、運用で得た収益から支払われる「普通分配金」だけでなく、投資元本の一部を取り崩して払い戻す「元本払戻金(特別分配金)」が含まれる場合があります。この仕組みについては毎月分配型投信のデメリットで詳しく扱っています。

もっとも、このファンドの基準価額は設定来の10,000円から14,833円まで上昇しています。基準価額が設定時を下回っていない点をふまえると、直近の分配は運用収益の範囲内で行われている健全な状態にあると考えられます。とはいえ、各時点の「普通分配金」と「特別分配金」の内訳比率は投資家ごとの取得価額によって変わるため、単一の公表値としては存在しません。ご自身の取引明細で確認することをおすすめします。
組入銘柄の傾向:世界のインフラ大手が並ぶ
実際の組入銘柄を見ると、「グローバル上場インフラ株ファンド」という実態がより明確になります。上位には、カナダ・欧州・オセアニアのエネルギーインフラ、送配電、有料道路、空港といった企業が並びます(マザーファンドの組入銘柄数は90、2026年1月末時点)。
| 順位 | 銘柄 | 国・業種 | 組入比率 |
|---|---|---|---|
| 1 | TCエナジー | カナダ・エネルギーインフラ | 3.0% |
| 2 | ナショナル・グリッド | イギリス・送配電 | 3.0% |
| 3 | トランスアーバン・グループ | オーストラリア・有料道路 | 3.0% |
| 4 | 空港・航空管制公団AENA | スペイン・空港 | 3.0% |
| 5 | フォーティス | カナダ・送配電 | 2.9% |
| 6 | フェロビアル | スペイン・有料道路 | 2.9% |
| 7 | ヴァンシ | フランス・有料道路 | 2.8% |
| 8 | エンブリッジ | カナダ・エネルギーインフラ | 2.8% |
| 9 | セルネックス・テレコム | スペイン・通信 | 2.6% |
| 10 | テルナ | イタリア・送配電 | 2.5% |
(出典:販売用資料PDF〈P14・P15〉。2026年1月末時点、マザーファンドベース)
上位10銘柄を見ても、GAFAMのようなテック企業は一切含まれておらず、送配電・有料道路・空港・パイプラインといったインフラ企業で占められていることがわかります。これが「モノポリー戦略」の実像です。
国別・業種別の配分は次のとおりです(2026年1月末時点)。
| 区分 | 内訳 |
|---|---|
| 国別 | 米国39.2%、カナダ14.2%、スペイン10.4%、英国8.3%、イタリア6.5%、豪州4.8%、フランス4.7%、他 |
| 業種別 | 総合電力26.7%、送配電19.8%、有料道路11.4%、空港10.0%、エネルギーインフラ8.5%、通信7.4%、ガス6.8%、水道6.3%、他 |
(出典:販売用資料PDF〈P14・P15〉。2026年1月末時点)
業種別で見ると、総合電力・送配電で約46%を占め、電力インフラを中核とした構成になっています。為替ヘッジは行っていないため、現地通貨建て資産の値動きに加えて、為替の影響も基準価額に反映されます。
トータルリターンの実績
運用成績を、確認できた範囲の実データで見ていきます。
| 指標 | リターン | 補注(標準偏差/シャープレシオ) |
|---|---|---|
| 1年 | +27.74% | 標準偏差9.65%/シャープレシオ2.81 |
| 3年(年率) | +15.45% | 標準偏差8.96%/シャープレシオ1.70 |
| 6か月 | 本記事では確認できませんでした | — |
| 設定来 | 本記事では確認できませんでした | — |
(出典:ウエルスアドバイザー。2026年7月16日基準)
直近1年のリターンは+27.74%と好調で、シャープレシオ2.81という数値は、リスク(値動きの振れ幅)に対して効率よくリターンを上げていたことを示しています。3年(年率)でも+15.45%と、安定した実績を残しています。インフラ株中心のディフェンシブな設計でありながら、直近の運用成績は堅調だったといえます。
なお、6か月および設定来のトータルリターンの正式な数値については、本記事では確認できませんでした。無理な計算・推測は避け、確認できた1年・3年の数値のみを掲載しています。
運用哲学と運用体制
銘柄選定を担うマゼラン社の運用哲学は、短期の値上がりを狙うものではなく、長期での着実な資産形成を目指すものとされています。
運用目標として、次の2点が掲げられています。
- 一つの経済サイクルを通じて「CPI(消費者物価指数)+5%」の年率リターンを獲得すること
- 下落リスクを抑制すること
販売用資料によれば、この戦略は過去実績で「下落追随率58%」という特性を持つとされています。これは、世界株が10%下落する局面で本戦略は5.8%程度の下落にとどまる、という設計を意味します。実際に、欧州債務危機・チャイナショック・コロナショックといった下落局面では、世界株を上回る超過収益(+3.9〜+11.0%)を記録したとされています。インフラ株の持つディフェンシブ性(下落相場に相対的に強い性質)が表れた結果と考えられます。
運用チームは、共同リードポートフォリオマネージャーのオファー・カーライナー氏(運用歴29年)、ベン・マクビカー氏(同16年)、デイビッド・コステロ氏(同16年)らで構成されています。
