「NTT(日本電信電話・証券コード9432)の株主優待って、何がもらえるの?」と気になって検索した方に向けて、この記事ではNTTの株主優待の内容・条件・必要投資額・スケジュールを、公式IR情報をもとに整理します。NTTの優待は、他の優待株のように毎年もらえる方式ではなく、一定期間保有した株主に一度だけdポイントが進呈される特殊な仕組みです。ここを誤解しやすいため、順を追って正確に確認していきます。
※本記事は特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。制度・数値は変更される場合があるため、最新情報は必ず公式サイトでご確認ください。
NTTの優待は、毎年もらえる一般的な優待株とは少し仕組みが異なります。そもそも株主優待とは何か、もらい方や種類、注意点といった基本から整理したい方は、株主優待とは?仕組み・もらい方・種類・注意点を初心者向けにやさしく解説もあわせてご覧ください。

NTT(9432)の株主優待、何がもらえる?
NTTの株主優待は、継続して株式を保有した株主に対してdポイントが進呈される制度です。ポイント数は保有期間の区分によって決まっており、内容は次のとおりです。
| 継続保有期間の区分 | 進呈されるdポイント | 進呈のタイミング |
|---|---|---|
| 2年以上3年未満 | 1,500ポイント | その区分に到達したとき1回のみ |
| 5年以上6年未満 | 3,000ポイント | その区分に到達したとき1回のみ |
| 同一株主番号での最大 | 4,500ポイント | 2年時+5年時の合計 |
ここで最も重要な点は、このdポイントが毎年もらえるものではないということです。NTTは公式IRのなかで「株主さまへ毎年進呈するものではございません」と明記しています。付与のチャンスは「2年以上3年未満」に到達したときと、「5年以上6年未満」に到達したときの2回だけで、同一の株主番号で保有し続けた場合の生涯の進呈額は、合計で最大4,500ポイント(=4,500円相当)となります。
進呈されるのはdポイントであり、公式に「1ポイント1円としてご利用いただけます」とされています。額面上の価値としては、1,500ポイント=1,500円相当、3,000ポイント=3,000円相当という位置づけです。
優待をもらうための条件
NTTのdポイント進呈を受けるための主な条件は次のとおりです。
- 必要株数:100株(1単元)以上を保有していること
- 基準日:毎年3月31日
- 対象となる保有期間:「2年以上3年未満」または「5年以上6年未満」の2区分のみ
- エントリー:当社規定の方法によるインターネットでの申込みが必要(自動では進呈されない)
注意したいのは、進呈の対象が「2〜3年」と「5〜6年」の2区分に限られている点です。つまり、3〜4年目や、6年目以降は進呈の対象外となります。この点はNTT公式のFAQでも明言されています。「長く持つほど毎年ポイントが増える」という制度ではなく、特定の節目に到達したときだけ進呈される仕組みだと理解しておくことが大切です。
継続保有期間は、株式を購入して初めて株主名簿に記載された日を「起算日」とし、同一の株主番号で連続して記載されている期間で判定されます。株主名簿への記載が確定するのは、毎年3月・6月・9月・12月の各最終営業日です。エントリーには専用サイトのログインID・パスワードが必要で、これらは株式関係の書類に同封して発送されます。エントリー期間は、進呈対象年度のおおむね5月下旬から翌年3月31日までとされています。
必要投資額はいくら?
NTTは1単元=100株から購入できます。直近の株価をもとにした必要投資額の目安は次のとおりです。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 直近終値(2026年7月17日時点) | 151.1円 |
| 単元株数 | 100株 |
| 最低投資額の目安 | 約15,110円(手数料除く) |
最低投資額の目安は、151.1円×100株=約15,110円(手数料を除く。フクロウで計算した参考値)です。1株あたりの株価が低いため、数万円未満から1単元を保有できる水準にあります。ただし株価は日々変動するため、実際に購入する際は最新の株価をご確認ください。
権利確定日とスケジュール
NTTの株主優待に関する基準日は毎年3月31日です。dポイントの進呈を受けるには、基準日時点で株主名簿に記載されているだけでなく、対象となる保有期間(2〜3年・5〜6年)に達していること、そしてエントリーを済ませていることが必要です。
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| 基準日 | 毎年3月31日 |
| 保有期間の判定 | 起算日から「2〜3年」または「5〜6年」に到達しているか |
| エントリー期間 | おおむね5月下旬〜翌年3月31日 |
| 進呈 | エントリー後、順次dポイントが進呈される |
エントリー期間を過ぎると、その年度分の進呈を受けられなくなる点に注意が必要です。
優待の使い方
進呈されるのはdポイントであり、ドコモが提供する共通ポイントサービスの枠組みで利用できます。ポイントは「1ポイント1円」として、dポイントの加盟店やドコモ関連サービスでの支払いに充当できます。
一方で、dポイントは現金と同等ではありません。現金化することはできず、利用先はドコモ経済圏を中心とした加盟店・サービスに限られます。ふだんdポイントやドコモ関連サービスを利用している方であれば使い道は広がりますが、そうでない場合は利用先が限定される点を踏まえて考える必要があります。なお、進呈されるdポイントの有効期限については、公式の株主優待ページでの明記が本記事の確認範囲では確認できませんでした。
配当+優待の実質利回り
NTTは配当も実施しており、株主還元は「配当」と「dポイント進呈(優待)」の2本立てと整理できます。ただし、優待は毎年もらえるものではなく特定の保有期間に一度だけ進呈されるため、配当利回りと単純に足し合わせて「年利」として合算すると実態と乖離します。ここでは配当と優待を分けて示します。
まず配当は次のとおりです。
| 期 | 年間配当(1株) | 区分 |
|---|---|---|
| 2026年度(第42期・2027年3月期) | 5.4円 | 会社予想(16期連続増配予定) |
| 2025年度(第41期・2026年3月期) | 5.3円 | 実績 |
会社予想の1株5.4円をもとにすると、2026年7月17日の株価151.1円時点での配当利回りは3.57%(会社予想ベース)です。100株を保有した場合の年間配当は、5.4円×100株=540円/年(会社予想。フクロウで計算した参考値)となります。
優待(dポイント)については、年換算せず「一時金的なもの」として捉えるのが実態に近い整理です。具体的には、保有2〜3年目に到達したタイミングで1,500円相当、5〜6年目に到達したタイミングで3,000円相当(いずれも1ポイント=1円)が、それぞれ一度だけ加わるイメージです。毎年の利回りに上乗せされ続けるものではない、という点が配当との大きな違いです。
なお、同じ大手通信キャリアであるKDDIも、配当と株主優待の両方を実施しています。配当利回りや優待内容を横並びで比較検討したい方は、KDDI(9433)の株主優待をわかりやすく解説|内容・条件・実質利回りもあわせてご確認ください。

