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iDeCoの拠出限度額引き上げはいつから?区分別の上限と退職後の扱い

2026 10/23
お金と制度
2026年10月18日2026年10月23日
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  3. iDeCoの拠出限度額引き上げはいつから?区分別の上限と退職後の扱い
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最終更新: 2026年10月時点(掲載している制度の内容と数値は、2026年10月18日に厚生労働省・国民年金基金連合会・e-Gov法令検索・国税庁の資料から取得したものです)

iDeCo(個人型確定拠出年金)の拠出限度額は、2026年12月分の掛金から引き上げられます。口座から引き落とされる月で数えると、2027年1月からです。企業年金のない会社員の上限は月23,000円から62,000円へ、自営業者やフリーランスなど国民年金の第1号被保険者は月68,000円から75,000円へ上がります。

上限が上がっても、掛金は自動では増えません。増やしたい人は自分で掛金額の変更を届け出る必要があり、オンラインのe-iDeCoで手続きできるのは2026年12月1日〜24日です。この増額には、通常は1年に1回とされる掛金変更の回数に数えない特例があります。

退職やFIREを控えた人には、ほかにも確かめておきたい点があります。会社員から第1号に変わるときの届出、国民年金保険料の免除を受けたときの加入資格、所得がない年の掛金の控除、新しくできる60歳以上の区分の4つです。

目次

iDeCoの限度額引き上げはいつから?2026年12月分の掛金から、引き落としは2027年1月

新しい上限は、2026年12月分の掛金から使えます。iDeCoの掛金は翌月に口座から引き落とされるため、引き落としの月でいえば2027年1月分からです。厚生労働省のチラシも、2026年12月分と2027年1月引き落とし分を見出しで併記しています。

「2026年12月から」と「2027年1月から」の2通りの書き方が出回っているのは、掛金の対象月と引き落とし月のどちらで数えるかの違いと読めます。国民年金基金連合会の案内では、iDeCoの1年(拠出単位期間)は12月分から翌年11月分の掛金、引き落とし月でいえば1月から12月の期間です。

引き落とし日については、松井証券の告知では2026年12月分の掛金を2027年1月26日(火)に引き落とすとしています。厚生労働省と国民年金基金連合会の資料には引き落とし「日」の記載がないため、日付は加入している運営管理機関の案内で確かめることになります。

根拠となるのは、令和7年法律第74号(社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律)と、2025年12月24日に公布された国民年金基金令等の一部を改正する政令(令和7年政令第442号)です。施行日は2026年12月1日で、iDeCoの規約も同じ日から新しい上限に変わります。厚生労働省の通知は、令和7年度税制改正の大綱で確定拠出年金の拠出限度額の見直しが決まったことを、改正の理由の一つに挙げています。

(出典: 厚生労働省 チラシ「2026年12月(2027年1月引き落とし分)から iDeCoの拠出限度額と加入可能年齢が引き上げられます。」https://www.mhlw.go.jp/content/12500000/001726959.pdf 、厚生労働省年金局長通知 年発1224第1号 2025年12月24日 https://www.mhlw.go.jp/content/12500000/001621974.pdf 、国民年金基金連合会「個人型年金規約の一部を変更する規約」2026年9月30日公告 https://www.ideco-koushiki.jp/library/pdf/koukoku_20260930.pdf 、松井証券 2026年8月31日 https://www.matsui.co.jp/news/2026/detail_0731_01.html )

区分別の新しい上限、改正前と改正後の比較

iDeCoの上限は、加入者の区分ごとに規約第75条で定められた額です。どの区分の上限を使うかは、その月の末日にどの区分にいるかで判定します。改正前と改正後を並べると次のとおりです。