なお、販売用資料には「実績配当利回り3.8%」(2026年1月末、マザーファンド保有証券ベース)という数値も記載されています。ただしこれは、マザーファンドが保有する個別銘柄(インフラ企業)自体の配当利回りを指すものであり、投資家が受け取る分配金の利回り(前述の表面利回り約12%)とは別物です。この2つは混同しやすいため、区別して理解しておくことが大切です。
(出典:販売用資料PDF〈P9〜P13、P20〉)
「評判」で語られる懸念点と、NISAをめぐる重要な注意点
好調な運用実績がある一方で、検討前に理解しておきたい懸念点も存在します。ここでは5点に整理します。
1. 実質信託報酬が年1.7985%と高水準
前述のとおり、実質信託報酬は年率1.7985%程度です。低コストの全世界株インデックスファンド(年0.05〜0.2%程度)と比べると大幅に高く、長期保有ではこのコスト差がリターンを押し下げる要因になります。アクティブ運用・サブアドバイザー体制のコストと割り切れるかが判断の分かれ目です。
2. 毎月決算型はNISA成長投資枠の対象外
今回取り上げている「毎月決算型」は、NISA(新NISA)の成長投資枠の対象外です。NISAの非課税メリットを活かしたい場合、この毎月決算型では利用できません。
ただし、東京海上アセットマネジメントは同じモノポリー戦略の姉妹ファンドとして「年1回決算型」(2022年10月20日設定)を用意しており、こちらはNISA成長投資枠の対象とされています(取扱いは販売会社により異なります)。「年6回決算型」も存在します。NISAで運用したい読者は、毎月決算型ではなく年1回決算型を検討するとよいでしょう。毎月の分配を受け取らずに長期の資産形成を目指すなら、複利効果の観点からも年1回決算型のほうが目的に合いやすいと考えられます。
3. 毎月分配型特有の元本払戻金(特別分配金)リスク
毎月分配型ファンド一般に共通する点として、分配金に元本払戻金(特別分配金)が含まれる可能性が交付目論見書に明記されています。ただし、このファンドの基準価額は設定来の10,000円から14,833円へと上昇しており、直近の分配は運用収益の範囲内で行われている健全な状態とみられます。詳細は毎月分配型投信のデメリットで解説しています。
4. 為替ヘッジなしによる円高リスク
このファンドは為替ヘッジを行っていません。そのため、円高が進行した局面では、現地通貨建て資産の価値が円換算で目減りし、基準価額の下押し要因になります。逆に円安局面では基準価額を押し上げる方向に働きます。為替の影響を直接受ける点は理解しておく必要があります。
5. 実態は「インフラ株ファンド」——株高局面で世界株に劣後しやすい設計
本記事の軸として繰り返し述べてきたとおり、このファンドの実態は名称から連想される高成長テック株ではなく、ディフェンシブなインフラ株が中心です。この設計は下落相場に相対的に強い一方で、テック株が相場を牽引するような株高局面では、世界株指数に劣後しやすいという裏返しの特性を持ちます。「値動きの安定」と引き換えに「相場上昇時の伸び」を一定程度あきらめる設計である、と理解しておくとミスマッチを避けられます。
毎月分配型ファンドを横断的に比べたい場合は、同じ毎月分配型投信ランキングで上位に入るフィデリティ・グロース・オポチュニティDもあわせて確認するとよいでしょう。

なお第三者評価としては、ウエルスアドバイザーの総合レーティングは★★★(5段階中3、平均的水準)です。また、東京海上アセットマネジメントの告知によれば、R&Iファンド大賞2026「投資信託 外国株式コア部門」で優秀ファンド賞を受賞したとされています。
(出典:ウエルスアドバイザー、東京海上アセットマネジメント告知、交付目論見書)
向いている人・向いていない人
このファンドの評価が分かれる理由は、想定される使い方とライフステージにあります。特性を整理すると、向き・不向きは次のように考えられます。
向いているとされる人
- 毎月の定期的なキャッシュフローを受け取りたい人(特に年金に加えて毎月の現金収入が欲しいリタイア層)
- 高成長よりも値動きの安定・下落局面での耐性を重視する人
- 電力・道路・空港といった生活基盤インフラへの分散投資に納得感を持てる人
向いていないとされる人
- 効率的に資産を増やすことを最優先する資産形成期(20〜50代)の人(高い信託報酬と毎月分配による複利効果の逸失、そして毎月決算型がNISA対象外であることが理由として挙げられます)
- 名称から連想される高成長テック株への投資を期待している人(実態はインフラ株中心のため、期待とのミスマッチが生じます)
- できるだけ低コストで運用したい人(インデックスファンドとのコスト差が大きくなります)
つまり、「資産を増やす時期」の人にとっては割高で非効率になりやすく、「資産を使っていく時期」の人にとっては毎月現金が振り込まれ、かつ値動きが比較的安定している点に価値がある、という整理です。同じファンドでも、目的とライフステージによって評価が変わります。なお、資産形成期でこの戦略に魅力を感じる場合は、NISA対象の「年1回決算型」を検討する余地があります。
よくある質問
「モノポリー戦略」とは何ですか?