優待の変更履歴
NTTのdポイントによる株主優待は、第三者メディアの報道によれば、2023年に実施された株式25分割(個人投資家の裾野拡大を狙った分割)に前後して新設された制度とされています。ただし、制度が導入された正確な年月や、過去の進呈量の増減、進呈条件の変更の有無については、公式の一次資料では確認できませんでした。
2026年時点で、この株主優待制度が継続していること自体は公式に確認できています。制度の詳細は見直される可能性があるため、最新の進呈条件は必ず公式IRでご確認ください。
こんな人に向いている/向いていない
制度の特徴を踏まえると、NTTの株主優待は次のような考え方の方と相性が整理できます。
向いている傾向
- 数万円以下の少額から1単元を保有したい方
- 短期の売買ではなく、数年単位で継続保有を前提に考えている方
- ふだんからdポイントやドコモ関連サービスを利用しており、ポイントを使い切れる方
- 優待そのものより、配当(増配傾向)を軸に考えたい方
向いていない傾向
- 毎年のように優待品が届くことを期待している方
- 優待を現金や金券のように換金したい方
- dポイントの利用先がなく、ポイントを消化しにくい方
- 短期で売買する予定で、継続保有期間の条件を満たしにくい方
通信セクターのなかで他の選択肢とも比べたい方は、同じ大手通信キャリアであるソフトバンクの優待も候補になります。詳しくはソフトバンク(9434)の株主優待|内容・条件・投資額を解説をご覧ください。

注意点・リスク
NTTの株主優待を検討するうえで、あらかじめ理解しておきたい点を整理します。
- 毎年もらえる優待ではない:進呈は「2〜3年」と「5〜6年」に到達したときの2回のみで、3〜4年目・6年目以降は対象外です(公式FAQ明言)。「毎年もらえる優待株」と誤解しないよう注意が必要です。
- エントリーが必須:条件を満たしても自動では進呈されません。専用サイトでの申込みが必要で、期限を過ぎると失効します。
- 継続保有の起算日ルール:名義変更や売買を挟むと株主番号が変わり、それまでの保有期間がリセットされる可能性があります。
- 換金できない:進呈されるのはdポイントで、現金化はできません。利用先はドコモ経済圏が中心です。
- 有効期限が未確認:進呈されるdポイントの有効期限は、公式優待ページでの明記が本記事の確認範囲では確認できませんでした。
加えて、株価は市場環境によって変動し、配当(会社予想)も業績等により見直される可能性があります。投資額に対するリスクがある点は、他の株式と同様です。
まとめ
NTT(9432)の株主優待は、100株以上を継続保有した株主に対し、「2年以上3年未満」到達時に1,500ポイント、「5年以上6年未満」到達時に3,000ポイントのdポイントが、それぞれ一度だけ進呈される制度です。同一株主番号での生涯最大は4,500ポイント(=4,500円相当)で、毎年もらえるものではない点が最大の特徴です。
最低投資額は約15,110円(2026年7月17日株価151.1円時点・手数料除く)と少額から始められ、配当利回りは3.57%(会社予想ベース)です。優待は年利として配当に単純合算できる性質ではなく、特定の保有期間に到達したときの一時金的な進呈として捉えるのが実態に近い整理といえます。エントリーが必須である点や、dポイントが現金化できない点も含めて、制度の特徴を正確に理解したうえで判断することが大切です。
※本記事は特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。制度・数値は変更される場合があるため、最新情報は必ず公式サイトでご確認ください。



コメント