区分(月額) 改正前 改正後 増減
第1号加入者・第4号加入者(任意加入被保険者) 68,000円(国民年金基金の掛金・付加保険料と合算) 75,000円(同) +7,000円
第2号加入者(企業年金なし) 23,000円 62,000円 +39,000円
第2号加入者(企業型DCに加入) 20,000円(事業主掛金が35,000円を超える月は減額) 62,000円から事業主掛金を引いた額 会社の掛金で変わる
第2号加入者(DBなど他制度に加入) 20,000円(他制度掛金相当額が35,000円を超える場合は減額) 62,000円から他制度掛金相当額(企業型DCの事業主掛金があれば合算)を引いた額 会社の掛金で変わる
公務員(共済) 20,000円 54,000円(62,000円−共済掛金相当額8,000円) +34,000円
私学共済 20,000円 55,000円(62,000円−掛金相当額7,000円) +35,000円
第3号加入者 23,000円 23,000円 変更なし
第5号加入者(60歳以上70歳未満・新設) なし 62,000円(企業年金等があれば第2号と同じ方式で差し引く) 新設

(出典: 国民年金基金連合会「個人型年金規約の一部を変更する規約」新旧対照表 第75条、厚生労働省チラシ。公務員・私学共済の改正後の金額は、チラシに記載の共済掛金相当額(公務員月8,000円、私学共済月7,000円)を62,000円から引いたにーと試算。増減の列もにーと試算)

増え幅が最も大きいのは、企業年金のない会社員です。月23,000円から62,000円へ上がり、月額上限を12か月分積み上げると年276,000円から744,000円になります(にーと試算)。

企業年金がある会社員は、上限が一律ではなくなります。62,000円から会社の掛金を引いた残りが、iDeCoに出せる額です。引く対象は企業型DCの事業主掛金とDBなどの他制度掛金相当額の合計で、会社の掛金が多い人ほどiDeCoの枠は小さくなります。他制度や共済の区分では、引いた結果がマイナスになる場合は0円です。厚生労働省のチラシによると、企業年金がある会社員の増額は最大4.2万円です。

企業型DCの上限も、月5.5万円から6.2万円に引き上げられます。厚生労働省の通知は、この6.2万円の枠のうち会社の掛金で使っていない部分をiDeCoで埋められるようにする、と説明しています。企業型DCに加入している人がiDeCoに入るには、企業型DCのマッチング拠出(加入者掛金)を使っていないことが条件で、iDeCoの最低掛金は月5,000円です。

(出典: 厚生労働省「企業型DCの拠出限度額が5.5万円から6.2万円に引き上げられます!」https://www.mhlw.go.jp/content/12500000/001739467.pdf )

第1号加入者の75,000円は、国民年金基金の掛金や付加保険料と合わせた上限です。国民年金基金に入っている月は75,000円から基金の掛金を引いた額、付加保険料(月400円)を納めている月は75,000円から400円を引いた額が、iDeCoの上限になります。国民年金基金の側の上限も、iDeCoとの合算で月68,000円から75,000円に引き上げられます。国民年金基金連合会の特例の案内表では、付加保険料を納めている人の増額後の掛金の範囲は68,000円以上74,000円以下です。

第1号・第4号加入者の上限が使えるのは国民年金保険料の納付月だけで、それ以外の月の上限は0円です。産前産後の免除を受けた月などは、規約上は納付月として扱われます。第3号加入者の上限は月23,000円のまま変わりません。

掛金を増やす手続き、書面とe-iDeCoの受付期間

上限の引き上げに合わせて掛金を増やすには、加入者が自分で掛金額の変更を届け出ます。厚生労働省のチラシでは、2026年12月分(2027年1月引き落とし分)からの変更について、運営管理機関で2026年9月頃から受付を始める予定としています。オンラインのe-iDeCoで手続きできるのは2026年12月1日〜24日です。

施行日より前に届け出られるのは、規約の附則第3条に根拠があるためです。第1号・第2号・第4号加入者が、改正前の上限を超える額へ初めて引き上げる場合は、施行日前でも変更届を出せます。その届出は、施行日の2026年12月1日に出されたものとみなされます。上限が23,000円のまま変わらない第3号加入者は、この事前の届出の対象に含まれていません。

