2024年、資産3,000万・配当月15万でサイドFIREした。2026年のいま、資産は5,000万、配当は月27万になり、完全FIREに切り替えている。労働はゼロ。
「5,000万でFIREなんて無理でしょ」と思う人は多い。1億、2億ないと不安だと。正直、私も最初はそう思っていた。
でも実際に暮らしてみると、必要なのは「いくら持っているか」より「毎月いくら入ってくるか」と「毎月いくら使うか」の2つだけだった。
この記事では、資産5,000万でFIREした40代DINKs夫婦のリアルな設計を書く。収支シミュレーション、道のり、制度まわり、リスク。気になるところから読んでもらえればいい。
資産5,000万でFIREできるのか — 結論から
結論、できる。ただし条件がある。
私の場合の条件は3つ。
- 配当利回り6.5%前後のポートフォリオを組んでいること
- 生活費が月15万円で収まっていること
- 40代DINKs(子なし夫婦)であること
資産5,000万×利回り6.5%=年間配当325万円。税引前で月約27万円になる。生活費が月15万円なので、差額は約12万円。この余裕が精神的な安全弁になっている。
逆に言えば、生活費が月25万を超える家庭や、子どもの教育費がかかる世帯には、5,000万だけでは厳しい。ここは正直に書いておく。
「利回り6.5%は高すぎないか」という疑問もあると思う。日本株の高配当銘柄を中心に、増配傾向のある銘柄を選んで積み上げた結果がこの数字。最初から6.5%を狙ったわけではなく、保有を続けるうちに増配で利回りが育ってきた。高配当株ポートフォリオの中身と利回りの推移はこちらにまとめている。
5,000万でFIREした場合の収支シミュレーション
「5,000万あったら毎月いくらもらえるの?」をざっくり表にした。税引前の数字で、配当利回り別に並べている。
| 配当利回り | 年間配当(税引前) | 月間配当(税引前) | 税引後(約20%) |
|---|---|---|---|
| 4.0% | 200万円 | 約16.7万円 | 約13.3万円 |
| 5.0% | 250万円 | 約20.8万円 | 約16.7万円 |
| 6.0% | 300万円 | 25万円 | 20万円 |
| 6.5% | 325万円 | 約27万円 | 約21.6万円 |
私は利回り6.5%で月27万円(税引前)。生活費が月15万円なので、税引後でも余る計算になる。
ここで「4%ルール」との比較もしておく。4%ルールは元本を取り崩す前提の考え方で、5,000万なら年200万(月約16.7万)を使える。ただし元本は減っていく。
配当型の設計は元本を減らさない。株価の上下はあるけれど、保有株数が減らない限り配当は入り続ける。ここが取り崩し型との大きな違い。
次に、生活費別の余裕度を見る。
| 月の生活費 | 利回り4%(税引後) | 利回り5%(税引後) | 利回り6.5%(税引後) |
|---|---|---|---|
| 月15万円 | ▲1.7万円 | +1.7万円 | +6.6万円 |
| 月20万円 | ▲6.7万円 | ▲3.3万円 | +1.6万円 |
| 月25万円 | ▲11.7万円 | ▲8.3万円 | ▲3.4万円 |
利回り4%だと月15万円の生活でもギリギリ足りない。5%でトントン。6%超えてようやく余裕が出る。5,000万FIREが成り立つかどうかは、利回りと生活費の掛け算で決まる。
夫婦の生活費内訳はFIRE夫婦のリアルな生活費で公開している。
私が5,000万を作るまでの道のり
30代半ばから投資を始めた。元上場企業のマーケティング部で、年収は350万。手取りで月22万くらい。
特別な収入源はない。副業もほとんどしていなかった。やったのは生活費を削って、浮いた分を日本株の高配当銘柄に入れ続けること。地味だけど、それだけ。
約7年で資産3,000万に到達して、2024年にサイドFIREした。最初は週3日のフリーランスで生活費の足しにしていた。
サイドFIRE後も配当の再投資と増配を続けて、2年で資産5,000万に到達。配当も月15万から月27万に増えた。現在の利回り6.5%は、最初から狙ったわけではなく、増配銘柄を保有し続けた結果として育ってきた数字。
2026年、完全FIREに切り替えた。労働ゼロ。
道のりの詳細は年収350万でFIREできた理由にまとめている。
