この記事の判断軸:NTTの優待は、dポイントを実際に使う場面があるか、保有期間に応じた進呈条件を満たせるか、少額の優待と必要資金・株価変動が見合うかで判断します。ポイントを使わない人は、額面をそのまま投資メリットに含めないことが大切です。
NTT(9432)の株主優待は、保有株式数と保有期間に応じてdポイントが進呈される制度です。
100株以上を保有していれば対象になりますが、毎年もらえる優待ではありません。2年以上3年未満の保有で1,500ポイント、5年以上6年未満の保有で3,000ポイントが、それぞれ一度だけ進呈されます。
つまり、NTTを100株買って毎年1,500ポイントを受け取れる制度ではありません。2年目のタイミングで1,500ポイント、5年目のタイミングで3,000ポイントを受け取り、同じ株主番号で得られる合計は最大4,500ポイントです。
この記事では、NTTのdポイントがいつ、どの条件で進呈されるのかを、2026年度の公式案内をもとに説明します。確認日は2026年8月20日です。ポイントの受け取りに必要なエントリー、dアカウント、株主番号が変わるケースも確認します。
NTTの株主優待は「毎年」ではない
NTTのdポイント進呈制度で、最初に押さえたいのは毎年の優待ではないという点です。
基準日時点で100株以上を保有し、保有期間が次の区分に該当した株主が対象です。
| 同一株主番号での保有期間 | 進呈ポイント | 進呈回数 |
|---|---|---|
| 2年以上3年未満 | 1,500ポイント | 1回のみ |
| 5年以上6年未満 | 3,000ポイント | 1回のみ |
| 上記以外 | 進呈なし | – |
2年以上3年未満の期間に1,500ポイントを受け取り、5年以上6年未満の期間に3,000ポイントを受け取ると、合計4,500ポイントになります。
一度2年目のポイントを受け取ったからといって、翌年も1,500ポイントが進呈されるわけではありません。3年以上5年未満の期間や、6年以上保有した期間に、毎年ポイントが追加される制度でもありません。
NTTの株主優待を「長期保有で毎年もらえるdポイント」と紹介すると、制度の実態と違います。ポイントを受け取れるのは、保有期間の節目に限られます。
2026年度の進呈条件
2026年度の基準日は2026年3月31日です。この日に100株以上を保有し、株主名簿への登録日からの期間が次の区分に該当する株主が対象です。
| 株主名簿への登録日 | 2026年3月31日時点の保有期間 | 進呈ポイント |
|---|---|---|
| 2023年4月1日から2024年3月31日 | 2年以上3年未満 | 1,500ポイント |
| 2020年4月1日から2021年3月31日 | 5年以上6年未満 | 3,000ポイント |
2026年度のポイント進呈は、2026年5月29日以降、エントリーした株主に順次行われます。エントリー期間は2026年5月29日午前8時から2027年3月31日午後9時59分までです。
この期限を過ぎると、ポイントは進呈されません。株主名簿に登録されていても、申込をしなければ受け取れない点に注意が必要です。
いつ買えば2年保有になるのか
NTTの保有期間は、証券口座で株式を買った日から単純に数えるわけではありません。株主名簿に最初に登録された日が起算点になります。
NTTの公式ページでは、2026年1月に株式を購入し、2026年3月に株主名簿へ登録された場合、2026年3月から保有期間が始まる例が示されています。この場合、2028年3月31日時点で保有期間が2年となり、dポイント進呈の対象になります。
一方、2026年4月に購入した場合は、2026年6月の最終営業日に株主名簿へ登録される例が示されています。2028年3月31日時点では保有期間が1年9か月となるため、2年以上3年未満の対象にはまだ届きません。2029年3月31日時点で保有期間が2年を超え、対象になる見込みです。
「購入してから2年たったから、すぐポイントがもらえる」とは限りません。いつ株主名簿に登録されたかが分からない場合は、証券会社やNTTの公式FAQを確認してください。
100株でも1,000株でもポイントは同じ
NTTのdポイント進呈は、100株以上を保有していれば、保有株式数によってポイント数が増える制度ではありません。
100株でも1,000株でも、2年以上3年未満なら1,500ポイント、5年以上6年未満なら3,000ポイントです。株数を増やしてもポイントが増えるわけではないため、優待だけを目的に100株を超えて買い増す意味はありません。
保有株数を増やすかどうかは、NTTの配当、株価、事業の成長性、ポートフォリオ全体に占める割合で判断します。dポイントのためだけに500株、1,000株へ増やすと、優待制度の仕組みと合わない投資になります。
ポイントを受け取るにはエントリーが必要
