「あなたは準富裕層です」と言われたのは、証券口座の資産が5,000万円を超えた日だった。
正確には誰かに言われたわけじゃない。Xのタイムラインで見かけた野村総合研究所の資産分類表。5,000万〜1億円未満が「準富裕層」。自分の口座残高と照らし合わせて、「あ、ここに入るのか」と思った。それだけ。
感動はなかった。生活は何も変わっていなかったから。
この記事では、年収350万の会社員だった私が資産5,000万に到達して「準富裕層」になった経緯と、拍子抜けするほど地味なFIRE生活のリアルを書いていきます。
準富裕層とは?野村総研の定義をざっくり整理
準富裕層の定義は、野村総合研究所(NRI)が公表している純金融資産保有額の分類に基づいています。
| 分類 | 純金融資産 | 世帯数(2023年推計) |
|---|---|---|
| 超富裕層 | 5億円以上 | 約11.8万世帯 |
| 富裕層 | 1億〜5億円未満 | 約153.5万世帯 |
| 準富裕層 | 5,000万〜1億円未満 | 約325.4万世帯 |
| アッパーマス層 | 3,000万〜5,000万円未満 | 約726.3万世帯 |
| マス層 | 3,000万円未満 | 約4,213.2万世帯 |
出典:野村総合研究所 2023年推計
準富裕層は全世帯の約6%。数字だけ見ると上位に入る。でも実感としては「金持ち」とは程遠い。この感覚のズレが、準富裕層の面白いところだと思っています。
準富裕層の生活は、びっくりするほど地味
富裕層と聞くと、タワマン・外車・高級レストランを想像する人もいるかもしれません。
現実はこんな感じです。
- 住まいは家賃7万円台の賃貸マンション
- 車は持っていない。移動は電車と自転車
- 外食は月に2〜3回。近所の定食屋かチェーン店
- 服はユニクロと無印。セールを待つこともある
- 旅行は年に1〜2回。国内温泉が多い
億を超える富裕層とは全然違う。5,000万円の準富裕層は、生活レベルで言えばごく普通の暮らしです。スーパーの値引きシールが貼られた惣菜を買うし、夫婦でYouTubeを見ながら晩ごはんを食べる。
変わったのは、お金の不安が減ったこと。それだけで十分大きいんですけどね。
年収350万→資産5,000万になるまでの道のり
元は上場企業のマーケティング部で働く、ごく普通の会社員でした。年収350万円。30代半ばまで投資の「と」の字も知らなかった。
投資を始めたきっかけは、会社の先輩が配当金の入金通知を見せてくれたこと。「寝てる間にお金が入ってくるってことですか?」と聞いたら、「まあ、そういうことだね」と笑っていた。
そこから約7年。日本株の高配当銘柄を中心に、コツコツ買い続けました。
資産が伸びた要因は3つ
1. DINKsで生活費を抑えた
子どものいない夫婦2人暮らし。夫婦の月の生活費は約15万円。家賃を除けば10万円を切る月もあります。年収350万でも手取りの半分近くを投資に回せたのは、この生活コストの低さが大きかった。
2. 配当金を全額再投資した
受け取った配当はすべて株の買い増しに回しました。最初の配当は月に数千円。「これで何が買えるんだ」と思ったけど、再投資を続けると配当が配当を生む。いわゆる複利の効果。7年で月15万円まで積み上がったのは、この仕組みのおかげです。
3. 高配当×株主優待のハイブリッド運用
配当利回りだけでなく、株主優待も考慮して銘柄を選んでいます。優待で食費や日用品が浮く分、現金支出がさらに減る。ポートフォリオの詳細はこちらで公開しています。
ざっくりした資産推移
| 時期 | 資産 | 配当月額 | 状態 |
|---|---|---|---|
| 投資開始(30代半ば) | ほぼゼロ | — | 会社員(年収350万) |
| 2024年 | 3,000万円 | 約15万円 | サイドFIRE(週3フリーランス) |
| 2026年現在 | 5,000万円 | 約27万円 | 完全FIRE(労働ゼロ) |
2024年に資産3,000万・配当月15万でサイドFIREに移行。フリーランスとして週3日だけ働きながら、残りの収入も投資に回した結果、2年で5,000万まで到達しました。
準富裕層で変わったこと・変わらないこと
変わったこと
- お金の不安が消えた。「来月の支払い大丈夫かな」という心配がなくなった。これが一番大きい