5,000万でFIREして変わったこと
FIREして最初に変わったのは、朝のアラームを消したこと。地味だけどこれがけっこう大きい。
時間はたっぷりある。「暇じゃないの?」とよく聞かれるけれど、正直、暇だと感じたことはほぼない。やりたいことをやりたい順にやれるだけで、1日はあっという間に過ぎる。FIREした人の1日と「暇」問題について書いた記事もある。
人間関係も変わった。会社の付き合いがなくなった分、会いたい人にだけ会う生活になった。これは良い面も寂しい面もある。FIRE後の孤独については、別の記事で書くつもりでいる。
精神面では、FIREして変わった価値観の記事にも書いたけれど、「お金に追われる感覚」がなくなったのが一番大きい。月27万の配当が入ってくる状態で、生活費は月15万。この差額12万が心の余裕になっている。
5,000万FIREで押さえておくべき制度と税金
FIREすると「会社がやってくれていたこと」を全部自分でやることになる。ここが意外と盲点。
健康保険 — 退職後の選択肢は3つ。任意継続(退職後2年まで)、国民健康保険、配偶者の扶養に入る。それぞれ保険料が全然違う。私の場合はFIRE後の健康保険の選び方で比較した結果を書いている。
確定申告 — 配当所得の申告方法は3つある。総合課税、申告分離課税、確定申告不要。所得が低いFIRE民にとって、どれを選ぶかで税額が数万円変わる。FIRE民の確定申告ガイドにまとめた。
住民税と年金 — 配当所得の申告方法次第で住民税非課税になれるケースがある。国民年金の免除申請も所得基準で判定される。このあたりは条件分岐が多いので、別記事で整理する予定。
退職前の節税 — 退職金の受け取り方やiDeCoの出口戦略など、辞める前に手を打っておくべきことがある。退職前の節税チェックリストに整理している。
ちなみに私はFIRE後の税金で55万円損した実話も書いている。知識不足で損した金額はリアルに痛い。同じ失敗をしてほしくないから残しておく。
5,000万でFIREするリスクと対策
5,000万FIREは可能だけど、リスクがないわけではない。ここは正直に書く。
減配リスク — 保有銘柄が減配すれば、月27万が月20万に落ちることもありえる。ただ、私の設計では生活費月15万に対して配当月27万なので、12万円分のバッファがある。仮に配当が3割減っても月19万で、生活費はカバーできる。
インフレリスク — 生活費が月15万で済んでいるのは2026年時点の話。10年後に物価が2割上がれば月18万になる。配当も増配で追いつく設計にしているけれど、確約はできない。
想定外の出費 — 医療費、親の介護、家の修繕。こうした支出は配当のバッファでは足りないこともある。私はDINKsなので教育費はかからないけれど、単身やお子さんがいる家庭では5,000万だけでは不安が残ると思う。
5,000万で足りなくなるケース — 正直に言えば、以下のどれかに当てはまる人には5,000万FIREは厳しい。
- 生活費が月25万を超える
- 子どもの教育費がかかる(大学費用など)
- 住宅ローンが残っている
- 利回り4%以下のポートフォリオで組んでいる
この場合は追加の収入源(サイドFIRE型)か、もう少し資産を積み上げてからの方がいい。
よくある質問
Q. 5,000万で本当にFIREできますか?
できる。ただし配当利回り5%以上のポートフォリオを組めていること、生活費を月20万円以内に抑えられることが条件。私の場合は利回り6.5%・生活費月15万円で、月12万円のバッファがある状態で完全FIRE中。
Q. 独身でも5,000万FIREは可能ですか?
むしろ独身の方が生活費を抑えやすい分、有利な面もある。ただし病気やケガのときに頼れる人がいない分、医療保険や緊急資金(現金200-300万円程度)は手厚くしておきたい。
Q. 5,000万を貯めるのに何年かかりますか?
私は年収350万・手取り月22万からスタートして、約9年で5,000万に到達した。最初の7年で3,000万、そこから2年で5,000万。後半は配当の再投資が効いてペースが上がった。年収350万でFIREできた理由に詳しく書いている。
※この記事は2026年5月時点の情報に基づいています。税制・制度は変更される場合があります。投資判断はご自身の状況に合わせて行ってください。
