サイドFIREして6年。「毎日何してるの?」「暇じゃない?」と聞かれることが今でもある。正直に言うと、正社員時代より忙しいと感じる日すらある。ただ、その「忙しさ」の質がまったく違う。
この記事では、40代・年収350万・資産3,000万でサイドFIREした私の、リアルな1日の過ごし方を書いていく。週3日バイトに出る日と、完全に自由な週4日。その両方を時間軸で並べてみた。
セミリタイアやFIREに興味がある人が「実際のところどうなの?」を判断する材料になればと思う。
正社員時代の1日 — まずはビフォーから
比較のために、まずサイドFIRE前の正社員時代のスケジュールを振り返っておく。
当時は片道50分の電車通勤だった。フルタイム勤務で、月の残業は20時間くらい。特別ブラックではなかったけれど、帰宅後に自分の時間を確保するのは難しかった。
| 時間帯 | やっていたこと |
|---|---|
| 6:30 | 起床・準備 |
| 7:20 | 家を出る |
| 8:10 | 出社 |
| 8:30〜17:30 | 勤務(+残業1〜2時間) |
| 19:00〜19:30 | 帰宅 |
| 19:30〜21:00 | 夕食・入浴 |
| 21:00〜23:00 | テレビ・スマホ(疲れて何もできない) |
| 23:00 | 就寝 |
厚生労働省の「毎月勤労統計調査」によると、一般労働者の月間実労働時間は約160時間前後で推移している。通勤時間を含めると、平日のうち10〜11時間を仕事に費やしている計算だ。私も例外ではなかった。
自由に使える時間は、平日だと実質2時間程度。疲れた状態でその2時間を過ごしていた。投資の勉強やブログの更新をしたいと思っても、ソファに座ったらそのまま動けない日がほとんどだった。
【バイトの日】週3日のスケジュール
サイドFIRE後は、週3日だけバイトに出ている。職種は接客系で、時給は地域の最低賃金に少し上乗せした程度。月の手取りは7〜8万円ほどだ。
「なぜバイトしているのか」を聞かれることも多い。配当金だけで生活費は賄えるけれど、社会とのつながりを完全に断つことへの不安があった。それに、働いた分だけ資産の取り崩しを遅らせることができる。
| 時間帯 | やっていること |
|---|---|
| 7:30 | 起床(目覚ましなしで自然に起きる) |
| 7:30〜8:30 | コーヒーを淹れて、保有銘柄のチェック・ニュース確認 |
| 8:30〜9:00 | 朝食・準備 |
| 9:30 | バイト先に到着(自転車で10分) |
| 10:00〜16:00 | バイト(6時間勤務) |
| 16:15 | 帰宅 |
| 16:30〜17:30 | 読書 or 投資情報の収集 |
| 17:30〜19:00 | 夕食の準備・妻と一緒に食べる |
| 19:00〜21:00 | ブログ執筆 or 散歩 or 映画 |
| 21:00〜22:00 | 入浴・リラックス |
| 22:30 | 就寝 |
正社員時代と比べて、最も大きく変わったのは「通勤」だ。片道50分が10分になった。往復で1時間20分の差。これだけで1日の余裕がまったく違う。
バイト後に「もう何もしたくない」と思うことはほぼない。6時間勤務で体力が残っているし、精神的な負荷も正社員時代とは比べものにならない。帰宅してから3〜4時間、自分のやりたいことに充てられる。
もう一つ大きいのは、朝の過ごし方だ。以前は起きた瞬間から「急がないと間に合わない」という焦りがあった。今は起きてからバイトに出るまで2時間ある。コーヒーを飲みながら株価や配当ニュースを見る時間は、1日の中で一番好きな時間かもしれない。
【休みの日】週4日のスケジュール
週4日がバイトのない、完全に自由な日だ。ここが「暇じゃないの?」と聞かれる部分だと思う。
| 時間帯 | やっていること |
|---|---|
| 7:00〜8:00 | 自然に起床・コーヒー・日経電子版と保有銘柄チェック |
| 8:00〜9:00 | 朝食(妻と一緒に食べることも多い) |
| 9:00〜11:30 | ブログ執筆 or 投資の調査(企業IR・決算資料を読む) |
| 11:30〜13:00 | 昼食・休憩 |
| 13:00〜15:00 | 読書 or 買い物 or カフェで作業 |
| 15:00〜16:00 | 散歩 or ジム(週2回ほど) |
| 16:00〜17:30 | 夕食の準備(凝った料理を作ることもある) |
| 17:30〜19:00 | 夕食 |
| 19:00〜21:30 | 妻と映画を観る or それぞれ自由時間 |
| 21:30〜22:30 | 入浴・ストレッチ |
| 22:30 | 就寝 |
こうして書くと予定が埋まっているように見えるかもしれないが、実際には日によってかなり違う。午前中にカフェに行くこともあるし、1日中家で本を読んでいる日もある。予定がないのに何かに追われている感覚がないのが、正社員時代との最大の違いだ。
午前中の使い方 — 「自分の仕事」に集中する時間
午前中は頭がクリアなので、ブログの執筆や投資の調査に充てている。高配当株の銘柄分析は、企業のIR資料や決算短信を読み込む必要があるので、意外と時間がかかる。1銘柄の分析に半日かかることもある。