国民年金基金連合会の案内に挙がっている書面の様式は、事前受付専用の「加入者掛金額変更届【令和8年12月施行事前受付専用】」、通常の加入者掛金額変更届(K-009A号・K-009D号)、加入者登録情報変更届(K-032A号)です。

受付期間や締切は、運営管理機関ごとに決まっています。松井証券のFAQに書かれている内容は次のとおりです。

  • 郵送での事前受付: 2026年9月〜10月。締切は10月30日(金)必着
  • オンラインでの通常の変更手続き: 2026年12月1日(火)〜24日(木)に手続きすると、2026年12月分の掛金(2027年1月26日引き落とし分)から適用される予定
  • 事前受付で手続きしても、適用は2026年12月分の掛金から
  • オンラインと郵送の両方で手続きすると、正しく処理されない可能性がある

(出典: 松井証券FAQ「2026年12月のiDeCoの制度改正では何が変わりますか。」2026年9月28日更新 https://support.matsui.co.jp/faq/show/56257 )

10月30日の締切は松井証券のもので、ほかの運営管理機関の書面の締切が同じとは限りません。e-iDeCoを使えるかどうかも運営管理機関によって異なる、と厚生労働省のチラシに注記があります。同じチラシには、手続きの内容によっては2026年12月分の掛金に反映できない場合がある、とも書かれています。12月25日以降にe-iDeCoで手続きした場合にどの月の掛金から反映されるかは、厚生労働省と国民年金基金連合会の資料に記載がありません。

掛金を月ごとに決める月別指定(年単位)拠出を使っている人は、手順が一つ増えます。松井証券のFAQでは、上限の引き上げを使うには拠出方法を毎月定額に変える必要があるとしています。毎月定額への切り替えだけを行う場合や、切り替えと改正前の上限の範囲内での金額変更だけを行う場合は、通常の年1回の掛金変更として数えられ、次の特例の対象になりません。

年1回の変更回数に数えない特例、使える条件

iDeCoの掛金額は、上限の範囲内で1年に1回変更できます。この1年は拠出単位期間のことで、12月分から翌年11月分の掛金を指します。今回の引き上げでは、この回数に数えない特例が設けられました。

特例の期間は2026年12月1日〜2027年11月30日で、運営管理機関が受け付けた日で判定します。期間内に、改正前の上限より多い額へ初めて増額する場合、その変更は年1回の回数に数えません。特例になるかどうかは、変更後の掛金額で決まります。

区分 変更後のiDeCoの掛金額がこの範囲なら特例
第1号・任意加入(国民年金基金に加入) 国民年金基金の掛金月額とiDeCoの掛金額の合計が69,000円以上75,000円以下
第1号・任意加入(付加保険料を納付) 68,000円以上74,000円以下
第1号・任意加入(上のどちらにも当たらない) 69,000円以上75,000円以下
第2号・企業年金制度なし 24,000円以上62,000円以下
第2号・企業型DCのみ、または企業型DC+DB 現在の掛金額を超え、61,000円以下
第2号・DBのみ 現在の掛金額を超え、61,000円以下
国家公務員共済・地方公務員共済 21,000円以上54,000円以下
私学共済 21,000円以上55,000円以下
企業型DCやDB等+私学共済 現在の掛金額を超え、54,000円以下

(出典: 国民年金基金連合会「iDeCoの拠出限度額の引き上げ(2026年12月施行)による加入者掛金額変更(増額)の特例のご案内」2026年8月 https://www.ideco-koushiki.jp/library/pdf/notice202612-01.pdf )

企業年金のない会社員なら、24,000円以上62,000円以下に増やせば特例になります。下限の24,000円は改正前の上限23,000円を1,000円上回る額なので、上限いっぱいまで増やさなくても対象になります。企業型DCやDBがある会社員は、今の掛金より多く、61,000円以下であることが条件です。

新設の第5号加入者は、規約の附則第5条でこの特例の対象から外されています。対象は改正前の上限を超えて「初めて」引き上げる変更に限られるため、特例期間中に2回目の増額をすれば、それは通常の年1回の変更として数えられると考えられます。反対に、特例による1回目の増額は回数に数えないので、同じ拠出単位期間の通常の1回は別に残る計算です(いずれも規約の文面からの読み取り)。