対象株主には、エントリーに必要なログインIDとパスワードが、株式関係書類に同封されて送られます。ポイントは自動的にdアカウントへ入るわけではありません。
受け取りの流れは次のとおりです。
- 対象株主にログインIDとパスワードが郵送される
- 専用のエントリーサイトへログインする
- アンケートに回答する
- 進呈先のdアカウント情報を入力する
- 保有期間に応じたdポイントが入力したdアカウントへ進呈される
NTTからdポイントカードが郵送される制度ではありません。ポイントの進呈先を自分のdアカウントで指定します。
dアカウントが必要
ポイントを受け取るには、dアカウントが必要です。現在dアカウントを持っていない場合は、先にアカウントを作成します。
dポイントは、ドコモの回線契約がない人でも利用できます。d払い、街の加盟店、ネットショッピングなどで、1ポイントを1円相当として使えます。ただし、進呈先としてビジネスdアカウントは利用できません。
NTTの株主であることと、ドコモの携帯電話を契約していることは別の条件です。ドコモユーザーでなければポイントを受け取れない、という制度ではありません。
一方で、家族名義のdアカウントへ進呈できるか、すでに複数のdアカウントを持っている場合にどれを使うかなど、入力時の条件は公式案内に従う必要があります。登録するアカウントを間違えると、ポイントの移動が難しくなる可能性があります。
株主番号が変わると保有期間がリセットされる可能性がある
NTTの保有期間は、同一の株主番号で株主名簿に連続して記載された期間です。株主番号が変わると、過去の保有期間が引き継がれない可能性があります。
公式FAQでは、次のようなケースが保有期間のリセット例として挙げられています。
- 株式を一度すべて売却し、その後に買い戻した
- 相続によって株式を受け取った
- 貸株サービスを利用して株主番号が変わった
- 預入先の証券会社を変更して株主番号が変わった
株式を売却していなくても、貸株や証券会社の変更で株主番号が変わる場合がある点は見落としやすいところです。長期保有を前提にするなら、貸株サービスを利用する前に、dポイントの保有期間へ影響するかを確認してください。
証券会社の画面に「保有期間」が表示されていても、NTTが管理する株主番号まで正しく表示されるとは限りません。制度の対象になるかどうかは、最終的に株主名簿の記録によって判断されます。
3年から5年の間はポイントがない
NTTの制度では、2年以上3年未満で1,500ポイントを受け取り、5年以上6年未満で3,000ポイントを受け取ります。3年以上5年未満の保有期間に、毎年ポイントがもらえるわけではありません。
たとえば2024年3月に株主名簿へ登録された場合、2026年3月末の基準日で2年以上3年未満に該当し、1,500ポイントが進呈される可能性があります。その翌年、2027年3月末は3年以上4年未満となるため、通常はこの制度によるポイント進呈はありません。2029年3月末に5年以上6年未満となったとき、3,000ポイントの対象になります。
この空白期間があるため、ポイントを毎年の優待収入として家計計画に組み込むことはできません。ポイントを受け取れる年と受け取れない年を分けて考えてください。
6年以上保有しても追加ポイントはない
5年以上6年未満の区分で3,000ポイントを受け取ったあと、6年以上保有しても毎年3,000ポイントが進呈されるわけではありません。
NTT公式ページには、同一株主番号で得られる最大のポイント数は4,500ポイントと記載されています。2年目の1,500ポイントと5年目の3,000ポイントを合計した金額です。
「長期保有すればするほどポイントが積み上がる」と考えると、実際より優待価値を大きく見積もることになります。6年目以降も保有する場合は、dポイントではなく、配当や事業への投資価値を中心に考える必要があります。
dポイントは何に使えるのか
dポイントは、1ポイント1円相当で利用できます。ドコモのサービス料金、コンビニ、カフェ、ネットショッピングなど、対応するサービスや店舗で使えます。
ポイントの使い道が広いことは、紙の商品券より管理しやすい点です。NTT株を持っているからといって、ドコモの携帯電話料金だけにしか使えないわけではありません。
ただし、dポイントには通常ポイントと期間・用途限定ポイントなど、種類によって利用条件が異なる場合があります。進呈されたポイントの有効期限や利用対象サービスは、dポイントの公式ページで確認してください。
ポイントを受け取った時点で現金になるわけではありません。dポイントを利用できるサービスで使う予定がない人は、4,500ポイントをそのまま投資利益として扱わないほうが安全です。
必要投資額と優待利回りの考え方
NTTの株主優待は100株以上で対象になり、株数によるポイント差はありません。そのため、優待利回りは100株を基準に考えます。
計算式は次のとおりです。
優待利回り=その保有期間で受け取るポイント÷100株の購入金額×100