これが「暇じゃないのか」への一つの答えだと思う。会社の仕事はなくなったけれど、「自分の資産を守り育てるための仕事」は毎日ある。誰かに指示されてやるのではなく、自分で必要だと思ってやっている。この差は大きい。
午後の使い方 — ゆとりのある暮らし
午後は比較的のんびり過ごしている。読書、散歩、ジム、買い物。正社員時代は週末にまとめてやっていたことを、平日に分散できる。
特に大きいのが「平日の空いている時間に動ける」こと。スーパーは空いているし、ジムも待ち時間ゼロだし、病院の予約も取りやすい。些細なことに思えるかもしれないが、生活のストレスが確実に減った。
夕食の準備を自分でやるようになったのも変化の一つだ。正社員時代は帰宅が19時過ぎだったから、妻に任せきりだった。今は時間があるので、週の半分くらいは自分が作っている。料理はやってみると楽しい。
DINKsだからこそのサイドFIRE生活
子どもがいない共働き夫婦だからこそ、サイドFIRE生活が成り立っている面はある。正直に書いておきたい。
まず、生活費が圧倒的に少ない。夫婦2人の生活費は月20万円前後。住居費を除くと月13〜14万円程度だ。教育費がかからないのは大きい。
妻はフルタイムで働いているので、世帯としての収入基盤は安定している。私のバイト代と配当金を合わせると、私一人分の生活費は十分に賄える。この構造があるから、資産を取り崩す不安が小さい。
日中の過ごし方で言えば、妻が仕事に出ている間は完全に一人の時間だ。これを寂しいと感じるか、ありがたいと感じるかは人による。私の場合は、一人の時間に集中してブログや投資調査をやり、妻が帰ってきたら一緒に過ごす、というリズムが気に入っている。
投資の勉強・情報収集の時間
サイドFIRE生活の中で、意識的に時間を確保しているのが投資の勉強だ。
毎朝のルーティンとして、保有銘柄の株価チェックと配当関連のニュースを見ている。これに30分くらい。
それとは別に、週に2〜3回、企業の決算資料をじっくり読む時間を取っている。四半期決算が出る時期は忙しくなるが、これは正社員時代には絶対にできなかったことだ。平日の午前中に、誰にも邪魔されずにIR資料を読めるのは贅沢だと感じる。
「暇じゃないのか?」への正直な回答
これは本当によく聞かれる。回答としては「暇な瞬間はあるけれど、暇で困ってはいない」が正直なところだ。
総務省の「令和3年社会生活基本調査」によると、有業者の平日の自由時間は平均で約4時間程度とされている。私の場合、バイトのない日は8時間以上の自由時間がある。正社員時代の倍以上だ。
自由時間が増えて最初に気づいたのは、「やりたいことは意外とたくさんある」ということだった。正社員時代は時間がなくて先延ばしにしていたことが山ほどあった。ブログを書く、投資の勉強をする、本を読む、料理を覚える、体を動かす。どれも以前は「いつかやりたい」と思っていたことだ。
ただし、サイドFIRE直後の1〜2ヶ月は戸惑いがあった。急に自由な時間が増えて、何をすればいいかわからなくなる瞬間があった。「今日1日、何も生産的なことをしなかった」と罪悪感を感じることもあった。
これを乗り越えたのは、「毎日何かを生み出す必要はない」と考え方を変えてからだ。正社員時代は「成果を出し続けなければならない」というプレッシャーが染み付いていた。サイドFIRE後は、何もしない日があっても誰にも怒られないし、評価も下がらない。この当たり前のことを実感するのに、少し時間がかかった。
正社員時代と比べて何が変わったか
1. 睡眠の質が上がった
起床時間を自分で決められるのは、想像以上に生活の質に影響する。目覚ましをかけずに起きる朝は、体が軽い。
2. 通勤がなくなった(ほぼ)
片道50分の電車通勤から、自転車10分のバイト通勤になった。年間で計算すると、通勤に使っていた時間が約400時間は減っている。
3. お金の使い方が変わった
正社員時代は「ストレス解消のための消費」が多かった。今は時間があるので、自炊が増え、本当に欲しいものだけを買うようになった。生活費は正社員時代より下がっている。
4. 人間関係のストレスが消えた
職場の人間関係に悩まなくなったのは大きい。バイト先でも人と関わるけれど、社員時代のような利害関係がないので気が楽だ。
5. 時間の主導権を取り戻した
これが一番大きい変化だと思う。「今日何をするか」を自分で決められる。正社員時代は会社のスケジュールに合わせて生きていた。今は自分の体調、気分、優先度に合わせて1日を組み立てられる。
サイドFIREの1日が教えてくれること
サイドFIRE後の生活は、派手なものではない。毎日旅行しているわけでもなく、高級レストランに行くわけでもない。
朝ゆっくりコーヒーを飲んで、自転車でバイトに行って、帰宅後にブログを書いたり本を読んだりする。妻と一緒に夕食を食べて、映画を観て寝る。そういう日の繰り返しだ。
でも、この「普通の毎日」を自分のペースで送れること自体が、正社員時代にはなかった贅沢だと感じている。
サイドFIREは「仕事を辞めること」ではなく、「時間の使い方を自分で決められるようになること」だった。少なくとも私にとっては。資産3,000万で完全に働かない生活はできないけれど、週3日のバイトと配当金を組み合わせれば、十分に自分の時間を確保しながら暮らしていける。

コメント