30代半ばで投資を始めたとき、最初に迷ったのがこれだった。「インデックス投資と高配当株、どっちにするか」。
結論から言うと、私は高配当株を選んだ。2024年に資産3,000万・配当月15万でサイドFIREし、2026年のいま資産5,000万・配当月27万で完全FIREしている。労働はゼロ。
ただ、インデックスを否定する気はない。合理性でいえばインデックスの方が上だと思う場面もある。それでも高配当株を選んだ理由を、判断過程も含めて書く。
インデックス投資と高配当株の違いを整理する
まず前提として、両者の基本的な違いを整理しておく。
| 比較項目 | インデックス投資 | 高配当株 |
|---|---|---|
| リターンの受け取り方 | 売却時にまとめて | 配当として定期的に |
| 税効率 | 売却まで課税繰り延べ | 配当ごとに課税(配当控除適用可) |
| 運用の手間 | 積立設定で完結 | 銘柄選定・入替が必要 |
| キャッシュフロー | 定額取り崩しで自作 | 配当として自動で入る |
| 暴落時の精神面 | 含み損のみ・収入ゼロ | 含み損あるが配当は入る |
資産最大化ならインデックス投資が有利。これは理論上ほぼ定説になっている。配当を受け取るたびに税金がかかる高配当株より、課税を繰り延べて複利で回すインデックスの方が、トータルリターンは大きくなりやすい。
でも、「資産が最大になること」と「FIREできること」はイコールではなかった。少なくとも私の場合は。
私がインデックスではなく高配当株を選んだ理由
判断の決め手は「毎月のキャッシュフロー」
私のFIRE設計は、生活費月15万円を配当で賄うところから逆算した。
インデックス投資でも同じことは可能。いわゆる「4%ルール」で定額取り崩しをすればいい。ただ、私にはこれが心理的にきつかった。
理由は単純で、「取り崩す=資産が減る」という感覚が消えなかったから。
暴落で含み損が膨らんでいるときに、さらに売って生活費に充てる。理論上は問題なくても、実際にボタンを押すのは別の話。配当なら口座に振り込まれるだけ。含み損があっても配当は出る。この違いは大きかった。
「利回り6.5%」は狙ったわけじゃない
よく聞かれるので補足しておく。現在の配当利回りは約6.5%。これは最初から高利回り銘柄を狙った結果ではない。
増配銘柄を保有し続けた結果、取得単価ベースの利回りが育った数字。買った時点では3〜4%台の銘柄が多い。時間をかけて増配が積み上がり、いま振り返ると6.5%になっていた。
高配当株投資は「買ったら終わり」ではなく、持ち続けることで利回りが成長する設計にしている。これもインデックスにはない特徴だと思う。
年収350万でも5,000万に届いた背景
元上場企業マーケティング部、年収350万。投資に回せる金額は決して多くなかった。
それでも資産5,000万に届いたのは、配当を全額再投資し続けたから。配当が入ったら同じ月に高配当株を買い増す。これを約7年続けた。DINKsで生活費が抑えられたことも大きい。
インデックスの積立投資でも同じ結果になった可能性はある。ただ、配当という「目に見えるリターン」が入ってくることで、投資を続けるモチベーションが維持できた面はあると思う。
インデックス投資のメリットは認める
高配当株を選んだ私だけど、インデックス投資のメリットは素直に認めている。
- 手間がほぼゼロ:積立設定をしたら放置できる。銘柄分析も入替判断もいらない
- 税効率が高い:新NISAの成長投資枠でeMAXIS Slim全世界株式を積み立てれば、配当課税もなく非課税で複利が回る
- 分散が自動:1本で世界数千社に分散できる。個別株リスクがない
特に「投資に時間を使いたくない人」には、インデックス投資が向いていると思う。私は銘柄を調べるのが好きだから高配当株を続けているけど、これは完全に好みの問題。
高配当株がFIRE設計に合っていた3つの理由
①生活費を「配当だけ」で組めた
私の月の生活費は約15万円。DINKs夫婦で固定費を絞っている。サイドFIRE時点で配当月15万、いまは月27万。生活費を配当だけで賄えている。
取り崩しに依存しないから、相場が下がっても生活設計が崩れない。この安定感は、実際にFIREして初めてわかった。
配当金生活のリアルな数字はこちらの記事で詳しく書いている。
②暴落時に「何もしなくていい」安心感
インデックスの取り崩し戦略だと、暴落時にも一定額を売却する必要がある。理論上は問題ないとされているけど、含み損が-20%のときに売るのは精神的につらい。
高配当株なら、暴落しても配当は入ってくる(減配がなければ)。むしろ株価が下がっている時は配当利回りが上がるから、買い増しのチャンスにもなる。
もちろん減配リスクはある。高配当株で失敗した経験もあるので、減配リスクをゼロにはできない。だからこそ、増配実績のある銘柄を中心に分散している。
③資産額ではなく「月いくら入るか」で考えられた
FIRE設計で一番大事だったのは、「総資産がいくらか」より「毎月いくら入るか」だった。
インデックス投資の場合、「資産5,000万×4%=年200万=月16.7万」という計算になる。ただこの計算は、取り崩し率・相場・為替に依存する。毎月の金額は確定しない。
高配当株なら、保有銘柄の配当予想から「来期は月いくら入る」が見える。この予測可能性が、FIREへの踏み切りを後押しした。資産5,000万でFIREは可能かという記事にも書いたけど、「いけるかどうか」の判断材料が配当額という形で見えるのは大きい。
新NISAとの相性も考えた
2024年から始まった新NISAの成長投資枠は、高配当株にも使える。年間240万円の枠で高配当株を買えば、配当金が非課税で受け取れる。
通常、配当金には約20%の税金がかかる(申告分離課税の場合)。月27万円の配当なら年間約65万円が税金。これが非課税になるインパクトは無視できない。
ただし、新NISAでインデックス投資信託を買う方が税効率は高い場合もある。投資信託の分配金を出さないタイプなら、そもそも課税タイミングが来ない。
私が新NISAで高配当株を買っている理由は、キャッシュフロー重視のFIRE設計と相性が良かったから。正解は人によって違う。
結論:どっちが正解かは「あなたの設計」次第
インデックス投資と高配当株、どっちが優れているかの議論に正解はないと思っている。
- 資産を最大化したい → インデックス投資が合理的
- 毎月のキャッシュフローでFIREしたい → 高配当株が設計しやすい
- 投資に時間を使いたくない → インデックス投資が向いている
- 配当という「実感」がモチベーションになる → 高配当株向き
私は年収350万・DINKs・生活費月15万という条件で、配当でキャッシュフローを組むFIRE設計を選んだ。結果として資産5,000万・配当月27万で完全FIREに至った。
ただ、これはあくまで私の条件で私に合った道。インデックスで同じゴールに到達する人もいる。大事なのは、自分の生活設計から逆算して選ぶこと。
私のポートフォリオの中身はこちらの記事で公開している。判断の参考にしてもらえたらと思う。
※この記事は筆者個人の投資経験に基づくものであり、特定の投資手法・金融商品を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

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