2年以上3年未満の1,500ポイントを、100株の購入金額で割ります。5年以上6年未満の3,000ポイントについても同じように計算します。ただし、毎年受け取るポイントではないため、単年度の優待利回りとして表示すると誤解が出ます。
2年目と5年目のポイントを合計した4,500ポイントを、購入から5年以上の期間で割って年平均に直すと、毎年の優待価値は900ポイント相当です。これは単純化した平均であり、実際には2年目と5年目に分かれて進呈されます。
たとえば株価が150円なら、100株の投資額は15,000円です。合計4,500ポイントを受け取れる場合、投資額に対する合計割合は30%になります。ただし、株価が変動すること、ポイントが一度に毎年入るわけではないこと、同じ株主番号の維持が必要なことを含めて評価する必要があります。
このように、NTTの優待利回りは、一般的な年率利回りと同じ感覚で表示しにくい制度です。「毎年1,500ポイント」「優待利回り10%」のような表現を見たら、進呈回数と計算期間を確認してください。
NTTの株主優待が向いている人
次のような人なら、制度を活用しやすいでしょう。
- NTT株を100株以上、長期で保有する予定がある
- dポイントを普段から使っている
- ドコモ回線の料金やd払いなどでポイントを使える
- 2年目と5年目の節目まで株主番号を維持できる
- ポイントの申込手続きを忘れずにできる
- 優待を毎年の収入ではなく、節目に受け取る特典として考えられる
反対に、短期売買を前提にしている人、貸株や証券会社の変更を頻繁に行う人、dポイントを使わない人には、ポイント目的の投資は向いていません。
NTTの株主優待に向いていない人
NTTのdポイントは、毎年決まった金額を受け取れる優待ではありません。配当のように毎年の収入を作りたい人には、制度の使い勝手が異なります。
また、100株より多く保有してもポイントは増えません。優待を目的に300株や500株へ買い増すと、増えた資金に対してポイントが増えない状態になります。
株主番号の維持に不安がある人も注意が必要です。貸株サービスの利用や口座移管が必要な場合は、長期保有特典を確実に受け取れるとは考えず、公式FAQで確認してから手続きを進めてください。
購入時期ごとの進呈時期を考える
NTTのdポイントは、購入からちょうど24か月後に機械的に進呈されるものではありません。毎年3月31日の基準日に株主名簿へ記載され、その時点で保有期間の区分に入っているかを確認します。
たとえば、2026年1月に購入して同年3月に株主名簿へ登録された場合、2028年3月31日に2年以上となります。この場合は、2026年度ではなく、2028年度の進呈対象になる可能性があります。
2026年4月に購入した場合は、株主名簿への登録が2026年6月の最終営業日になる例が公式ページに示されています。2028年3月31日ではまだ1年9か月なので、2年以上3年未満の条件に届きません。2029年3月31日に2年以上となるため、2029年度の対象になる見込みです。
購入日だけを見て「2028年にポイントがもらえる」と決めるのではなく、株主名簿に登録される時期と、3月31日の基準日をセットで考えてください。権利確定日をまたぐタイミングによって、最初の進呈時期は変わります。
株式分割後の株数と優待条件
NTTは過去に株式分割を実施しています。株式分割が行われると、証券口座に表示される株数は増えますが、株主優待の説明にある「100株以上」という条件を、過去の資料の株数と混ぜてはいけません。
現在の公式案内では、100株以上を保有していることが対象条件です。また、100株より多く保有してもポイント数は変わりません。古い記事に「分割前の株数で何株必要」と書かれている場合は、その情報がどの時点の制度を説明しているのか確認してください。
株式分割によって保有株数が変わった場合でも、保有期間の判定は株主名簿への登録と同一株主番号の継続によって行われます。株数の表示が増えたことと、保有期間が新しく始まることは別の話です。
dポイントの価値を過大評価しないために
dポイントは1ポイント1円相当で使えますが、ポイントを受け取るまでには時間があります。2年目の1,500ポイントを受け取るために、株式を2年以上保有し、基準日に100株以上を保ち、案内が届いた後にエントリーしなければなりません。
この仕組みは、購入直後に値引きを受けられる株主優待とは違います。ポイントを受け取る前に株価が下落した場合、1,500ポイントや3,000ポイントを受け取っても、株式の評価損のほうが大きくなる可能性があります。
優待の価値を考えるときは、次の3つを分けてください。
- 将来受け取れるポイントの額
- そのポイントを受け取るまでの保有期間
- 保有中に生じる株価変動と配当
この3つを一つの「優待利回り」にまとめると、制度の特徴が見えにくくなります。NTTの場合は、ポイントを受け取れる年と受け取れない年があるため、ポイントの受取額を時系列で見るほうが実態に近い評価になります。