- 仕事を辞められた。配当月27万円で生活費がまかなえるので、完全FIREに踏み切れた
- 時間が自由になった。平日の昼間にスーパーへ行ける。空いている。幸せ
変わらないこと
- 買い物は安いものを選ぶ。5,000万あっても高い肉はためらう
- 贅沢はしない。外車もブランド品も興味がない
- 将来の不安はゼロではない。減配リスク、インフレ、医療費。5,000万では「一生安泰」とは言い切れない
準富裕層は「お金に追われなくなる」レベル。「お金を気にしなくていい」レベルではない。この差は結構大きいです。
配当月27万円の使い道
配当金だけで生活するリアルを別記事でも書いていますが、ここでも簡単にまとめます。
| 項目 | 月額 |
|---|---|
| 家賃 | 約7万円 |
| 食費 | 約3万円(優待で一部カバー) |
| 光熱費・通信費 | 約2万円 |
| 日用品・その他 | 約2万円 |
| 娯楽・交際費 | 約1万円 |
| 生活費合計 | 約15万円 |
| 再投資に回す分 | 約12万円 |
配当月27万のうち、生活費に使うのは15万円前後。残りの12万円は再投資に回しています。
派手さはゼロ。でも配当が生活費を超えている状態は精神的にかなり楽です。もし来月の配当が少し減っても、すぐに生活が破綻するわけじゃない。その余白があること自体が、準富裕層になって一番よかったことかもしれない。
準富裕層でFIREは可能か?
結論から言うと、生活費次第です。
資産5,000万で配当利回り4%なら、年間の配当収入は200万円。月に直すと約16.6万円(税引前)。税引後で約13万円。
私の場合は利回り約6.5%の高配当株中心なので月27万円ですが、一般的なポートフォリオなら月13〜17万円が目安になります。
| 月の生活費 | 利回り4% | 利回り5% | 利回り6% |
|---|---|---|---|
| 15万円 | △(税引後やや不足) | ○ | ◎ |
| 20万円 | × | △ | ○ |
| 25万円 | × | × | △ |
※税率20.315%で概算。NISA枠の活用度により変動
月15万円で暮らせるなら、利回り5%以上でFIREは成立する。月25万円になると、かなり厳しい。資産5,000万でFIREが可能かどうかの詳しい試算はこちらにまとめています。
DINKsで生活費を15万円に抑えられている私たちの場合は成立していますが、家族構成や住む場所によって話はまったく変わります。
「準富裕層は金持ちか?」への正直な答え
正直に言うと、金持ちではない。
「金持ち」という言葉から想像されるような生活はしていない。高級車もタワマンも持っていない。外食でメニューの値段を見ないなんてことも一度もない。
ただ、「お金に困っているか」と聞かれたら、困っていない。配当で生活費がまかなえていて、毎月の貯蓄もできている。その意味では、間違いなく恵まれた立場にいる。
年収350万円で働いていた頃の自分から見れば、今の状態は想像もできなかった。でもやったことは地味で、高配当株を買って配当を再投資して、生活費を抑えて、それを7年続けた。それだけ。
インデックス投資と高配当株の違いはよく聞かれますが、私が高配当株を選んだのは「配当が入ってくる実感」がモチベーションになったから。理屈上はインデックスの方が効率的でも、続けられなければ意味がない。
準富裕層は、お金持ちの入り口ですらないかもしれない。でも「お金の心配から解放される」入り口にはなれる。少なくとも私にとってはそうでした。
このブログでは、準富裕層でFIREした夫婦のリアルな暮らしを、飾らずに記録していきます。
よくある質問
準富裕層の割合は?
野村総合研究所の2023年推計によると、準富裕層(純金融資産5,000万〜1億円未満)は約325.4万世帯。全世帯の約6%にあたります。
準富裕層の生活レベルはどれくらい?
資産額は上位6%ですが、生活レベルは一般家庭と大きく変わらないケースが多いです。資産を運用に回しているため、使えるお金は見た目の数字ほど多くありません。
資産5,000万でFIREできますか?
月の生活費と配当利回りによります。生活費が月15万円以下で利回り5%以上なら成立する可能性があります。月25万円以上の生活費だと、配当だけで生活を維持するのは難しくなります。

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