「モノポリー(独占)」という言葉からAppleやGoogleのような巨大テック企業を連想しがちですが、実際の投資対象は電力・有料道路・空港・通信タワー・水道・鉄道・パイプラインなど、高い参入障壁を持つ公共インフラ企業です。マゼラン社が「モノポリー企業」に該当すると判断するのは、日本を除く世界の上場企業約56,000社のうち約350社(全体の約0.6%)とされています。実態は「グローバル上場インフラ株ファンド」と理解するのが正確です。
毎月決算型はNISAの対象になりますか?
本記事で扱う「毎月決算型」は、NISA(新NISA)の成長投資枠の対象外です。NISAの非課税メリットを活かしたい場合は、同じモノポリー戦略の姉妹ファンド「年1回決算型」がNISA成長投資枠の対象とされています(取扱いは販売会社により異なります)。
分配金はいくらで、表面利回りはどのくらいですか?
直近の分配金は1口あたり月150円で、年換算では1,800円です。基準価額14,833円で割ると表面利回りは約12%と計算できますが、これは預金金利のような確定利回りではありません。分配金には投資元本を取り崩す元本払戻金(特別分配金)が含まれる場合があり、販売用資料に記載の「実績配当利回り3.8%」(マザーファンド保有証券ベース)とは別物である点にも注意が必要です。
まとめ
東京海上・世界モノポリー戦略株式ファンド(毎月決算型)について、本記事で確認した事実を整理します。
- 名称と実態のギャップが最大のポイント。「モノポリー戦略」はテック大企業ではなく、電力・有料道路・空港・通信タワー・水道・鉄道・パイプラインなど公共インフラで独占・寡占状態にある企業への投資を指す。実態は「グローバル上場インフラ株ファンド」。
- 基準価額14,833円、純資産総額約1,100億円、運用歴約6年4か月(2026年7月16日時点)。銘柄選定は豪マゼラン社が担当。
- 実質信託報酬は年1.7985%程度と高水準。低コストインデックスとの差は長期で効いてくる。
- 分配金は確認できた2022年以降、毎月150円で安定(50円→100円→150円と増額してきた経緯)。基準価額は設定来上昇しており、直近の分配は健全とみられる。
- 運用実績は直近1年+27.74%、3年(年率)+15.45%と堅調(2026年7月16日基準、ウエルスアドバイザー)。設定来・6か月の正式数値は未確認。
- 下落追随率58%というディフェンシブ設計。裏を返せばテック株主導の株高局面では世界株に劣後しやすい。
- 毎月決算型はNISA対象外。NISAで運用したいなら、姉妹ファンドの「年1回決算型」という選択肢がある。
名前のイメージだけで判断すると期待とずれやすいファンドですが、「インフラ株中心で値動きを抑えつつ毎月の分配を受け取る商品」という実態を理解したうえで、自分の目的に合うかを判断することが大切です。
※本記事は公表資料をもとにした情報整理であり、特定の商品の購入を推奨するものではありません。金融商品には元本割れのリスクがあります。数値はすべて出典元の公表時点のものであり、最新の状況は各自でご確認ください。投資の最終判断は、最新の交付目論見書をご確認のうえ、ご自身の責任で行ってください。



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