保有期間を記録しておく方法
長期保有の条件を狙う人は、購入日だけでなく、次の情報を記録しておくと管理しやすくなります。
- NTT株を最初に購入した日
- 最初に株主名簿へ登録された基準日
- 証券会社や口座を変更した日
- 貸株サービスを利用した期間
- 2年以上の進呈対象になる予定の年度
- 5年以上の進呈対象になる予定の年度
- エントリーIDとパスワードが届いた日
- エントリーを完了した日
ただし、個人の記録はあくまで管理用です。株主番号が変わったかどうかを自分の取引履歴だけで確定することはできません。売却、相続、貸株、証券会社の変更を行ったときは、長期保有の扱いをNTTの公式FAQで確認してください。
エントリー期限も管理が必要です。2026年度は2027年3月31日午後9時59分までですが、年度によって日付が変わる可能性があります。過去の期限をそのまま使わず、その年の案内に記載された期限を優先してください。
配当目的の保有と優待目的の保有を分ける
NTTを保有する理由が配当や事業への投資であれば、dポイントは追加の特典として考えられます。この場合、2年目や5年目のポイントを受け取れなくても、配当や株価の見通しが保有理由として残ります。
一方、dポイントだけが目的なら、100株を超えて保有する必要はありません。保有株数でポイント数が増えないため、優待目的の投資資金は100株分で足ります。ポイントの進呈まで長期間待つことも踏まえると、購入前に「dポイントがなくてもこの株を持ちたいか」を考えることが重要です。
NTTの株主優待は、短期的な割引を受ける制度ではありません。長期保有を促す設計であり、制度を利用する人にも、株価変動と資金拘束を受け入れる必要があります。
ポイント進呈に関するトラブルを避ける
ログインIDやパスワードが届かない場合、すぐに対象外と決めつける必要はありません。保有期間の判定、株主名簿への登録、住所の登録状況、株主番号の変更など、複数の原因が考えられます。
住所変更を証券会社へ届け出ていない場合、株式関係書類が届かないことがあります。住所や名義の変更がある人は、証券会社の登録情報を確認してください。
また、IDとパスワードは口頭で案内されず、再発行にも申込期限があります。期限直前に問い合わせると、郵送の時間が足りなくなる可能性があります。書類を紛失した場合は、公式FAQに記載された再発行方法と申込期限を早めに確認してください。
ポイントの進呈先を間違えた場合も、別のdアカウントへ自由に移せるとは限りません。dアカウントのIDを入力するときは、普段使っているアカウントかどうかを確認し、入力後の画面を保存しておくと安心です。
よくある誤解
NTTを100株買えば毎年1,500ポイントもらえる?
毎年ではありません。2年以上3年未満の保有期間に1,500ポイント、5年以上6年未満の保有期間に3,000ポイントが、それぞれ一度だけ進呈されます。
100株より多く買えばポイントが増える?
増えません。100株以上であれば、保有株式数によるポイント差はありません。
dポイントカードが郵送される?
郵送されるのは、エントリーに必要なログインIDとパスワードなどの案内です。ポイントは、エントリーサイトで指定したdアカウントへ進呈されます。
ドコモユーザーでないと受け取れない?
ドコモの携帯電話契約が必須という制度ではありません。dアカウントを用意し、公式の手続きでポイントの進呈先を指定します。
6年以上保有すれば毎年3,000ポイントもらえる?
もらえません。同一株主番号で受け取れる最大は4,500ポイントです。2年目と5年目の進呈後、6年以上保有してもこの制度のポイントは追加されません。
公式情報
進呈条件、エントリー期限、必要書類は年度によって変更される場合があります。購入前と申込前に、最新の公式情報をご確認ください。
まとめ
NTT(9432)の株主優待は、100株以上を保有する株主に、保有期間の節目でdポイントを進呈する制度です。
2年以上3年未満で1,500ポイント、5年以上6年未満で3,000ポイントを受け取れます。ただし毎年の進呈ではなく、同じ株主番号で受け取れる合計は最大4,500ポイントです。
ポイントを受け取るには、対象株主へ送られるログインIDとパスワードを使い、エントリーサイトで手続きします。dポイントカードが郵送されるわけではなく、dアカウントが必要です。
NTT株を優待目的で買う場合は、100株を超えてもポイントが増えないこと、株主番号が変わると保有期間がリセットされる可能性があることを確認してください。dポイントを普段から使い、2年目と5年目まで長期保有する人にとっては検討しやすい制度ですが、毎年の優待収入を求める人には向いていません。
最終更新日:2026年8月20日
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