退職して第1号に変わる人の届出と、新しい上限

会社員(第2号)がiDeCoに入ったまま退職し、国民年金の第1号被保険者になると、iDeCoの加入区分も第1号に変わります。このとき運営管理機関に出す書類は「加入者被保険者種別変更届(第1号被保険者用)(K-010A)」です。国民年金基金連合会は、加入区分の変更を届け出ないと掛金の口座振替が一時停止になることがあると案内しています。

区分が変われば上限も変わるため、掛金を変えたい人は、加入区分の変更とあわせて掛金額の変更の届出が必要です。区分の変更に伴う掛金の変更は、規約第74条第5項で年1回の変更回数に算入しないと定められています。退職を機に掛金を変えても、その年の通常の1回は使わずに済みます。

2026年12月分以降に第1号として掛金を出す場合、上限は月75,000円です。企業年金のない会社員だったときの62,000円より13,000円多く、2026年11月分までの第1号の上限68,000円と比べても7,000円多い額です(にーと試算)。上限は月の末日の区分で決まるので、2026年11月の末日の時点で第1号になっている人は、11月分が68,000円、12月分からが75,000円になります。

(出典: 国民年金基金連合会「退職・転職等」https://www.ideco-koushiki.jp/retirement/ 、「加入者の方へ(各種変更届について)」https://www.ideco-koushiki.jp/join/ 、規約新旧対照表 第74条第5項・第75条)

退職後に第2号から第1号へ切り替える国民年金の手続きと、保険料の免除・猶予制度の概要は、別の記事にまとめました。

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FIRE・退職後の国民年金の切り替え手続き|第2号から第1号へ、14日以内にやること・必要書類を実務目線... 会社員を辞めてFIRE・サイドFIREへ移行するとき、厚生年金(第2号被保険者)から国民年金(第1号被保険者)への切り替えが必要になります。手続きの期限・窓口・必要書類、配偶者の切り替え、保険料の納付方法、免除・猶予制度の概要まで、実務目線で整理します。

国民年金保険料の免除を受けると、iDeCoの加入資格を失う

第1号被保険者としてiDeCoに掛けられるのは、国民年金保険料を納めている人だけです。生活保護の生活扶助による免除、申請による全額免除と一部免除、学生の納付特例を受けている人は「保険料免除者」とされ、第1号の加入者になれません(確定拠出年金法第62条第1項第1号。国民年金法第89条第1項第2号・第90条第1項・第90条の2第1項〜第3項・第90条の3第1項。2026年10月時点の条文)。

加入中に保険料免除者になると、加入資格を失います。資格を失う日は、保険料を納めなくてよいとされた月の初日です。国民年金基金連合会も、国民年金保険料の納付を本人の申請で免除されたときを、加入者資格喪失届(K-015)を出す場面に挙げています。資格を失えば、その間はiDeCoに掛金を出せません。改正後の75,000円の枠も使えなくなります。

例外として、産前産後の保険料免除(国民年金法第88条の2)を受けた月は、規約上「国民年金保険料納付月」に含まれます。

50歳未満の人が使える納付猶予の期間中に掛金を出せるかどうかは、確定拠出年金法第62条の条文にも、国民年金基金連合会のFAQにも明記がありません。FAQは、第1号加入者の対象から国民年金保険料の免除などを受けている人を除くと書いていますが、納付猶予がこの「など」に入るかは読み取れないため、運営管理機関への確認が必要です。

(出典: 確定拠出年金法 第62条 e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/api/1/articles;lawId=413AC0000000088;article=62 、国民年金基金連合会「加入者の方へ(各種変更届について)」https://www.ideco-koushiki.jp/join/ 、同「よくある質問」https://www.ideco-koushiki.jp/faq/ 、規約新旧対照表 第71条・第75条)

FIRE後の所得が少ない時期に国民年金保険料の免除を申請するかどうかは、iDeCoを続けられるかどうかと切り離せません。免除・猶予の期間が年金額にどう反映されるかの注意点は、リーンFIREの年金額を退職年齢別に試算した記事で触れています。

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リーンFIREで年金はいくら減る?退職年齢別の試算と国民年金の注意点 リーンFIREで早期に会社員を辞めると、将来の老齢厚生年金(報酬比例部分)はどの程度小さくなるのでしょうか。本記事では日本年金機構の計算式をもとに、「25歳・30歳・35歳…」と退職年齢(加入年数)別に受給額の試算例を整理し、基礎年金への影響もあわせて中立的に解説します。

所得がない年は、掛金を払っても所得税は減らない(条文からの推論)

iDeCoの掛金は、所得税法第75条の小規模企業共済等掛金控除の対象です。支払った金額をその年の総所得金額・退職所得金額・山林所得金額から差し引く仕組みで、国税庁によると控除額は支払った掛金の全額です。個人で掛金を払い込んでいる加入者には、毎年10月に「小規模企業共済等掛金払込証明書」が届き、確定申告や年末調整の際に添付します。

第75条は所得金額「から控除する」と定めているだけで、控除しきれなかった分を翌年以降に繰り越す規定を置いていません。そのため、所得がゼロの年や、ほかの控除だけで課税所得がゼロになる年は、iDeCoに掛金を払っても所得税は減らないと考えられます。これは条文から導いた推論です。

FIRE後に課税される所得がほとんどない年が続く見込みなら、第1号の上限75,000円まで掛金を増やしても、所得税の軽減はわずかか、まったく得られない可能性があります。増額を決める前に見積もりたいのは、その年に掛金を差し引ける所得がどれだけあるかです。

(出典: 所得税法 第75条 e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/340AC0000000033 、国税庁 タックスアンサーNo.1135 小規模企業共済等掛金控除(令和8年4月1日現在法令等)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1135.htm 、国民年金基金連合会「よくある質問」)

60歳以上70歳未満の新しい区分「第5号加入者」の要件

2026年12月から、60歳以上70歳未満で国民年金の被保険者でない人が入れる第5号加入者が新設されます。対象は、①iDeCoの加入者、②iDeCoの運用指図者、③企業年金からiDeCoに資産を移す人のいずれかに当たり、老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付金を受け取っておらず、マッチング拠出をしていない人などです。

上限は月62,000円で、企業年金等がある人は企業年金等と合わせて62,000円までです。老齢基礎年金を繰り下げて老齢厚生年金を受け取っている人は加入できます。老齢基礎年金かiDeCoの老齢給付金を受け取った人は加入できません。70歳になると資格を失います。

60歳の前にFIREして国民年金に任意加入しない人も、60歳以降にiDeCoの加入者か運用指図者であり、老齢基礎年金とiDeCoの老齢給付金をまだ受け取っていなければ、第5号として70歳になるまで掛金を出せると読めます。ただし、厚生労働省の別の資料(iDeCoの加入可能年齢の引き上げ)は、加入できなくなる条件を「施行日までに」老齢基礎年金などを受け取った場合と書いており、チラシの文言と一致していません。年金を受け取り始める時期と第5号への加入を両方考えている人は、運営管理機関に確かめてから決めるほうが確実です。

厚生労働省の通知によると、第5号の掛金は1か月ごとに区切った期間ごとに出す決まりです。月をまとめて出す年単位の拠出は使えないと読めます。

経過措置もあります。2029年11月末までは、上の①〜③に当たらない人も加入を申し出ることができ、その対象は日本国内に住む60歳以上70歳未満のうち、次のどちらかに当てはまる人です(企業型DCの掛金を出している人などを除く)。一つは、2026年12月1日の時点で改正後の規約第30条第1項〜第5項の加入要件のいずれにも当たらず、同日までの間に国民年金の被保険者だった人です。もう一つは、2026年12月1日から1年以内に、同条第1項〜第4項の加入要件に当たらなくなった人。

第5号として加入するには、改めて手続きが必要です。松井証券のFAQでは、手続きの開始は2026年12月からとしています。

(出典: 厚生労働省チラシ 2ページ、厚生労働省「iDeCoの加入可能年齢の引き上げ」https://www.mhlw.go.jp/content/12500000/001597572.pdf 、厚生労働省年金局長通知 年発1224第1号、規約新旧対照表 第30条・附則第2条)

受け取るときの税金、一時金と年金で控除が違う

iDeCoの受け取りを始められるのは60歳から75歳の間です。一時金で受け取るか年金で受け取るかで、税金の扱いが分かれます。

一時金で受け取ると、退職手当等とみなされて退職所得になります。退職所得の金額は(収入金額−退職所得控除額)×1/2で、退職所得控除額は勤続年数20年以下なら40万円×年数(80万円に満たない場合は80万円)、20年超なら800万円+70万円×(年数−20年)です。

会社の退職金とiDeCoの一時金を別の年に受け取る場合は、受け取る順番で扱いが変わります。所得税法施行令第70条は、前に受け取った分と期間が重なるかを見る範囲を、次のように区切っています。

  • iDeCoの一時金を先に、会社の退職金を後に受け取る場合: 退職金を受け取る年の前年以前9年内(2026年1月1日以後に受け取ったiDeCoの一時金が対象)
  • 会社の退職金を先に、iDeCoの一時金を後に受け取る場合: 一時金を受け取る年の前年以前19年内

どちらにも当たらない場合は前年以前4年内です。FIREで40代に会社の退職金を受け取った人は、60代でiDeCoを一時金で受け取るときにこの19年内に入ることがあります。45歳で退職金を受け取り、60歳でiDeCoの一時金を受け取るなら、間は15年です(にーと試算)。この場合、iDeCoの一時金の計算のもとになる期間のうち、会社の退職金の勤続期間と重なる部分があれば、退職所得控除の計算で調整の対象になります。

年金で受け取ると、公的年金等として雑所得になり、公的年金等控除の対象です。公的年金等以外の合計所得金額が1,000万円以下の人では、控除額の最低額が65歳未満で60万円、65歳以上で110万円です。65歳以上かどうかは、その年の12月31日時点の年齢で判定します。

(出典: 所得税法 第31条・第35条、所得税法施行令 第70条・第72条・第82条の2、租税特別措置法 第41条の15の3 e-Gov法令検索、国税庁 タックスアンサーNo.1420 退職金を受け取ったとき https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1420.htm 、厚生労働省チラシ)

会社の退職金にかかる住民税を給与の分と分けて考える方法は、FIRE後の住民税をまとめた記事で扱っています。

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2026年12月までに確かめること、区分別

  • 企業年金のない会社員・第1号で増額したい人: 運営管理機関の書面の締切(松井証券は10月30日必着)までか、e-iDeCoの12月1日〜24日に手続きできる。松井証券は、オンラインと郵送の両方で手続きすると正しく処理されない可能性があるとしている
  • 企業型DCやDBがある会社員: 会社の掛金の額を確かめる。62,000円からその額を引いた残りが、iDeCoの上限になる
  • 月別指定(年単位)拠出の人: 毎月定額への切り替えが必要かを運営管理機関の案内で見る
  • 2026年中に退職して第1号になる人: K-010Aの届出が必要。掛金を変える場合は掛金額の変更の届出もあわせて必要。国民年金保険料の免除を受けると加入資格を失う
  • 60歳以上で国民年金の被保険者でない人: 第5号の要件と、老齢基礎年金・iDeCoの老齢給付金の受け取り状況を確かめる。手続きは12月から

国民年金基金連合会のサイトのFAQや各種変更届のページは、2026年10月時点では2026年11月分までの(改正前の)上限で書かれています。12月分からの上限は、規約の新旧対照表と厚生労働省のチラシで確かめられます。この記事の数値は2026年10月時点で取得したもので、受け取り方の選択や税の具体的な計算は、税理士やファイナンシャルプランナーなどの専門家にも相談してください。

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